ネットショップのLP(ランディングページ)は、ショップの売上を大きく左右する重要なコンテンツです。LPがユーザーの心に響かなければ、途中で離脱されてしまい購入につながりません。
そのため、ユーザーの心をつかむLPを作成することは、直接的に売上の向上につながるのです。
LPは必要な構成要素がページの中に盛り込まれてこそ、効果を発揮します。コンバージョンへつなげて売上を向上させるためには、ポイントを押さえて作成する必要があります。
今回の記事では、ネットショップにおけるLPの特徴やメリット、ポイント、作り方などを解説します。
編集者
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ネットショップのLP(ランディングページ)とは?
LPとは、ランディングページの略称で、広義の意味ではランディング( =着地)の文字とおり、ウェブサイトに訪れたユーザーが最初にアクセスしたページを意味し、一方で狭義の意味では、訪問したユーザーを誘導し、商品購入などのアクションを起こしてもらうためのページを意味します。
ネットショップにおけるLPは、狭義の意味で使われることが多く、集客や売上の向上にダイレクトにつながる重要なページといえるでしょう。ネットショップのコンバージョンである、商品の注文につなげるための特設ページのような意味合いもあります。
ネットショップのLPの多くは、単品商品を紹介するページとして活用されます。そのため、LPからユーザーを誘導する先は、ネットショップのトップページではなく、紹介した単品商品の購入ページであることが一般的です。
LPO(LP最適化)とは
LPを作成するうえで欠かせないのがLPO(ランディング・ページ・オプティマイゼーション:ランディングページ最適化)です。LPOとは、ユーザーのニーズに合わせてLPのデザインや文章、構成を見直し、CVR(コンバージョンレート:成約率)の向上を目指す取り組みのことをいいます。
LPOは、ヒートマップやアナリティクスツールで、以下の項目を確認すると実施しやすくなります。
- 最もクリックされている場所はどこか
- 離脱率が高い部分はどこか
- 滞在時間はどのくらいか
- ページのどこらへんまで閲覧されているか
- 流入の多いキーワードはなにか
- ページ遷移率
- ボタンクリック率
これらを細かく分析して、改善していくことでLPOにつながります。
ネットショップでLPを作るメリット
次に、ネットショップでLPを作るメリットを紹介します。
- 成約率を上げられる
- 分析しやすく課題を把握しやすい
- ブランドイメージを崩すことなく売上を上げられる
- 流入経路ごとに最適なアプローチができる
以上の5つです。詳しく見ていきましょう。
成約率を上げられる
LPを作成する最大のメリットは、成約率の向上を目指せる点です。
LPは、1ページ内にお客様の欲しい情報が集約されていて、かつ注文や申し込みをしてもらうことを目的としたリンクのみ設置されているため、ユーザーが購入を迷うことなく、成約率が上がりやすいメリットがあります。
分析しやすく課題を把握しやすい
1ページで構成されるLPは、比較的に分析が容易で課題を把握しやすいというメリットがあります。
LPは、一度制作しただけで終了ではありません。
「直帰率」や「滞在時間」「スクロール率」のほか、LPから商品ページに遷移したユーザー数、LPを経由した購入者数などを測定します。そして、ボトルネックとなっている点を繰り返し改善していくことで、徐々に成約率を高めていくことができます。
ブランドイメージを崩すことなく売上を上げられる
ネットショップのトップページや商品ページでセールスイメージを全面に押し出すと、お客様にいやなイメージを与えてしまう場合があります。それにより、ブランドのイメージを損ねたり、購買意欲の低下を招いたりする恐れもあるでしょう。
これらの問題を解決するのがLPです。LPを活用することで、通常のネットショップ内にセールス色を強く打ち出すことなく、ブランドイメージを保ちながら集客できます。
流入経路ごとに最適なアプローチができる
ウェブ広告にはさまざまな種類があり、広告ごとにネットショップへの流入経路が異なります。各広告媒体ごとにユーザーが求めるものや、魅力的に思うものも異なります。
