カスタマーレビューをECサイトに掲載することは、さまざまなメリットがあります。ECサイトの効率的な運営のために、レビューの重要性について理解しておきましょう。
本記事ではECサイトにおけるレビューの重要性と、具体的なレビューの集め方を説明します。レビューの効果とを活用事例もあわせて紹介するので、ECサイトのレビュー施策を実施しようと思っている事業者様はぜひ参考にしてください。
編集者
JPholic株式会社 ECNOW 編集部
ECNOWはJPholic株式会社が運営する、
ネットショップ情報メディアです。
30社を超えるECコンサルティング実績や自社ECの運営経験をもとに、
「これからECをはじめる」「ECをいまよりもっと活用したい」という声にお応えします。
ECサイトにおけるレビューの重要性
マイボイスコム株式会社が2020年に実施した「【ネット上の口コミ情報】に関するアンケート調査(第5回目)」によると、商品の購入時や店舗の利用時に、約6割もの人がインターネット上の口コミ情報を参考にするとのことです。
年齢や性別によって口コミを参考にする割合は異なっており、10〜30代の女性では7割を超えています。
この結果から、購買活動においてレビューが重要な意思決定の要素になっていることがわかります。ECサイトも例外ではなく、掲載されているレビューがお客様の購入を後押しします。そのため、ECサイトを運営するのであれば、レビュー施策が重要となるのです。
ECサイトにレビューを掲載するメリット
この章では、ECサイトにおけるレビュー掲載のメリットを説明します。紹介するメリットは、以下のとおりです。
- 信頼性が高まる
- CVRの改善につながる
- SEOに効果がある
- 商品の品質改善に活かせる
信頼性が高まる
お客様がECサイトを利用するメリットに、店舗へ足を運ばずに商品を購入できるというものがあります。
その反面、実際に商品を手に取って確認できないため、購入を踏み切りにくいといったデメリットがあります。
商品を実際に確認できないことから、お客様がECサイトを利用する際「写真と届いた商品が違っていたらどうしよう」「商品の品質が低いか心配」「後悔したくない」といった不安を感じやすくなっています。
その不安を解消できるのが、カスタマーレビューです。実際に商品を購入したお客様からのレビューの充実は、購入を検討中お客様の不安を払拭することができます。
CVR(コンバージョン率)の改善につながる
実際に商品を購入してくれたお客様によるレビューは、購入を検討しているお客様から共感を得られます。レビューの数や内容によりお客様に信頼感と安心感を与えられることで、購買行動を後押しすることができます。
レビューの有無でコンバージョン率が2倍違ったという報告もあり、ECサイトのCVR改善に必須の施策ともいえます。
SEOに効果がある
レビュー機能を活用してECサイトにレビューを掲載することは、SEOにも効果があります。なぜなら、Googleがウェブサイトを評価する際、オリジナルコンテンツを重視しているからです。
オリジナルコンテンツとは一次情報のことであり、その中にはカスタマーレビューも含まれています。ECサイトにレビューを掲載することで、Googleに「価値あるコンテンツである」と評価してもらいやすくなり、検索順位の向上を目指せるのです。
集客施策のひとつである広告と比較し、レビュー掲載は比較的安価で高い集客効果を目指せる施策といえるでしょう。
以下の記事では、ネットショップの集客力を高めるSEO対策について説明しています。興味がある方はぜひ併せてご覧ください。
効果的な3つのSEO対策!ネットショップの集客力を高め売上を伸ばそう
商品の品質改善に活かせる
ECサイトに集まるレビューは、商品に満足したお客様だけが投稿するわけではありません。商品に満足しなかったお客様からレビューが投稿されることがあります。
しかし、評価の低いレビューはECサイトにおいて必ずしもマイナスなものではなく、ECサイトの機能や商品企画を改善するための重要な参考材料になります。
マイナスなレビューや口コミには真摯に向き合い、お客様が不満を感じた点をしっかりと把握し改善すれば、顧客満足度の向上につながります。
