「ネットショップは個人でも立ち上げられる」と聞くことも多いと思いますが、実際、何をすればいいのかが不透明ではありませんか?
ネットショップは個人でも立ち上げることができ、特に、初めて自分のお店を持つ人におすすめです。どのような種類で、どのサービスを使用してネットショップを作るかで、その後の運営で後悔なく続けられるでしょう。
今回の記事では、個人でネットショップを立ち上げるための必要な知識を説明しながら、手順やポイント、注意点を解説していきます。
編集者
JPholic株式会社 ECNOW 編集部
ECNOWはJPholic株式会社が運営する、
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30社を超えるECコンサルティング実績や自社ECの運営経験をもとに、
「これからECをはじめる」「ECをいまよりもっと活用したい」という声にお応えします。
ネットショップの立ち上げは個人でもできる?
最近では、「ネットショップやECサイトを立ち上げてみたい」「今は会社員として働いているけれど、いつかは自分の力で生きるために自分のお店がほしい」と考える人が増えてきています。
一方で、「ネットショップは簡単で個人でも立ち上げられると聞くけど、何をするべきなのか曖昧で、はじめの一歩が踏み出せない」と思っている人も多いのではないでしょうか?
結論から言うと、ネットショップは個人でも簡単に立ち上げられると言って良いでしょう。日本には、自分のお店を作れるネットショップサービスがたくさんあるため、その中から自分に合ったサービスを選び、お店を運営していきます。
しかし、個人でネットショップを立ち上げるのは、全ての責任が自分にあり、適当な気持ちでは運営できません。必要な知識を習得し、手順やポイント、注意点を知ると、ネットショップを作ったあとも、安定した運営ができます。
個人でネットショップを立ち上げる手順
まずは、個人でネットショップやECサイトを立ち上げるための手順について解説します。
具体的な手順は以下の通りです。
- 事業計画を立てる
- 販売する商品を準備する
- 届け出や販売許可を取得
- 出店方法を決める
- ネットショップを作成する
- 配送方法と決済方法を決める
詳しく見ていきましょう。
手順1:事業計画を立てる
ネットショップを立ち上げると決めたら、事業計画を立案します。お店の予算やコンセプト、販売商品など、具体的なプランを決めましょう。
事業計画は、今後の運営を左右する大切な部分です。「どのようなコンセプトで何を売るのか」をはじめに明確に決めると、競合他社との差別化にも繋がります。
ほかのネットショップやモールを見て市場調査をしてみるのもおすすめです。
事業計画を作成すると、運営に必要な資材やシステムが見えてくるので調達します。
手順2:販売する商品を準備する
次に、販売する商品を準備しましょう。準備する方法は大きく2つに分かれます。
- 既製品を仕入れて売る
- 自分で売るものを作る
既製品を仕入れて販売する場合、商品はネットで仕入れる方法と、実際に現地に行き買い付ける方法があります。
自分で売るものを作る場合は、はじめからから自分で作る方法と、Tシャツに自分のデザインをプリントするなど、既製品に自分のデザインを加える方法があります。
販売するものを決めたら、販売の可否を確認します。ネットショップサービスには、販売を禁止されている商品や、あらかじめ申請が必要な商品があるため、事前に確認しておきましょう。
さらに、法律上、販売の許可が必要なものもあり、これらを販売する際には、販売許可証を準備します。販売許可証が必要なものの例は以下の通りです。
- アルコール
- 中古品
- 食品
- 製菓類
- 高度管理医療機器
手順3:各種届出をする
販売する商品が決定したら、商品を販売するための許可や届出を取得しましょう。必要な届け出は以下の2点です。
- 開業届け
- 青色申告申請承認書の届出
開業届
開業届は、ビジネスをはじめたときに税務署に届け出る書類です。開業後1ヶ月以内の届出が推奨されています。
届出をしなくても罰則はありませんが、後ほど紹介する青色申告をする際は必ず必要です。
提出方法は、税務署のホームページからダウンロードできる所定の書類に、必要事項を記入します。提出は、最寄りの税務署に持参・郵送でできるほか、ネット経由で提出する方法があります。
青色申告申請承認書の届け出
青色申告申請承認書の届出は、開業届とセットで提出するのがおすすめです。
確定申告の種類には、「青色申告」と「白色申告」の2種類があります。青色申告は、青色申告申請承認書を提出する青色申告承認申請手続きと、開業届の提出が済んでいないとできません。
青色申告は、白色申告よりも手続きなどで手間と時間がかかりますが、その分控除される金額が多くなります。1年間で20万円が控除される白色申告に対して、青色申告は最大で65万円です。
控除とは、税金が差し引かれることです。控除された税金は翌年に支払う分から差し引かれ、控除額が多いほと、節税できる仕組みになります。
ネットショップを開設したてのときは、売上が多くないこともあるでしょう。はじめのうちは白色申告で様子を見ておき、売上が大きくなったら青色申告承認申請手続きをするという方法もあります。
