「商品ページへの来訪はあるのに思ったように商品が売れない。」と悩むネットショップ運営者の方も多いはず。
実店舗の場合、来訪いただいたお客様に対して商品の魅力や使い方を伝え、購入を後押しするることが可能ですが、EC・ネットショップではそうはいきません。
EC・ネットショップにおいてリアル店舗における接客の役割を果たすのが商品ページです。それでは商品の特徴や魅力が伝わり、お客様の「買いたい!」を後押しする商品ページはどのように作ればいいのでしょうか?
この記事では、売れる商品ページの作り方を解説していきます。CVR(購買率)を上げる商品ページを作るために、しっかりと理解しながら読み進めましょう。
編集者
JPholic株式会社 ECNOW 編集部
ECNOWはJPholic株式会社が運営する、 ネットショップ情報メディアです。
30社を超えるECコンサルティング実績や自社ECの運営経験をもとに、 「これからECをはじめる」「ECをいまよりもっと活用したい」という声にお応えします。
ネットショップの商品ページを作る前に準備すること
ネットショップの商品ページを作り始める前に、まずは準備をしましょう。
- 商品の分析をする
- 高品質な商品画像を用意する
- 商品の情報をまとめておく
これらの準備をしておくことにより、商品ページは充実していきます。また、商品ページ作成も効率的になるので、ぜひしっかり準備段階を踏むようにしてください。
商品の分析をする
商品ページを作成する準備として、まずは商品の分析を行いましょう。商品の分析をすることによって、どのような情報を商品ページに入れれば良いのかがわかります。
商品の分析をするには「3C分析」を用いるのが良いでしょう。取り扱い商品の3C分析は、非常に重要となります。3C分析とは、以下の3つの「C」を分析することです。
Customer(市場・顧客):市場の規模、成長性、顧客、顧客のニーズ
Competitor(競合):ビジネス結果、その要因、強み、弱み、サービス
Company(自社):店舗の強み、弱み、商品戦略、資本力
ネットショップにおける3CはCustomer(お客様、お客様が求める価値)、Competitor(競合他社)、Company(自社の強み)となります。
まず、Customer(市場・顧客)の調査で、自社のお客様は誰なのかを明確にしましょう。また、その調査を元に顧客のニーズを集めます。まずは伝えるべき相手と、求められている情報を間違えないことが重要です。
そしてCompetitor(競合)の調査を元に、他社と自社との違いを理解しましょう。強みや弱みを理解することによって、商品ページに盛り込むべき情報や魅せ方が変わってきます。
そして最後に、Company(自社)の調査で振り返りを行ってください。自社でしかできない施策や、オリジナルポイントなどがあれば、顧客にとっての魅力となります。
商品それぞれに特徴があるので、ひとつひとつの分析を徹底的に行いましょう。その上で自社のネットショップの特徴を生かした商品をページを作っていってください。
質の良い画像を用意する
商品の主役ともいえるのが、販売する商品の写真です。商品画像の品質は、購入に直結する重要な要素になります。
メーカー提供の写真も良いですが、自社で写真を撮って、オリジナルの画像を作成できれば、顧客の購買意欲をそそるでしょう。
カメラ類の機材や構図、光の加減などで商品の魅力は変わってきます。そのため、可能であればプロのカメラマンに撮影してもらうことが理想です。
しかし、皆さんがお持ちのスマホのカメラでも撮影が可能です。最近のスマホのカメラは高品質ですし、加工もできます。手軽にオリジナルの商品画像を作成したい場合は、まずはスマホで初めて見ても良いかもしれません。
ネットショップの雰囲気や、商品の魅力を演出できる画像を用意することが、ネットショップでの成功につながります。そのため、可能な限り高品質な写真、画像を用意するようにしましょう。
商品の情報を集める
商品ページには、商品の情報を余す所なく記載しなければいけません。そのためには、必要な情報を全て集めておく必要があります。