ECサイトにおけるレビュー機能のデメリット
これまでECサイトにおけるレビュー機能のメリットを説明しましたが、一方でデメリットも存在します。
ECサイトにおけるレビュー機能のデメリットは、誤った情報が書き込まれる可能性があることです。
たとえ悪意がなかったとしても、事実とは異なった内容によって、ほかのお客様に悪い印象を持たれる場合があります。
商品に満足できなかったというレビューであれば、商品企画の改善に活かすことが可能です。しかし、事実と異なる誤情報はお客様の混乱を招くだけです。
社会的評価を下げるような書き込みや誹謗中傷の類には、毅然とした態度で削除や削除依頼の対策を取りましょう。
ECサイトに掲載するレビューを集める方法
この章では、ECサイトのレビューを集める方法を紹介します。具体的な方法は、以下のとおりです。
- 購入後にメールで依頼する
- 商品にレビュー依頼のメッセージを同梱する
- レビュー投稿キャンペーンを開催する
- SNSを活用する
購入後にメールで依頼する
ECサイトに掲載するレビューを集める方法に、購入後にメールで依頼するという方法があります。
購入したお客様にサンクスメールを送る際、レビューの記入をお願いすることで自然な流れで依頼することが可能です。
ただレビューをお願いするのではなく、購入してくれたことへの感謝や不備の確認に関する文章を記載することで、お客様はメールの内容にストレスを感じにくくなります。
なお、サンクスメールにレビューを入力するURLを記載しておくと、お客様は記載のURLをクリックするだけで、入力フォームに移動できます。公式サイトにアクセスするといった手間を省けるので、おすすめです。
商品にレビュー依頼のメッセージを同梱する
ECサイトに掲載するレビューを集める方法には、配送した商品にレビューを依頼するメッセージを同梱するといった方法もあります。
お客様のもとに商品が届いて興味が高まっている状態であるので、レビューを記入してもらいやすい点が魅力です。
同梱物にレビューを入力するURLを記載しているだけでは、お客様がURLの入力を負担に感じてしまい、レビューしてくれる可能性が低くなってしまうでしょう。そこで、レビューの入力フォームへ移動できるQRコードを印刷しておくと、カメラで簡単に読み取ってもらえます。
レビュー投稿キャンペーンを開催する
レビュー投稿キャンペーンの開催も、ECサイトに掲載するレビューを集める方法として有効です。レビューを投稿したお客様にクーポンを配布するといった施策は、多くの企業でおこなわれています。
商品の購入ページなどで、レビュー投稿キャンペーンを実施していることを告知しましょう。
ただし、レビュー投稿キャンペーンの期間を明記していない場合、入力を後回しにされてしまう可能性が高いです。また、購入後かなり月日が経ってから入力してもらった場合、リニューアルする前の商品に関するレビューであることも。
そのため、レビュー投稿キャンペーンは適切な期間を設定して、お客様に早い段階で入力してもらうようにしましょう。
SNSを活用する
数あるレビューを集める方法の中でも、最もお客様にとってハードルが低い方法は、SNSを活用するといったものです。
例えば「ハッシュタグをつけて口コミを投稿してくれた方の中から、〇〇名様に***をプレゼント」のように宣伝すると、多くのお客様のレビュー投稿を期待できます。
お客様がSNSでおこなったレビュー投稿を自社の公式アカウントでリポストやリツイートすることで、いつでも再活用できます。公式アカウントにアクションしてもらうことを目的に、レビュー投稿をおこなうお客様もいるでしょう。
また、レビュー投稿の内容によっては、SNSで拡散される可能性があります。その場合、自社商品の認知度が向上して、売上も増加するでしょう。
レビューを活用しているECサイトの事例
これまでECサイトにレビューを集める方法を紹介しました。次に、この章ではレビューを活用しているECサイトの事例を紹介します。
紹介する事例は、以下のとおりです。
- クロックス・ジャパン合同会社
- 株式会社ベルタ
- アモーレパシフィックジャパン株式会社
クロックス・ジャパン合同会社
