商品梱包は、ネットショップの満足度・ブランドイメージを向上させるために重要な作業です。
しかし、
「どのように梱包すれば喜んでもらえるのかな?」
「梱包資材はなにを基準に選べばいいのか」
とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
この記事では、梱包資材の選び方をお伝えしたうえで、満足度を高める商品梱包のやり方を紹介します。ぜひ最後までご覧ください。
編集者
JPholic株式会社 ECNOW 編集部
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ネットショップで商品梱包が重要な理由
ネットショップで商品梱包が重要な理由は、下記の2つです。
- 配送中の衝撃から商品を守るため
- お客様にアプローチする絶好の機会になるため
配送中の衝撃から商品を守るため
商品を梱包する一番の目的は、配送中の揺れや、落とした場合の衝撃から、商品を守ることです。
配送された商品は、重い荷物の下敷きになったり、横揺れがあったりと、外部からさまざまな衝撃を受けます。商品を十分に梱包しなければ、キズなどの損傷や、場合によっては破損する可能性があります。
衝撃から商品を守り、綺麗な状態のままお客様へ送り届けるためにも、商品梱包は重要な作業なのです。
お客様にアプローチする絶好の機会になるため
実態が見えにくいネットショップでは、商品梱包がお客様との接点になります。
たとえば、梱包資材にネットショップのロゴを印字したり、手紙・メッセージカードを添えたりなどです。
梱包資材にロゴが印字されていれば、開封時に自社のネットショップを印象付けられるでしょう。また、手紙を見た人には、「このショップで購入してよかった」と思ってもらえるかもしれません。
商品梱包は、品質悪化によるトラブル防止のみならず、お客様へのアプローチの場でもあります。さまざまな工夫を凝らし、お客様の満足度を高めることが大切です。
ネットショップの商品梱包時に用意するもの
ネットショップをはじめるにあたって用意すべき梱包資材は、大きく下記の4つです。
- 外装
- 緩衝材
- テープ
- ラッピング素材
この章では、梱包資材の種類と特徴を紹介します。
外装
外装は、商品を衝撃から守るうえで重要な資材です。また、お客様が最初に目にする部分のため、商品によっては見栄えを考慮した外装が用いられます。
ネットショップで用いられる外装資材は、主に下記4種類に分類されます。
- ダンボール
- 宅配ビニール
- 宅配袋
- クッション封筒
外装は梱包資材の中でも重要度の高い資材のため、上記4つを詳しく紹介します。
ダンボール
ダンボールは、ネットショップで最も使用される外装資材です。個人が経営するネットショップから、ZOZOTOWNやAmazonなどの大手モール型ネットショップまで、さまざまなネットショップが利用しています。
ただし、仕入れる際には、ダンボールの規格に注意が必要です。ダンボールにはさまざまな規格があり、それぞれで耐久性が大きく異なるためです。
段ボールの断面を見ると、2枚の紙(ライナー)が中芯を支えており、中芯の波状数を「フルート」と呼びます。ライナー・フルートには、それぞれ規格が設けられており、両規格の組み合わせが、段ボールの耐久性や特性を左右します。
一般的に使われるダンボールは、ライナー「K5」・フルート「A」の組み合わせです。ダンボール選びに迷った場合は、ライナー「K5」・フルート「A」を選ぶと良いでしょう。
宅配ビニール
宅配ビニールは、大手アパレルネットショップでも使用される梱包資材です。ビニールといっても、レジ袋のような柔らかい素材ではなく、配送時の衝撃に対応した丈夫なビニール素材が使われています。
ダンボールほどの耐久性はありませんが、表面が防水加工になっているため、雨の日でも浸水する心配がありません。比較的安価で仕入れられる上に、スペースを取らないため、外装の中でも扱いやすい資材です。