たくさんの商品の商品ページを作るのであれば、エクセルなどにまとめておくことをおすすめします。以下のような情報をまとめておけば、商品販売後の管理にも便利です。
- 商品名
- キャッチコピー
- 仕入れ価格
- 販売価格
- 商品説明文
- カテゴリー
その他、必要に応じて情報を追記しても良いでしょう。例えば、過去に販売していた商品のデータなども合わせて記録しておけば、自社のノウハウが詰まった商品情報集が出来上がるでしょう。
ネットショップの商品ページの作り方
商品情報などの準備ができたら、商品ページを作っていきましょう。ネットショップの商品ページの作り方は、どこで販売するかによって方法やテンプレート、入れられる情報が変わってきます。
例えばモール(楽天、Yahoo!ショッピングなど)なら、レイアウトや入れられる情報もある程度決まっています。
ここでは、ある程度自由にネットショップの商品ページが作れると想定して解説していきます。
商品ぺージのレイアウトを決定する
まずは、商品ページのレイアウトを決めましょう。自由に作れるからといって、感覚で作ってしまってはいけません。商品の魅力を伝え、購買意欲をそそるようなレイアウトにする必要があります。
とはいえ、実は商品ページのレイアウトにはある程度決まった型があります。
左側に「商品画像」
右側に「商品名」や「キャッチコピー」「価格」その下に「購入ボタン」
以下に「商品説明文」「レビュー」「関連商品」など
この型は楽天やYahoo!ショッピングの商品ページでも採用されているように、顧客にとって馴染みのあるレイアウトです。馴染みがあるので、顧客にとっては「購入しやすい」と感じてもらいやすいでしょう。
逆に、デザイン重視の商品ページにすることは危険です。お客様が操作を迷ってしまう可能性があるからです。たとえ商品が気に入ったとしても、商品購入ボタンが見つからなければ、コンバージョンへは至りません。
もちろん、サイトのブランディングも大事です。ブランドや商品の個性を出すために、意図的に商品ページを型から外しているネットショップもあります。しかし、よほどのことがない限り、型通りの商品ページレイアウトにしたほうが無難と言えます。
商品説明の文章を考える
商品説明の文章は、非常に重要です。商品の魅力を引き出すためには、購入意欲をそそるような文章を用意しましょう。コピーライティングやWEBライティングを学習するのも○。顧客に訴えかけるような文章を掲載すれば、商品購入への後押しができます。
また、魅力を語るだけではなく「注意点」なども記載するようにしてください。お客様が購入する際に感じるであろう疑問や不安な点を洗い出し、あらかじめ解決してあげましょう。
ネットショップでの買い物は、商品画像や商品説明が頼りです。十分すぎるほどの商品説明を掲載しましょう。
商品写真を準備する
商品写真には必ずこだわりましょう。商品ページに辿り着いた顧客は、必ず商品写真を目にします。そしてその商品写真を見て、商品が魅力的かどうか、欲しいかどうかを判断するのです。そのため、画質が荒かったり、見切れていたりしていてはいけません。必ず鮮明で全体像が映るような写真を使ってください。
また、商品写真は必ず数種類用意しましょう。商品単体の写真だけでなく、商品のベネフィットを想起させる写真がマストです。
ECにおけるベネフィットとは、商品の購入によりお客様が得られる利益のこと。つまり、お客様が求めているのは商品ではなくて、その商品から得られる利益といえます。
たとえばスニーカーの場合、ベネフィットは「おしゃれに街を歩く」ことといえます。したがって商品単体の写真のほかに、着用写真や街を歩く写真を準備するといいでしょう。
売れやすい商品説明の3パターン
商品説明は、売上を左右します。丁寧かつ魅力的な商品説明を作るために、以下のことを意識してください。
- 見出しや文字の装飾を使ってメリハリをつける
- 画像を充実させて使用感をイメージさせる
- ストーリー性のある説明文で購買意欲をそそる
ただ単純に商品のことについて書いても、顧客の購買意欲は上がりません。必要な情報を魅力的に書くことが、商品説明を作るポイントです。
1. 見出しや文字の装飾を使ってメリハリをつける