たとえば、写真をメインに扱うInstagramから流入したユーザーは、視覚的な情報を求めていることが多いため、お洒落な商品写真などを使用したLPが効果的です。流入経路ごとに違うLPを作成することで、各ユーザーに見合った最適なアプローチができるでしょう。
ネットショップにおけるLPの特徴と構成
この章では、LPの基本的な構成と種類について解説します。
まずは、LPの基本的な構成を見てみましょう。一般的なLPは以下3つの要素で構成されています。
- ファーストビュー
- ボディ
- クロージング
ファーストビュー
ファーストビューとは、ユーザーがサイトを訪れた際に最初に表示される部分を指します。
ユーザーがLPに訪れスクロールして先へ読み進めるか、離脱して他のサイトを訪れるかを大きく左右するのが、LPのファーストビューです。
そのため、ファーストビューのキャッチコピーとメインビジュアルが重要な要素となります。
ユーザーに「自分ごと化」させ、先のコンテンツを読み進めることでユーザーが求める情報を得られると確信させるコピーとビジュアルを作りあげましょう。
ボディ
LPのボディは、「共感」「解決・ベネフィット」「商品やサービス詳細」「メディア掲載実績・ユーザーレビューなど」といった要素で構成されます。
ボディ部分は商品やサービスがユーザーにとって「どうやって役立つのか」「なぜ役立つのか」「その結果のエビデンス」を伝える部分と言いかえることもできます。
クロージング
LPのクロージング部分は「この商品・サービスを買いませんか?」とオファー(提案)をする部分です。
購入の気持ちが高まっているユーザーに対して、もうひと押し。「今買いたい!」と思わせる理由づけを行いましょう。「今だけ〇〇%オフ」や「限定プレゼント」などお得なサービスを用意するのも良いでしょう。ユーザーは緊急性や希少性を感じることで、行動を起こしやすくなります。
最下部の購入ボタンは、目を引くカラーやコピー、クリエイティブにすることをおすすめします。
ネットショップにおけるLPの作り方と手順
次に、LPの具体的な作成手順について解説します。LPを作成する一般的な方法は、制作会社に依頼する方法、自分で作成する方法、LP作成ツールを使用する方法の3つがあります。
この章では、主にLPを自作する場合について解説します。作成する手順は以下のとおりです。
- 目的を決める
- ターゲット、訴求軸を決める
- 構成を決め、コンテンツを作る
- ページをデザインする
- コーディングでLPを組み込む
目的を決める
まずは、なんのためにLPを作成するのか明確にしましょう。ネットショップのLP作成の目的は大半が商品の購入を促すことですが、見込み客を集めるためのキャンペーンを行うときにもLPは有用です。(LPでLINEの登録を促したり、SNSのフォローを促すなど。)
ターゲット、訴求軸を決める
LPではお客様を惹きつけてコンバージョンにつながるような訴求を行わないといけません。そのためには、まずターゲットを具体的にすることが必要です。
ターゲットが明確になることで、そのターゲットの抱える課題やニーズも明らかになっていきます。ターゲットの課題やニーズに合わせてLPにおける訴求軸を決めましょう。
構成を決め、コンテンツを作る
目的とターゲットが決まったら、LPのレイアウトとなる構成を検討していきます。構成は、前述した「ネットショップにおけるLPの特徴と構成」を参考に検討してみましょう。構成を決めたら、各コンテンツの詳細を考えていきます。
ページをデザインする
その後、デザイン工程に入ります。デザインを考える上で大切なのがターゲットです。事前に設定したターゲットに刺さるデザインにする必要があるからです。
LPをデザインするうえでおさえておきたいポイントは以下の4つです。
- 顧客目線で考える
- 写真や動画などビジュアルイメージで伝える
- スクロールしたくなるデザインにする
- メリハリをつける
クオリティの高いデザインにするには、各コンテンツの細部まで、こだわってデザインする必要があります。
コーディングする