クロックス・ジャパン合同会社は、シューズやアクセサリー、アパレル製品などの輸入・販売をおこなっている会社です。
以前までクロックス・ジャパン合同会社は、ECサイトの返品率が高いという課題を抱えていました。ECサイトでは実店舗のように試し履きできないので、サイズの選択を間違えたという理由が返品の8割を占めていたのです。
そこで、クロックス・ジャパン合同会社ではスタッフによるレビューを投稿することを決意しました。投稿したレビューは、スタッフが実際に販売しているシューズを履いてみて、サイズ感に関する感想を述べるといったものです。これにより、レビューを投稿した翌年には、サイズの選択ミスによる返品率を約10%も減少させることに成功しました。
そのほかにも、レビューを投稿しているシューズは、同価格帯・同配色のものよりもコンバージョンレートが約40%も高いという効果もありました。
アモーレパシフィックジャパン株式会社
画像引用:https://www.etudehouse.com/jp/ja/
アモーレパシフィックジャパン株式会社は、「ETUDE HOUSE(エチュードハウス)」や「innisfee(イニスフリー)」といった多くのコスメブランドを展開している会社です。
同社では、商品の購入ページに該当商品のUGC(User Generated Contents:ユーザー生成コンテンツ)を掲載するという取り組みをおこないました。
画像つきのレビューであるので、オンライン上でも使用感を確認しやすく、ECサイトでの購入の不安を払拭することに成功したのです。
そのほかにも、ECサイトに掲載しているUGCを該当商品の購入ページとリンクさせることで、購入意欲の高い人を購入ページへ誘導する取り組みもおこなっています。
株式会社ベルタ
画像引用:https://belta.co.jp/goods/folate/
株式会社ベルタは、「ベルタ葉酸サプリ」をはじめとする健康食品を提供している会社です。
アモーレパシフィックジャパン株式会社の例でも紹介しましたが、お客様が撮影した写真や動画などをウェブサイトに掲載するといったUGC(User Generated Contents:ユーザー生成コンテンツ)施策は、多くの企業でおこなわれています。
しかし、株式会社ベルタが扱っている商品は健康食品であるので、写真や動画でも使用効果を伝えられずに成果につながらないといった課題を抱えていました。
そこで、同社は写真や動画の代わりに、実際に商品を摂取したお客様の感想をECサイトに掲載しました。その結果、お客様に安心して購入してもらえるようになり、コンバージョンレートが約1.5倍まで向上したのです。
レビュー機能を実装できるECサイト制作サービス
この章では、レビュー機能を実装できるECサイト制作サービスを3つ紹介します。紹介するサービスは、以下のとおりです。
- MakeShop
- BASE
- Shopify
MakeShop
MakeShop(メイクショップ)は、GMOメイクショップ株式会社が提供するECサイト構築サービスです。
多くの機能が搭載されている点が特徴で、集客や販売を効果的におこなえる機能が搭載されています。また、デザインテンプレートが豊富に用意されている点も魅力で、簡単にほかのサイトと差別化を図ることが可能です。
初期費用(税込) | 11,000円(プレミアムプラン)55,000円(MakeShopエンタープライズ) | 月額費用(税込) | 11,000円(プレミアムプラン)110,000円~(MakeShopエンタープライズ) |
カード決済手数料 | 3.19%~(プレミアムプラン)3.14%(MakeShopエンタープライズ) | 商品登録数 | 10,000点(プレミアムプラン)50,000点(MakeShopエンタープライズ) |
決済方法 | クレジットカード/Amazon Pay/PayPay/楽天ペイ/LINE Pay/コンビニ決済 ほか | 入金サイクル | 月末締め/翌月末入金 |
無料体験 | 15日間 | 公式サイト | https://www.makeshop.jp/ |
BASE
BASE(ベイス)は、BASE会社が提供しているECサイト構築サービスです。
