今は、個人でも簡単にネットショップ(EC)がひらける時代です。手軽に始められるため副業としても人気が高く、中には個人事業主として独立する方もいます。
しかし、ネットショップの開業前に最低限やっておきたい準備がことがあるのをご存じでしょうか?
ネットショップの開業前にしっかり準備をしておくことで、ネットショップの運営をスムーズに軌道に乗せられるようになるでしょう。
この記事では、ネットショップの開業前に最低限やっておきたい準備について解説していきいます。
編集者
JPholic株式会社 ECNOW 編集部
ECNOWはJPholic株式会社が運営する、
ネットショップ情報メディアです。
30社を超えるECコンサルティング実績や自社ECの運営経験をもとに、
「これからECをはじめる」「ECをいまよりもっと活用したい」という声にお応えします。
ネットショップ(EC)開業前の準備
「スマートフォンの普及によるネットショップ利用者の増加」「ネットショップ(EC)事業を支援するツールやシステムの充実」「新型コロナウィルスの蔓延による対面販売の制限」など、様々な要因を背景に、ネットショップの新規参入者数が増加しています。
ネットショップの開業を検討しているなら、まずは以下6つの準備から進めていきましょう。
- 販売する商品を決める
- ショップコンセプトを決める
- ターゲット(対象者)を決める
- ショップ(ブランド)名を決める
- 仕入れルートの確保する
- 商品をPRする場所の作成する
すでに「販売する商品」や「ショップコンセプト」は定まっているという方もいれば、何から手をつけていいか分からないという方もおられるでしょう。
これらを最初の段階でしっかり準備しておくことにより、ネットショップの方向性がブレずに運営できます。ひとつひとつ、着実に準備を進めておきましょう。
販売する商品
まず絶対に決めておきたいのは、販売する商品です。「とにかくなんでも売ろう!」と考えていませんか?
販売する商品は、一貫性があった方が良いとされています。その理由は、お客さんに認識してもらうためです。お客さんに「〇〇を買うならあのお店にしよう!」と思ってもらうような専門性のあるネットショップにすることが理想です。
たとえば、アパレル専門店、生活家電専門店、理美容器具専門店などジャンルを絞り、販売する商品を決定してみると良いでしょう。
もしも将来的にネットショップが成長してきら、その段階で様々な商品を展開していけば良いです。まずはジャンルを絞って販売する商品を決めていってください。
ショップのコンセプト
ネットショップのコンセプトを決めておくことも大切です。たとえば、ECサイトのデザインやカラー、画像の見せ方などにはこだわりを持つようにしてみてください。
最初に決めたコンセプトがブレなければ、一貫性のあるデザインとなります。一貫性があればショップ全体にまとまりが出るので、訪れたお客さんに安心感を与えるでしょう。もしもデザインがバラバラであれば、それだけでお客さんが混乱してしまう可能性があります。
またコンセプトがしっかりしていれば、お客さんにも認識されやすくなります。「このデザインは〇〇のサイトだな」と思ってもらえれば、ブランディングが成功していると言えるでしょう。コンセプトから外れなければお店のカラーとして定着するので、まず最初にコンセプトを決めておくことが大切となります。
販売したいターゲット
ネットショップを制作する際、ターゲットをしっかり決めておきましょう。男性向けなのか女性向けなのか、年代はどのぐらいの人をターゲットにするのか…これらをしっかり決めておくことにより、サイトデザインや仕入れる商品も変わってきます。
たとえば子ども向けの商品を販売したいのであれば、賑やかなサイトデザインのほうが好まれる傾向にあります。高齢の方向けであれば、落ち着いた色合いが好まれることが予想できます。
狙うターゲットによってネットショップのデザインや文章の書き方、商品画像の制作の方向性などが変わってきます。そのため制作準備段階でターゲットはしっかり決めておくようにしましょう。
ショップ(ブランド)名
ネットショップを制作する際、ショップ(ブランド)名は非常に重要です。お客さんの印象に残るショップ名にするために、しっかり考えておくことをおすすめします。
しっかり決めたショップ名は、愛着も湧きます。愛着があればショップの継続にも繋がりますので、販売する商品にあったショップ名かつ、自分で気に入るショップ名を考えてみてください。
ショップ名に関しての正解はありませんが、強いて言えばターゲットに合わせることです。ターゲットに気に入ってもらえるようなショップ名を付けることで、愛されるネットショップへの第一歩を踏み出せるでしょう。
仕入れルートの確保
ネットショップを安定して運営させるには、しっかりした仕入れルートを確保しておかなければいけません。在庫切れや納期遅れのリスクを減らすためにも、安定した仕入れ先を見つけておくことが大切でしょう。
