ネットショップの運営では、効果的な販売促進活動を通じ、商品やサービスの認知度を高め、魅力を知ってもらうことで商品の購入を促すことが大切です。
この記事では、売上を上げるためにネットショップが実践できる販売促進手法について解説します。
編集者
JPholic株式会社 ECNOW 編集部
ECNOWはJPholic株式会社が運営する、 ネットショップ情報メディアです。
30社を超えるECコンサルティング実績や自社ECの運営経験をもとに、 「これからECをはじめる」「ECをいまよりもっと活用したい」という声にお応えします。
ネットショップでなぜ販促が重要なのか?
ネットショップが売上を上げるために販売促進活動、いわゆる「販促」が重要である理由について解説します。理由は主に以下の2つです。
- 競合からの埋没を避けるため
- SNSの発展
それぞれの理由について具体的に解説します。
競合からの埋没を避けるため
近年、消費者ニーズが多様化する中で、それに応えるために新商品やサービスが次々と登場しています。市場は常に飽和状態であり、商品やサービスに関する情報が氾濫しています。
ネットショップも例外ではなく、今日では誰でも簡単にネットショップをオープンできるため、特に施策を講じないと自社のネットショップは埋没してしまうでしょう。
数あるネットショップの中から自社の商品を選んでもらうために、魅力を伝える手段として販促活動が必要となります。
SNSの発展
スマートフォンを中心とするデジタルデバイスの急速な普及とともに、人々の情報収集源がテレビや雑誌などの従来のメディアからSNSに移行しつつあります。
総務省の「平成29年版情報通信白書」によれば、多くの方がSNSを利用していることがわかります。2012年時点でわずか41.4%であったSNSの利用率は、2016年には71.2%にまで増えました。2022年現在では、さらに多くの人がSNSを利用していることが想像できるでしょう。
購買行動におけるSNSの影響が大きくなった現代において、商品の魅力を手軽に知ってもらうための手段としてSNSをつうじた販促の重要性が高まっています。
ネットショップにおける効果的な販促の手法
ネットショップを運営している方に向けて、商品やサービスの魅力を知ってもらうための効果的な販促手法についてご紹介します。主な手法は以下の3つです。
- WEB媒体を利用した情報発信をする
- キャンペーンを企画する
- 自店の評価を高める
WEB媒体を利用した情報発信をする
SNS・ブログ・メルマガ・ウェブ広告など、さまざまなWEB媒体を活用して、お客様に商品の魅力を発信する方法です。
従来の販促活動ではチラシやDMの配布、テレビCMや新聞・雑誌広告で宣伝する手法が一般的で、多額の費用がかかっていました。
しかし、インターネットの発達によって、SNS・ブログ・メルマガ・ウェブ広告など、消費者の情報収集手段が多様になったことで、企業の広告宣伝の場がマスメディアからパーソナルメディアへ移行しつつあります。
また、オンライン上で販売を行うネットショップの特性も、WEB媒体との相性が良いです。WEB媒体を活用した情報発信は、手軽かつ効果的な手法だといえるでしょう。
キャンペーンを企画する
キャンペーンを企画することでお得感を演出し、新規顧客やリピーターの集客、ネットショップのブランド力の向上などさまざまな販促効果が期待できます。
期間限定キャンペーン
クリスマスやハロウィンなど季節ごとのイベント時に期間限定のキャンペーンを実施する企業はたくさんあります。期間を限定したキャンペーンを行うことで、お客様の「この機会を逃したくない」という気持ちを刺激して、商品購入につなげられます。
期間限定には、特定のイベント期間に実施するキャンペーンや不定期に開催して希少性を高めるキャンペーンなどがあります。
季節性のキャンペーン
季節限定のキャンペーンを実施して、値下げする商品と季節を関連付けることで、高い販促効果が期待できます。マクドナルドやミスタードーナツなどさまざまなリアル店舗でも、季節限定の商品は目玉商品となっています。
季節限定キャンペーンは、希少性を維持しながら、春夏秋冬いつでも開催することができるので、1年を通じて集客効果があります。
数量限定キャンペーン
数量が限定されていることを周知すれば、お客様は「売り切れる前に購入しないと!」という焦燥感を覚えて、購入意欲を刺激することができます。