宅配袋
宅配袋は雑貨・アパレルネットショップで利用される梱包資材です。宅配ビニールと違い、紙素材や耐久性を高めた樹脂繊維素材が用いられます。
宅配ビニールほどの耐水性はありませんが、表面に防水加工を施したものもあるため、水滴程度なら浸水する心配はないでしょう。
ヤマト運送・佐川急便・日本郵政などでも販売されているため、万が一資材がなくなった場合でもすぐに仕入れられます。
配送業者 | 種類 | 価格 |
ヤマト | クロネコ袋A4 | 70円(税込) |
クロネコ袋B4 | 110円(税込) | |
クロネコ袋A3 | 150円(税込) | |
佐川急便 | エクスプレスバッグ A-L | 44円(税込) |
エクスプレスバッグ A-S | 33円(税込) | |
エクスプレスバッグ B-L | 28円(税込) | |
エクスプレスバッグ B-S | 22円(税込) | |
エクスプレスバッグ G-L | 107円(税込) | |
エクスプレスバッグ G-S | 81円(税込) | |
エクスプレスバッグ C-LL | 55円(税込) | |
エクスプレスバッグ AG-L | 110円(税込) | |
エクスプレスバッグ AG-S | 88円(税込) | |
ビジネスエクスプレスバッグ | 22円(税込) | |
日本郵便 | ゆうパック・袋(大) | 230円(税込) |
参照:ヤマト運送・佐川急便・ 日本郵便から作成(2022/3/23時点)
各社、袋のサイズや材質、価格などに違いがあるため、注意してください。また、安価で仕入れたい場合は、梱包資材専門店の利用がおすすめです。
クッション封筒
クッション封筒は、あらかじめ封筒内に緩衝材が貼り付けられた封筒です。書籍やゲームソフトなど、サイズが小さく、衝撃により損傷しやすい商品に適した外装資材です。
すでに緩衝材が取り付けられているため、商品を包装する手間を省けます。ただし、商品の配送には重量の規定があるため、小さなものでも品数が多い場合には注意が必要です。
緩衝材
緩衝材は、商品への衝撃を最小限にとどめるための、クッションのようなものです。商品を外装に入れただけでは内側に隙間が生じ、荷物が重ねられた際やトラックの横揺れにより商品が損傷する恐れがあります。
そのため、緩衝材で隙間を埋め、衝撃を和らげることが大切です。緩衝材には、主に下記の4資材が含まれます。
- エアクッション
- 気泡緩衝材(プチプチ)
- 発泡スチロール
- ボーガスペーパー
エアクッションとは、ビニールの中に空気を入れ膨張させたもの。空気を抜けば体積を抑えられるため、処分のしやすさが魅力です。
気泡緩衝材は、シートに小さな気泡を付けたもので、プチプチシートとも呼ばれます。商品に巻き付けたり、丸めて隙間を埋めたりと、汎用性の高さが魅力です。
発泡スチロールは、全体の98%が空気でできているため、高いクッション性がある資材です。自由にカットできる板状のものや、外装内に敷き詰めるビーズ状のものなど、用途に合わせたさまざまな形状があります。
ボーガスペーパーは、新聞紙や段ボールなどの再生紙で作られた紙です。丸めて、外装内に敷き詰めることで、隙間埋めや緩衝効果が期待できます。
テープ
テープは、緩衝材の固定や外装に封をする際に使用します。ネットショップで使うテープは、主に下記の3種類です
- クラフトテープ
- 布テープ
- OPPテープ
クラフトテープ:取り扱いやすいテープ
クラフトテープは、一般的にガムテープと呼ばれる紙素材のテープです。粘着力はそれほど強くありませんが、テープカッターがなくても切れるなど、取扱いやすさが魅力です。
ほかのテープと比べると安価で仕入れられるため、多くのネットショップで使われています。
布テープ:高い粘着力・耐久力が特徴