現在、即日や翌日の発送に慣れているお客さんは増えています。注文が入っても発送が遅いショップには、リピーターが付きにくくなってしまう可能性があります。ネットショップの運営は「売ること」だけではなく「仕入れること」も大事なのです。
また、不良品が多いショップも低評価となってしまいます。品質が良い商品を安定して販売するためにも、仕入れルートの確保は念入りに行っておいてください。
商品をPRする場所の作成
ネットショップは、開けばお客さんがくるというものではありません。今の時代は個人法人問わず、たくさんのネットショップがあります。その中で選ばれる存在となるためにも、ネットショップをPRする場所が必要なのです。
おすすめは、SNSの活用です。Instagram、Twitter、Facebook、YouTube、TikTokなどの代表的なSNSは、全て活用することをおすすめします。もちろん販売する商品によって適正なSNSが変わる可能性はありますが、抜け目なく認知度を上げるためにもしっかり整備しておきたいところです。
SNSの良いところは、基本的に無料でPRができるところです。広告費をかけずに、ダイレクトに顧客に情報を届けられるので、リスクが少ないことも魅力のひとつと言えるでしょう。
デメリットがあるとすれば、炎上の可能性があることです。たとえば商品に不具合があった場合、SNSで悪評が出回ってしまう可能性があります。それを防ぐためにも、普段から健全にSNSを運用していたり、誠実な運営を心がけたり、しっかりした仕入れルートを確保しておくことが大切です。
制作段階では広告にお金をかけることも難しい場合があるので、SNSはぜひ活用するようにしましょう。
実際にネットショップ(EC)を制作する際の必需品
実際にネットショップを制作する際には、主に以下のものが必要です。
- PC
- インターネット環境
- 画像編集ソフト
- 表計算ソフト
もちろん「これだけあればずっと運営できる!」というものではありません。最低限必要な必需品をまとめましたので、参考にしてみてください。
PC
PCは、必ず必要になってきます。スマホでネットショップを作ることもできますが、事務処理や仕入れ、リサーチなどのケースで必ずPCが必要になってきます。
予算としては、最低でも10万円〜をイメージして欲しいです。安い低スペックなPCでは、様々な作業に性能が追いついてくれません。たとえば、商品や競合のリサーチをしながら画像編集ソフトを使い、Excelで在庫や帳簿の計算をする…といった作業が難しくなってしまいます。ネットショップを運営する際には、常時複数のソフトを同時に立ち上げることも多くなるので、性能の良いPCを初期投資として購入しておいたほうが良いでしょう。
もちろん、PCを購入しただけではネットショップの制作・運営はできません。PCスキルはもちろんのこと、ITリテラシーや専門スキルが必要になってくることもあります。また今後、新サービスの登場や新しいツールを導入することも考えられます。常にPCの知識はアップデートするものとして考えておきましょう。
インターネット環境
言うまでもないかもしれませんが、インターネット環境は重要です。できるだけ高速のインターネット回線が必要になってくるでしょう。インターネット回線が不安定・低速であれば、作業効率が確実に落ちます。ストレスのかからないインターネット環境を整備して、作業に滞りがないようにすることが大切です。
またチームで作業をする場合は、Wi-Fiルーターにもこだわったほうが良いです。複数人が同時にインターネット接続をしても問題がないように、良いルーターを購入することをおすすめします。作業中は常にインターネットと繋いでおきますし、インターネット接続が途切れれば運営に支障が出ます。お客さんからの注文も確認できない…という状態になってしまう可能性もあるので。安定したインターネット環境を準備しておいてください。
画像編集ソフト
ネットショップを制作する際、大切になってくるのは商品画像やバナーです。そのため、画像編集ソフトは必需品と言って良いでしょう。実際に商品を手に取れる実店舗と違い、ネットショップでは商品画像や文章が訴求の大きなポイントとなります。魅力的な商品画像やバナーを用意することで、お客さんの購買意欲を高められます。
商品画像を外注するという方法もありますが、まずは自分である程度触れるスキルを身に付けることをおすすめします。外注先への指示をする際、自分でイメージできているのとできていないのとでは、出来上がりの画像に差が出てくるからです。
画像編集ソフトは、AdobeのPhotoshopやIllustratorが有名です。その他にもGIMPやAzPainter2など様々なソフトがあります。商品画像やバナーを自分で作れるようになれば、外注費を大きく削減できるでしょう。特に大量に商品画像を用意しなければならない場合、自分でやるのか外注するのかで大きくコストが変わってきます。
注意点としては、画像編集ソフトを扱うにはある程度高スペックのPCが必要ということです。前述したように、PCへの初期投資も大切なのでしっかり予算組をしておいてください。
表計算ソフト