また、「数量が限定されているということは人気商品に違いない」と希少性を演出するだけで、価値のあるものとみなされるので、販促効果が高いです。
割引キャンペーン
初回購入限定や2回目以降の購入を限定した割引キャンペーンを実施することで、新規顧客開拓やリピーター獲得効果があります。
割引キャンペーンがあるネットショップに絞って来店するお客様もいるので、集客力を高めることができます。
自店の評判を高める
SNSやインターネットが発達した現代では、商品購入や店舗への訪問の前に口コミや評判を調べることが一般的になりました。
ネットショップのブランドを広く認知してもらい、評判を高めることで、「多くの人が知っている(良いと言っている)のだから、良いネットショップに違いない」と思ってもらうことができます。
レビューを書いてもらう
Amazonや楽天などの大手ECサイトでは、レビュー機能が搭載されています。これは商品の性能や価格と同じか、それ以上にレビューを重視するというお客様が少なくないからです。
購入を検討している商品にポジティブなレビューがあると、安心して購入してもらうことができるでしょう。レビューを書いてもらうために、レビューを書いたお客様限定でクーポンを配布したり、特典を付与したりしている店舗もあるようです。
モニター募集
商品の性能を試したり、サービス品質向上のために無料や割引価格で商品を購入してもらうのがモニターです。
モニター募集を通じて得られた感想を掲載することで、商品購入を検討しているお客様に安心感を持ってもらうことができます。
また、無料や通常よりも低い価格で商品を購入したお客様は得した気分になっています。そのようなお客様が商品の感想をSNSに投稿することで、高い宣伝効果が期待できます。
お友達紹介
英会話などの習い事や美容サロン、フィットネスジムなどで広く使われている販促方法です。
紹介した人と紹介された人の両方に割引などの特典を付与することで、会員となっているお客様が集客の役割を果たしてくれます。
SNSが発達した時代においても、身近な人から聞く評判ほど信頼のあるものはありません。家族や友人などから紹介されると、それだけで安心感があるので、商品購入や会員登録のハードルを下げることができます。
展示会やイベントに出店する
ネットショップはオンライン上で不特定多数のお客様にアプローチできます。
しかし、インターネットでは興味のあるキーワードでしか検索しないので、関心のない方にネットショップを訪問してもらうのが難しいというデメリットもあります。
展示会やイベントなどに出店することで、インターネット上で検索しないような人たちの注目を集めることができます。アナログな方法ですので、コスパが悪いと思われがちですが、新規顧客開拓に効果的な方法です。
ネットショップの販促に役立つ媒体
ここまでネットショップの販促方法について解説してきました。その中でも、WEB媒体はネットショップと相性が良く、販促に効果的です。
ここからは、販促に役立つWEB媒体を具体的に解説します。
SNS(ソーシャルメディア)
若い世代を中心に、SNSは生活の一部となっており、重要な情報収集源となっています。
SNSを通じ情報発信することで、自社商品のファンを獲得したり、ユーザーをネットショップへ誘導することができます。
販促に利用できるSNSとして以下のようなものが考えられます。
「インスタ映え」といわれるように、Instagramは視覚に訴えるSNSです。
最近では「欲しいもの」や「飲食店」などをInstagram上で検索・比較・検討するという人も増え、企業や店舗の販促には欠かせないSNSとなっています。
文章と写真を組み合わせて、不特定多数の人に宣伝できます。ユーザー層は30代〜50代と他SNSと比べて高い点が特徴です。
投稿内容に「いいね」や「コメント」ができるため、お客様との直接的なコミュニケーションが取れること、実名制のため比較的に炎上リスクが低いこともFacebookの特徴といえるでしょう。
トレンドを捉えたタイムリーな情報を発信することで、一気に注目を集めることができるTwitter。
Twitterは手軽に投稿できるため情報が溢れかえっていることも特徴の一つで、ユーザーエンゲージメントの高い投稿をするには、必然的に文章力が求められます。
なお、SNSでの情報発信には、写真の技術が必須といっても過言ではありません。こちらの記事では、売れる写真を撮るコツを解説しています。
ネットショップの成功の鍵は商品写真にあり!売れる写真の撮り方は?