初期費用と月額費用ともに無料である点が特徴で、商品が売れるまで利用料金が発生しません。「ネットショップをはじめたばかりで、商品が売れるか不安…」という方におすすめです。
初期費用(税込) | 0円 | 月額費用(税込) | 0円 |
カード決済手数料 | 6.6%+40円 | 商品登録数 | 無制限(1日1,000件まで) |
決済方法 | クレジットカード/コンビニ決済/銀行振込/キャリア決済/後払い決済/PayPal ほか | 入金サイクル | 振込申請日から10営業日 |
無料体験 | – | 公式サイト | https://thebase.in/ |
Shopify
Shopify(ショッピファイ)は、カナダの企業であるShopify Inc.が提供しているECサイト構築サービスです。
スタイリッシュなデザインのテンプレートが多数用意されており、簡単におしゃれなECサイトを構築できる点が魅力です。また、料金プランが3つ用意されており、ECサイトの規模に応じて選べます。
初期費用 | 0円 | 月額費用 | 29ドル(ベーシック)79ドル(スタンダード)299ドル(プレミアム) |
カード決済手数料 | 3.4%(ベーシック)3.3%(スタンダード)3.25%(プレミアム) | 商品登録数 | 無制限 |
決済方法 | クレジットカード/コンビニ決済/銀行振込/Apple Pay/後払い決済 ほか | 入金サイクル | 振込申請日の翌週金曜日 |
無料体験 | 14日間 | 公式サイト | https://www.shopify.jp/ |
ECサイトのレビューに関する注意点
この章では、ECサイトのレビューに関する注意点を紹介します。紹介する注意点は、以下のとおりです。
- ネガティブなレビューにも対応する
- ステルスマーケティングをおこなわない
ネガティブなレビューにも対応する
ECサイトにネガティブなレビューが投稿された場合も、必ず対応するようにしましょう。
ネガティブなレビューに返信することで、該当の投稿をおこなったお客様に誠実な印象を与えられます。また、そのほかのお客様がそのレビューを目にした際にも、企業からの返信があれば、信頼感を抱いてもらえるでしょう。
ネガティブなレビューに返信する際は、最初にお詫びの気持ちを伝えたうえで、今後はどのように改善していく予定なのかを説明してください。謝罪するだけではなく、これから改善していくという姿勢を表すことで、再度購入したいと思ってもらえることもあります。
ステルスマーケティングをおこなわない
お客様に良い印象を与えたい場合でも、ステルスマーケティングをおこなってはいけません。
ステルスマーケティングとは、中立的な立場からのレビューを装って、商品を宣伝するマーケティング手法です。
お客様はレビューを信頼して商品を購入するので、レビューが宣伝のために作成されたものであると判明すれば、炎上する場合があります。ネットの炎上はお客様の印象に残りやすく、たとえ数年経ったとしても、ステルスマーケティングをおこなった会社として認識され続けるでしょう。
まとめ:ECサイトでのレビュー機能を活用し、売上向上を狙おう
本記事では、ECサイトにおけるレビューの重要性について説明しました。レビューをうまく活用すれば、商品を手に取って確認できないというECサイトのデメリットをカバーできるでしょう。
また、後半ではECサイトのレビューに関する注意点も紹介しました。お客様に良い印象を与えるためにステルスマーケティングをおこなうと、ばれたときに取り返しのつかない程悪い印象を与えてしまうため、おこなわないようにしましょう。
なお、これからECサイトを構築する予定の方や、乗り換えを検討されている方には、MakeShopの利用をおすすめします。MakeShopは、GMOメイクショップ株式会社が提供するネットショップ構築サービスです。
MakeShopには商品レビュー機能が搭載されており、レビューをECサイトに反映するタイミングを設定できます。また、投稿するお客様を会員に限定するといった設定も可能です。
以下でMakeShopの情報をまとめたので、ぜひこの機会に利用を検討してみてください。