布テープは、粘着面に繊維が組み込まれており、高い粘着力と耐久性の高さが特徴です。クラフトテープと同様、取り扱いやすいテープですが、価格がやや高い点に注意が必要です。
OPPテープ:耐水性に優れたビニールテープ
OPPテープは、聞き慣れない方が多いのではないでしょうか。ビニール素材のテープで、高い耐久性・耐水性が特徴です。
テープの表面にデザインを印字しやすく、ロゴ入りテープなどに用いられます。
ラッピング素材
ネットショップで商品のギフト対応を検討している場合は、ラッピング素材の用意も必要です。最低限必要なラッピング素材は、下記の4つです。
- 包装紙
- リボン・麻ひも
- シール・スタンプ
- テープ
ラッピング方法は、商品の形状・使う素材によってさまざまにあります。ラッピングでは見栄えが特に重視されるため、各商品に最適なラッピングができるよう、複数の包装方法を習得しておくと良いでしょう。
商品梱包資材の選び方
商品梱包資材を選ぶ際には、下記2つのポイントで選ぶのがおすすめです。
- 商品サイズに合わせて選ぶ
- 商品・ネットショップのイメージに合う梱包資材を選ぶ
商品サイズに合わせて選ぶ
ひとつ目のポイントは、商品サイズに合わせて選ぶことです。特に外装が商品サイズに合っていないと、隙間が多く商品の破損につながります。
また、隙間を埋めるために多くの緩衝材を消費するため、商品サイズにあった資材選びが大切です。ただし、コスト面・保管面のメリットから、単一のサイズにまとめたい方も多いはず。
その場合、商品サイズに完璧に合致する資材を選ぶのではなく、いくつかのパターンに分類しておくのがおすすめです。たとえば、宅急便のサイズは60・80・100・120・140・・・とありますが、60・100・140の3パターンに絞るなどです。
梱包資材は商品サイズに合わせて選ぶことが大切ですが、コスト面・保管面とのバランスも考慮して選びましょう。
商品・ネットショップのイメージに合う梱包資材を選ぶ
ふたつ目のポイントは、商品・ネットショップのイメージに合う梱包資材を選ぶことです。たとえば、高級品を扱うネットショップが、質素な梱包資材を使っていたらどうでしょう。おそらく、ほとんどの方はガッカリするはずです。
先述のとおり、商品の梱包は、お客様が真っ先に目にする部分のため、商品・ネットショップのイメージに即したものを選ぶことが大切です。お客様が自社のネットショップにどのようなイメージを持っているのか、どんな気持ちで商品を購入するのかを想像し、適切な資材を選択してください。
【基本】商品の梱包手順
ネットショップで商品が売れた場合、どのような手順で梱包すれば良いのでしょうか。ショップごとにやり方の違いはありますが、梱包の基本手順をまとめました。
- 商品・梱包資材を用意
- 商品の状態をチェック
- 緩衝材・包装紙で包む
- 外袋に詰めて隙間を緩衝材で埋める
- 同梱物をチェックして封をする
複数の商品を短時間で梱包するには、一個の作業を終わらせてから次の作業を始めるシングルタスクがおすすめです。たとえば、すべての梱包資材と商品をあらかじめ用意して包装をはじめたり、全商品を包装してから外装で梱包したり、といったやり方です。
シングルタスクであれば、脳の切り替え回数を減らし、むだな動きを減らせるため、短時間で梱包できます。また、商品の傷や納品書の入れ間違えなどは、トラブルにつながるため、梱包時に商品状態や納品書のチェックを忘れずにおこないましょう。
ネットショップの満足度を高める商品梱包のコツ
お客様の満足度を高める商品梱包のコツは、下記の6つです。
- 雨・湿気対策をする
- 手書きのメッセージ・手紙を添える
- カタログ・ショップ情報を同封
- ノベルティ・試供品をつける
- 梱包資材にショップロゴを印字
それぞれ順に紹介します。
雨・湿気対策をする
ひとつ目のコツは、雨・湿気対策をすることです。ダンボール・宅配袋は水滴程度であれば、防水できるよう設計されていますが、雨を直接受け続けた場合は内側まで浸透してしまいます。