手順4:出店方法を決める
届け出や許可を取得したら、次に出店の方法を決めましょう。 出店方法はモール型ECサイトとASP型のふたつに分けられます。
モール型ECサイト
モール型ECサイトは、楽天、Amazon、Yahoo!などのECモールに自分のお店を出店する方法です。
大手サイトであるため、集客力が強く、安心感もあるため、高額の商品が売れやすいメリットがあります。顧客は、各モールの独自ポイントで買い物ができる点もメリットです。
しかし、有名店が多数出店しているため、ライバルが多く存在します。出店料が高額な傾向にあり必要経費がかさむため、個人店の場合は資金繰りに苦労することが多いでしょう。
ショップ開設までの時間がかかり、操作方法を覚える手間もあります。
ASP型
もうひとつの方法であるASP型は、MakeShopやBASE、STORESといったサービスに自分のお店を構築する方法です。低コストですぐにはじめられるため、初めてネットショップを開設する人におすすめだといえます。
専門知識も不要で、デザイン性にも優れていて、直感で操作しながら自分のECサイトを作れるのが特徴です。
しかし、モール型と比べて知名度が低いため、はじめのうちは集客に手間がかかってしまう点がデメリットです。SNSなどを使用してながら、自力で集客をする必要があります。
手順5:ネットショップを作成する
出店方法を決定したら、ネットショップを作成していきます。 実際には、商品を撮影し、商品ページを作成したり、ネットショップのトップページのデザインをしたりします。
ネットショップサービスのなかには、スマートフォンで完結できるものから、プロレベルで実際にコードを書き変えながら編集するものまであります。
業者に委託する方法もありますが、その分費用がかかります。費用を抑えながら作りたい場合は、自分で作ってみることをおすすめします。
手順6:配送方法と決済方法を決める
配送方法は、販売する商品の大きさや重さにより、各社で配送料が異なります。商品の大まかな大きさと重さを想定し、その中で最も配送料が手ごろな業者を選びます。
決済方法の選択は、購入率に直結する大切なポイントです。ユーザーは、欲しい商品があっても、決済方法が不便だと、類似品を探す傾向があります。これは、売れるはずであった商品の販売を逃す原因になってしまいます。
好みの決済方法は、ショップに訪れるユーザーの客層により異なります。ネットショップに来る客層の属性に合わせた決済方法を導入しましょう。少なくとも、銀行振込とクレジットカード決済は準備することをおすすめします。
個人でネットショップ立ち上げるときの注意点
この項では、個人でネットショップを立ち上げるときの注意点を解説します。
注意点1:営業時間を明確にする
ネットショップの営業時間を明確にすることは、顧客にとっても、自身にとっても大切です。
顧客からの問い合わせがきたら、すぐに返信しなければならないと思いがちです。しかし、四六時中ネットショップの様子を見ていると、休む機会を失い、精神的ストレスを感じてしまったり、体力的に辛くなってしまったりすることもあります。
顧客にとっては、ネットショップ内に営業時間が明記されていると、問い合わせしやすくなります。問い合わせした時間が営業時間外で、返信が次の日になってしまったとしても、顧客は営業時間を把握できているため、さほどストレスを感じないでしょう。
ネットショップのメリットは、時間を問わず24時間365日ユーザーが訪問できて、商品を購入できる点にあります。営業時間を決めてサイト内に明記するのは、双方にとって良い影響をもたらすのです。
注意点2:信用性をあげるための固定電話
昨今では、固定電話を持たず携帯電話しか持っていないという方も多いかもしれません。しかし、信用性を上げるという点では固定電話が優位です 。
銀行の融資では、審査において固定電話の方が信頼されやすいため、そのような流れから、お店に固定電話があると信頼性を高めるための手助けになります。
固定電話番号を持っていない場合でも、インターネット回線を使用したIP電話(050)や、問い合わせ専用のメールアドレスを、分かりやすいところに明記するようにしましょう。
注意点3:許可証の有無
先の項で紹介したとおり、商品によっては販売するための許可証が必要です。
万が一、許可が必要な物を許可なく販売した場合には、違法となってしまいます。その後の販売やビジネスができなくなってしまう可能性があるため注意が必要です。
自分が販売する商品が該当するのかどうか、よく調査したあとに販売するようにしましょう。
注意点4:日々の帳簿付けを明確にする
日々の帳簿を細かく付けるのは、初めてネットビジネスを開業した人にとって、とても根気のいる作業かもしれません。
しかし、個人で事業やビジネスをするとき、大雑把な計算は命取りです 。特に、小売業では、知らないうちに赤字に転落する可能性もあり、帳簿は1円単位で細かく管理していく必要があります。
帳簿は、エクセルファイルなどで無料ダウンロードできるものが多くあります。最初にファイルを作成してしまえば、その後は大きな手間ではありません。