表計算ソフトでは、在庫管理や帳簿付けなどを行います。Excelを用意しておいたほうが良いでしょう。Excelに対しても、常に学習は必要です。ネットショップを運営する際には、効率よく作業を進めたり、ミスのない仕事をする必要があります。Excelのスキルを上達させることで、商品を売る・アイディアを練る時間を生み出すことができるでしょう。しっかり学習に時間を使い、効率よくネットショップを運営してください。
ネットショップ(EC)を制作する際に気をつけておきたいこと
ネットショップを制作する際には、いくつかの気をつけておきたいことがあります。制作段階で意識しておくことで、今後の運営を左右しますので、しっかりと気をつけるようにしてください。
自力ですることと外注することを切り分ける
ネットショップを運営するにあたって、自力ですることと外注することを切り分けておく必要があります。たとえば画像編集を自力でするのか、それともプロに外注するのか、などです。外注したほうが良いデザインのものが仕上がる可能性はありますが、その分コストがかかってしまいます。また自分のイメージ通りの商品画像にならないこともあるでしょう。
もしも画像編集が自分でできるのであれば、コスト削減のために自分でやってしまった方が良いです。しかし自分でできる場合でも例外はあります。それは、商品画像の大量生産が必要な時です。いくら自分でできるからといって、あまりにも時間がかかってしまうようであれば、機会損失を起こしてしまう可能性があります。
コスト、時間、労力などを判断して最適になるように、自分ですることと外注することを切り分けて運営するようにしてください。
しっかり予算を決めておく
制作段階で予算をしっかり決めておくことで、運営がスムーズになります。前述した外注費などもそうですが、かけるべきところにお金をかけるのは、悪いことではありません。時間のロスや機会損失を防ぐためにも、予算をしっかり決めておきましょう。
特に制作の段階では、初期投資はある程度必要になってきます。PCやツール、ソフトなどはもちろんのこと、サイトデザインなどにもお金をかけることもあるでしょう。
学習し続けることを忘れない
ネットショップを制作するためには、様々なスキルが必要です。PCスキルがほとんどなくても、ひとまずのネットショップは作れます。しかし、売上を伸ばすためにはPCやソフトを使いこなす知識とスキルが必要になってくるのです。苦手意識を克服しつつ、自身のスキルアップをしていくことを忘れないようにしましょう。
また、商品のキャッチコピーやセールス文章の作成なども必要です。ライティングスキルを学んだり、コピーライティングについても学習しなければなりません。
また、在庫の管理や発注の方法、仕入れルートや利益計算なども学習しなければ、運営に差し支えがでてきてしまいます。
ネットショップの制作・運営には様々な知識が必要となりますので、学習し続けることを念頭において制作をしていきましょう。
変化することを恐れない
ネットショップを制作する前に肝に銘じておいて欲しいこと、それは変化することを恐れないということです。コンセプトや予算、デザインなどはしっかり決めたほうが良いと前述しました。それは確かにその通りなのですが、時には変化も大切なのです。
たとえば、世の中のトレンドに合わせてネットショップのデザインを変更したり、商品画像のテイストを変えることも時として必要なのです。変化するタイミングを見極めるためには、世の中の情報に常にアンテナを張り、流行に敏感になっておくことが大切です。
商品の仕入れが変わる可能性があるでしょう。長く取引を続けていた会社から、新しい取引先と契約を結び直すことも考えられます。
変化することを恐れず、柔軟に対応していきましょう。そうすることで、長くネットショップを運営していけることに繋がります。
変えずにやってきたことを変えるのには、とても勇気がいります。一時的に利益が下がってしまうかもしれません。しかしそれは、息の長いネットショップを運営するためには、必要な痛みなのです。今利益が下がっても、将来的な成長が見込めるという場合もあるのです。変化は起爆剤となります。売上を大きく上げたり、お客さんをたくさん獲得できる可能性を秘めています。しかし一方で、方向性を間違えてしまっては逆効果になってしまうこともあります。
変化は良い風にも悪い風にも作用しますが、必ず必要になる時があります。最初に決めたコンセプトも大事ですが、変わることも同じように大切だということを念頭に置いておきましょう。
まとめ
ここまでネットショップ制作で最低限やっておきたいことをまとめました。これからネットショップを制作するにあたり、やっていくことはたくさんあります。また、ネットショップは変化のスピードが早いです。新しいサービスが出現したり、トレンドが大きく変わる可能性があります。そのような時に迅速に対応できるように、制作前段階〜運営中にかけて学習し続けることが大切です。
しっかり売上を作り、お客さんからも愛されるショップになるためにも、最低限のことはしっかり整えておきましょう。