コーディングは、デザインしたページをHTMLでマークアップしていく作業です。コーディングと共に、アップロードするサーバーやURLも決めておきましょう。コーディングが終了したらページをアップロードして公開します。
LPは、コンバージョン率の向上を目指して作成しますが、はじめからコンバージョン率の高いものを作成することはできません。公開後に分析と改善を繰り返し、ユーザーにとって見やすいLPへと改善していきます。それにより、徐々にコンバージョン率を向上させられるでしょう。
ネットショップのLPを作るときのポイント
次に、ネットショップのLPを作る際のポイントについて紹介します。
- ファーストビューにこだわって作成する
- 商品の特徴や魅力を説明する
- 信頼性のある内容にする
- ターゲットとペルソナを明確にする
- UIを意識する
- 購入後の未来を想像させる
- スマートフォン対応にする
以上の7つです。一つずつ詳しく見ていきましょう。
ファーストビューにこだわって作成する
どんなに魅力的な商品を紹介しても、ファーストビューでユーザーの心をつかめなければ、ユーザーは途中離脱して他社の類似商品を探すでしょう。
LPに訪れたユーザーに購入ページへと移動してもらうには、ファーストビューで興味を引くことが重要なポイントです。成約率の高いLPのほとんどは、ファーストビューとなるアイキャッチが、こだわった作りになっています。
ファーストビューは、画像や動画だけでなく、ユーザーの悩みに寄り添うようなキャッチコピーを追加すると、共感を得られ、コンバージョン率の向上につながります。
商品の特徴や魅力を説明する
商品の特徴や魅力を、1ページ内でいかに効果的に説明できるかは、とても重要なポイントです。商品の情報は、配置しすぎると見た目が悪くなり、デザイン面で劣ってしまいます。
お客様に商品の良さを理解してもらい、次のアクションを起こしやすくなるような説明を心がけましょう。
信頼性のある内容にする
LPの成約率を上げるためには、根拠があり、信頼性の高い情報を掲載する必要があります。メディア掲載歴や受賞履歴のほか、購入していただいたユーザーレビューを載せるなど、「この商品は大丈夫そうだ」という安心感を与えるようなLPにしましょう。
とくに、ユーザーレビューは効果が高く、これから購入しようかなと検討するユーザーの購買意欲に大きな影響を及ぼします。年齢層や性別など、ペルソナに近いユーザーの口コミを掲載するとより効果的です。
また、ネットショップを運営するなかでお客様からいただいた質問を参考に、商品やショップに対する疑問と応えをFAQ形式で用意しておきましょう。
UIを意識する
LPの作成時、UIを意識して作成すると効果的です。画像の選定や、ボタンの細部までこだわり、ユーザーが見やすく、直感的に理解できるページを意識します。使う文言や書体にもこだわりましょう。使用する書体や文言、キャッチコピーで、LPの雰囲気や印象は大きく変わります。
購入後の未来を想像させる
商品の魅力だけでなく、購入のあとにどのような未来が待っているのか、想像させることがポイントです。購入後に、商品がユーザーにとってどのように役立つのか、自分にどんなメリットがあるのか、わかりやすいベネフィットを提示して、購入する価値があると思ってもらうことが重要です。
スマートフォン対応にする
スマートフォンの普及に伴い、LPの半数近くはスマートフォンからの流入になっています。スマートフォン対応でないLPをスマートフォンで閲覧すると、大きなストレスとなります。それにより、ユーザーは離脱してしまい、コンバージョンの獲得を大きく妨げてしまいます。そのため、LPのスマートフォン対応は必須と言えるでしょう。
効果的なLPでネットショップの売上向上を目指そう
今回の記事では、ネットショップのLPについて基本知識や作成方法、メリットとポイントについて解説しました。
押さえておくべき重要なポイントは以下のとおりです。ぜひ参考にしてみてください。
- ネットショップのLPは、主に単品商品の販売の強化を目的として活用される
- LPは、ネットショップのブランドイメージを損なうことなく成約率を上げられる
- LPは、コンバージョンを高めるために、ユーザーの視点で作成する
- LPの作成後は、分析ツールを活用して分析・改善を繰り返しながらLPOにつなげる