一日の終わりに、その日の分を記帳する癖をつけるのがおすすめです。
注意点5:フルフィルメントの効率化
フルフィルメントとは、お客様が商品を購入してから手元に届くまでの業務を指します。商品の検品や梱包、発送、在庫管理のほか、入金管理や返金処理なども含まれます。
フルフィルメントの一連の流れを決めておくと、無駄な業務が少なくなり、効率的になります。配送ミスや遅れも少なくなり、顧客満足度の向上につながるでしょう。
個人でネットショップ立ち上げるポイント
次に、ネットショップを立ち上げてから、運営を軌道に載せるためのポイントを解説します。
無料の集客ツールを使う
集客は、ネットショップと切っても切れない関係にあります。特に、手軽にはじめられるASP型は、誰でも簡単にネットショップがはじめられる分、モール型のように知名度がないため、集客が難しい傾向にあります。
SNSなどで商品を紹介したり、広告を打ったりするなどして集客に力を入れましょう。特にinstagramは、写真で商品やショップの世界観を発信できるため、集客につながりやすい特徴があります。ほかにも、日本国内で集客するなら、LINEやFacebookなどもあります。
SNS以外にも、ネットショップサービスの中にある集客ツールを使う方法も考えられるでしょう。
固定費とコストのバランスを取る
ネットショップにかかる費用には、月額固定費や決済手数料、振込手数料などがあります。その中で最もコストを抑えられるのは固定費です。
固定費とは、利用するサービス元に支払う、ネットショップの月額費を指します。サービス元が楽天の場合には、楽天に毎月の使用料として支払います。
大手であるほど、使用料が高額になる事が多く、数万円になるプランもあります。売上の少ない個人のネットショップで固定費が高額だと、金銭的に負担になり、ネットショップを続けられなくなってしまいます。
ネットショップサービスによっては、使用料が無料のサービスもあります。このようなサイトでは、商品が売れる度に、決められた手数料が差し引かれていく仕組みです。
初めての場合は、月額費が無料のサービスを利用し、固定費を抑えた運営を意識してみましょう。そして、売上が上がってきたらグレードアップしたプランを使用するなどのメリハリが必要です。
在庫数を抑える
ネットショップをはじめたばかりのときは、極力在庫を持たないのがポイントです。ECサイトの在庫の管理はとても重要で、多くの時間を要し、場所代もかかります。
在庫を持ちすぎると自分だけでは管理できなくなり、新たな人件費も必要になるでしょう。
運営に慣れてきて、月々の売上が安定したところで、次月の売上を予測して在庫を持つようにしましょう。
ユーザーに安心感を与える努力をする
顔の見えないECショップでは、どのような人が商品を販売しているのかがわかりづらく、購入をためらう心理が働きます。
この問題を解決するためには、どんな人が販売しているのか、写真を載せるなどの工夫をしましょう。ほかにも、ブログでショップについて紹介するなどの方法があります。
サイト内離脱を防ぐ工夫をする
サイト内離脱とは、ユーザーがECサイトに訪問したにも関わらず、商品を閲覧するなど、何のアクションもせずに去ってしまうことです。
サイト離脱の原因は様々で、
- サイトが見にくく、どこに何があるのかがわからない
- 商品の写真が見づらく、どのような商品なのかがわからない
- 決済の場所がわかりづらかったり、決済方法が不便
- ショッピングカートのボタンが目立たない
などが挙げられます。
サイト内離脱を防ぐには、以下のような工夫があります。
- 商品の写真や説明をわかりやすく、詳しいものにする
- 決済方法のバリエーションを増やす
クロスセル・アップセルを狙う
売上を上げるためには、客数を増やすほかに、客単価を増やす方法があります。クロスセルとアップセルは、共に客単価を上げるのための販売手法です。
クロスセルは、類似商品の販売を指します。モールなどの商品ページで下の方へスクロールすると、「この商品を買った人はこんな商品も見ています」や、「よく一緒に購入される商品」の一覧が出てきます。これらは、類似商品の購入を促すためのシステムです。
アップセルは、単品で単価を上げるために、より高価な商品を購入してもらうことです。たとえば、複数セットの商品や定期購入をおすすめする方法があります。
クロスセル・アップセルをうまく活用して、顧客単価をあげる工夫をしてみましょう。モールではシステムが実施してくれますが、SNSやメルマガを使い自分で文章を書く方法もあります。
様々なサービスを活用すれば個人でもネットショップは立ち上げられる
今回の記事では、個人でネットショップを立ち上げる手順や注意点・ポイントを解説しました。
ネットショップは、正しい知識を習得し、手順やポイントを知れば、個人で立ち上げられます。しかし、やるべき作業が多いのも事実です。
無駄な時間や労力をかけずに効率的にネットショップを立ち上げたいのなら、各ネットショップサービスが提供している「開業支援サービス」を利用してみるのも選択肢の1つです。
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