配送業者も雨に濡れないよう配慮してくれますが、トラックから玄関までの間や、置き配送をした場合などに濡れてしまう恐れがあります。せっかく注文した商品が濡れていては、満足度の低下やクレームにつながりかねません。
そのため、耐水性に優れたビニール素材の梱包資材や、除湿シートを用いるなどして、商品が濡れないよう対策することが大切です。
手書きのメッセージ・手紙を添える
ふたつ目のコツは、手書きのメッセージ・手紙を添えることです。手紙・メッセージカードを添えると、好印象を持たれやすい上に、運営者の人柄が伝わり、記憶に残りやすくなります。
場合によっては、リピート注文につながったり、レビューに評価を書いてもらえたりするかもしれません。事業者とお客様が対面しないネットショップだからこそ、積極的にお客様との接点を作ることが重要です。
ただし、注文数が増えると、一人ひとりに向けて手紙・メッセージを書くことが難しいでしょう。そのため、注文回数ごとに手紙のテンプレートを用意し、宛名にお客様の氏名を入れるなど、作業負担を考慮した取り組みを検討してください。
ノベルティ・試供品をつける
みっつ目のコツはノベルティ・試供品を付けることです。注文商品のおまけでもあるノベルティ・試供品は、お客様としてもお得感があり、満足度につながります。
小物入れや付箋などの実用的なノベルティは、日常的に利用できますし、利用する中で、ショップを思い出してもらうきっかけになります。また試供品は、新商品のPRやほかの商品を認知してもらう良い機会です。
こうしたリピート施策にはコストがかかりますが、新規顧客を開拓するマーケティングコストに比べると、安価ですみます。リピート施策の一環として、ノベルティ・試供品の提供に取り組んでみてはいかがでしょうか。
梱包資材にショップロゴを印字
よっつ目は、梱包資材にネットショップのロゴを印字することです。梱包資材は開封時に必ず目にするため、ロゴが印字されていれば、自社ネットショップを印象付けられます。
また、ロゴがあることで購入先を把握しやすく、お客様の安心感につながります。特に、Amazonや楽天市場などのモール型ネットショップでは、購入先のネットショップが印象に残りにくいため、積極的にアピールすることが大切です。そのため、外装や包装を固定するテープなどにロゴを印字し、独自性を発揮してみてはいかがでしょうか。
ネットショップの商品梱包時に気をつけること
ネットショップの商品を梱包する際には、下記の3点に注意が必要です。
- 重量のある商品はテープを十の字に貼る
- 商品に傷がつかないよう緩衝材を惜しまない
- 納品書と商品は必ずチェック
上記を意識するだけで、トラブルやリスク回避につながるため、ぜひ参考にしてください。
重量のある商品はテープを十の字に貼る
段ボールをテープで止める際には、底面をH型に固定するケースが一般的です。しかし、H型の場合底面の中心部分が弱く、重量のある商品を入れると底が抜ける恐れがあります。
そのため、底が抜けないよう、上記のように十の字に固定するのがおすすめです。
商品に傷がつかないよう緩衝材を惜しまない
緩衝材にもコストがかかるため、できる限り節約したいのが本音ではないでしょうか? しかし、緩衝材を節約して商品が破損しては、ネットショップの信頼を落としかねません。
冒頭でも紹介したとおり、商品梱包の一番の目的は、「商品を綺麗な状態のままお客様へ送り届けること」です。コスト面ももちろん重要ですが、お客様の商品に傷がつかないよう、十分な量の緩衝材で保護しましょう。
商品梱包を工夫しネットショップの満足度を高めよう
この記事では、梱包資材の選び方と満足度を高める商品梱包のやり方を紹介しました。
商品梱包は、ネットショップのリピート率・ブランドイメージにおいて特に重要な作業です。
今回紹介した商品梱包のコツを実践し、ネットショップの満足度向上を目指しましょう。