商品説明文を書く際は、見出しや文字の装飾を使ってメリハリを付けましょう。ただの説明書のようになってはいけません。商品ページに訪れたお客様が「読みやすいかどうか」「求めている情報をすぐに見つけられるかどうか」を考慮しましょう。
せっかくネットショップに訪れたお客様でも、商品や買い物の方法に疑問や不安を感じると購買には至りません。そのため、商品ページではどこに何が書いてあるかが分かりやすいことが理想です。注意点や訴求したいポイント、話題が変わるところでは、見出しや文字装飾を使いましょう。
商品ページは「カタログ兼取扱説明書」のようなものです。文章の魅せ方や表現の仕方にも工夫が必要です。
2. 画像を充実させて商品を使うことをイメージさせる
画像を充実させることも、商品説明で重要なポイントです。商品をどんなシーンで使うのかをイメージできる写真は、お客様自身が商品を使うことをイメージしやすくなり、購入を後押ししてくれます。
また、文字と画像では情報伝達量に7倍の差があるといわれています。1分間に伝えられる情報量は、文字の場合300字(原稿用紙1枚弱)程度、一方の画像は2000字ほどの情報を伝えることができるようです。
テキストだけでは伝わりづらい内容は、写真のほか、グラフや表などの画像を用いて伝えると効果的です。
3. ストーリー性のある商品説明で購買意欲をそそる
ストーリー性のある商品説明は、お客様の購買意欲をそそります。ただ商品概要が記載されただけの商品ページは、魅力的に映りません。
商品ページをLP(ランディングページ)のような形で表現することにより、自然な形で購入ボタンを押してくれるのです。
例えば、以下のような形でLP風の商品ページを作ってみましょう。
- 画像:使用例としての画像。「自分が使ったらこうなる」という姿を想像させる
- 共感:「〇〇について悩んでませんか?」という一文を入れて読者に寄り添う
- 解決:「〇〇を買えば悩みが解決される」という方法を提案する
- ベネフィット:「商品を購入したらどうなるか」という未来の利益を提示する
- ストーリー:「生産者の紹介」「商品が生まれたきっかけ」「生産者の思い」などを掲載する
- 実績:「〇〇人が満足した」という数字を入れた実績や、実際にいただいた口コミを掲載する
- クロージング:最後に購入を促すひとことでクロージングを行う
この型をひとつ覚えておけば、どんな商品にも対応可能です。そのため、書くことに慣れておけば優秀な商品説明文がスラスラ書けるようになるのです。もちろん情報を集めることに時間はかかりますが、LP風の商品ページを作り込む価値はあります。手間をかければかけた分だけ、商品購入に繋がるのです。
ストーリー性のある説明文に着手できていないネットショップも多いです。競合と差をつけるためにも、商品説明文でストーリー性を演出していきましょう。
商品説明文にもこだわる
商品説明文の作り方にもコツがあります。ポイントは以下の7つ。
- ターゲットを明確にする
- キャッチコピーを練る
- 商品説明は丁寧すぎるぐらいに
- クロージングをしっかり行う
- ベネフィット(=利益)を伝える
- 絶対に嘘や誇大すぎる表現は使わない
- キーワードを散りばめる
商品説明文の詳しい解説は以下の記事をご覧ください。
動画を活用した訴求は近年のトレンド
近年、商品説明に動画を用いるショップが増えてきています。実店舗と違い、ネットショップでの買い物は一般的に商品を手にとってみることができません。商品購入前のお客様の不安を少しでも解消するためにも、動画は有効な手段です。
メリット
- 実際の使い心地を伝えやすい
- 商品の「色」「サイズ」「質感」を伝えやすい
- ショップのオリジナリティ(独自性)を出せる
デメリット
- 動画制作に時間がかかる
- 撮影機材のコストがかかる
動画の活用方法については下記の記事を参考にしてみてください。
まとめ
ただ商品の情報を羅列しただけの商品ページは今すぐやめましょう。商品を売るためには、商品説明を充実させることが必要です。
この記事で紹介したポイントのほかに、競合や有名なショップを訪れて商品説明の書き方を勉強することもおすすめです。