ブログ
自社でブログを運営して、商品の魅力を伝える方法です。ネットショップだけでは伝えきれない情報をブログ記事で発信していくことにより「ブランディング」と「集客」の双方を兼ねることができます。
ブログ運営の目的は潜在顧客にショップを見つけてもらうことにあります。読者にとって価値あるコンテンツを発信し、段階的に購買を後押ししていくのです。
ただし、ブログの閲覧数が増えるまでは、多くの場合半年から1年以上の期間が必要なため、根気よく続ける必要があります。
メルマガ
メルマガとは、ネットショップやブログ、SNSなどで購読者を集めて、登録者に向けて定期的にメールを配信するサービスです。メルマガに登録している時点で自社商品に一定程度の関心があるので、効果的な宣伝がおこなえます。
ただし、配信内容を読んでもらえるようにセールやキャンペーンなどの商品情報だけでなく、商品やジャンルに関連する役立つ情報を配信して、メルマガ自体の付加価値を高める努力が必要になります。
最近では、メールに代わってSNSアプリのLINEで連絡を取る人が増えていることから、メルマガではなくLINEで消費者にメッセージを送信する企業も増えています。
広告
WEB媒体に自社商品の広告を出して、ユーザーにネットショップを周知する方法です。広告にはいくつか種類があります。
リスティング広告
GoogleやYahoo!などの検索エンジンに広告を掲載します。
ニーズが顕在化している層へのアプローチとなるため即効性のある手法です。
ディスプレイ広告
バナーを使って視認性のある広告を掲載します。
クリックされる必要があるので、目を引く画像やフレーズを入れる必要があります。
SNS広告
TwitterやInstagramなどのSNS上で投稿と投稿の間に掲載される広告です。
自社の商品やサービスに応じてターゲットやセグメントを設定できるため、効果的に多くの購買層にアプローチが可能です。
動画配信サービス
YouTubeやVimeoなどの動画配信サービスを使い、自社商品やサービスの魅力を伝える方法です。ブログに代わって、YouTubeが急速に発達しているので、成功すれば多くのユーザーを自社のネットショップに誘導できます。
商品について動画で使い方やサイズ感を紹介したり、商品に関連する役立つ情報を配信したりするのが一般的です。
【2022年】ネットショップの販促カレンダー
販促カレンダーとは、企業が販促計画を立てる時に参考にするカレンダーであり、一年を通じた行事や記念日などが記載されています。
2022年に開催される各イベントに合わせて、ネットショップにどのような販促チャンスがあるのでしょうか。
4~6月:進学・入社・異動など、新生活のスタート
4月以降は進学や入社、異動など生活に大きな変化が訪れます。引っ越しがさかんになり、日用品や家電が売れる季節でもあります。
また、新しい生活を送る人に向けてプレゼントの需要が高まることが予想されますので、包装にこだわることでギフト用に選ばれるかもしれません。新生活に必要な商品やギフト用包装サービスについて、キャンペーンを実施するという販促方法が考えられます。
7~9月:お盆休み・シルバーウィークなど
夏休みに入る時期ですので、レジャー用品や旅行用品に人気が集まります。また、深刻な暑さ対策として、扇風機やひんやりタオル、また熱中症対策グッズの需要が高まります。
天候や気温に応じて、キャンペーンを実施したり、人気商品のランキングを発表したりすることで高い販促効果が期待できます。
10~12月:ブラックフライデー・クリスマス・年末休暇など
10月から12月はブラックフライデーやクリスマス、年末休暇などイベント行事が盛りだくさんです。冬のボーナスが支給される時期でもあるので、販促に力を入れたいところです。
2022年11月21日から12月18日にかけてカタールで2022 FIFAワールドカップが開催されます。日本チームの活躍に対応したキャンペーンなどを実施したり、関連商品を販売したりすることで高い販促効果が期待できます。
効果的な販促でネットショップの売上増加を目指そう
ネットショップの運営において効果的な販促が重要な役割を果たします。
自社に合った販促方法を選んで、商品や店舗の認知度の向上、売上の増加を目指しましょう。複数の販促方法を組み合わせることで、より高い効果が期待できます。