Amazonは知名度が高く、月に5,000万人以上が利用しているECモールです。ネットショップの開業初期は、集客に苦戦し、なかなかユーザーに認知してもらえません。
そこで、圧倒的な知名度を誇るAmazonで出店し、ネットショップ運営をはじめようと考えている方もいるでしょう。この記事では、Amazonの出店にかかる費用や流れ、メリット・デメリットを解説します。
編集者
JPholic株式会社 ECNOW 編集部
ECNOWはJPholic株式会社が運営する、 ネットショップ情報メディアです。
30社を超えるECコンサルティング実績や自社ECの運営経験をもとに、 「これからECをはじめる」「ECをいまよりもっと活用したい」という声にお応えします。
Amazonで出店する理由とは?
AmazonはECモールのなかでも、最大級の利用者数を誇ります。Amazonに出店すれば、その圧倒的な集客力を活かせるため、多くのユーザーに商品を認知してもらえるでしょう。
さらに、Amazonには配送業務を任せられるサービスや、商品をアピールするための広告など、出品者の手間を大幅に軽減できます。すでに楽天市場やYahoo!ショッピングといったほかのECモールに出店している場合でも、Amazonなら手軽に新規出店が可能です。
Amazonでの出店は個人・法人どちらも可能
Amazonでは個人・法人に関わらず、どちらでも出店できます。個人の場合は本名や屋号での登録が必要で、法人の場合は登記簿謄本の用意と13桁の法人番号が必要です。
楽天市場の場合は、個人が副業として出店する行為を禁止していますが、Amazonなら気軽に出店できます。
海外のAmazonにも出店できる
Amazonでは、2018年から海外向けに商品を販売できる「Amazonグローバルセリング」というサービスを提供しています。Amazonグローバルセリングに登録すると、アメリカやヨーロッパなど日本以外の国でも出店が可能です。
出店方法は日本のAmazonと同じ仕組みで、日本語のサポートも受けられます。ただし、出店する国ごとに海外向けのアカウントを作成しなけれはならず、費用も必要です。
Amazon出店・運用代行サービス「FBA」
FBAとは「Fulfillment by Amazon」の略で、商品の発送から顧客対応までをすべてAmazonが代行してくれるサービスです。FBAを利用すれば、出品者は商品をAmazonへ送るだけの作業のみとなります。
商品の発送だけでなく、顧客のクレーム対応や返品処理、売上の振込をAmazonが代行してくれるため、非常に便利なサービスです。
Amazon出店で発生する費用・手数料
Amazonの出品方法には、小口出品と大口出品の2種類があります。月に50個以上の商品を販売するのなら、大口出品の方が費用を抑えることが可能です。
販売手数料は、出品する商品によって異なりますが、基本的に販売価格の15%がかかります。Amazonの特徴は、月にかかる固定費が低い反面、売れた商品の分だけ販売手数料の負担が大きくなる点です。
それでは、小口出品と大口出品の違いを解説します。
小口出品の費用・手数料
小口出品は、ショップの規模が小さい場合におすすめの出店プランです。小口出品では、商品がひとつ売れるごとに基本成約料としてAmazonに100円を支払います。
つまり、商品が売れるごとに支払う費用が大きくなる仕組みです。ショップの規模が小さい場合や、初めてネットショップを運営する場合は小口出品からはじめるとよいでしょう。
大口出品の費用・手数料
大口出品には基本成約料がなく、代わりに月額登録料を支払うシステムになっています。月額料金は税抜4,900円のため、月に売れる商品が49個以上の場合には、大口出品サービスがおすすめです。
小口出品に比べて月の固定費は高くなりますが、さまざまなサービスを利用できるため、ショップの規模が大きくなったり、売上を伸ばしたりしたい場合には大口出品がよいでしょう。
小口出品と大口出品の違い
小口出品と大口出品では、出品できる商品や利用できるサービスが異なります。以下は、大口出品者のみが利用できるコンテンツです。
- オリジナル商品の出品(Amazonで既に販売してある商品も出品できる)
- 一括出品ツールの利用(大量の商品を一括で出品登録できる)
- 出品者独自の配送料金とお届け日時指定の設定
- 注文管理レポートの利用
月の出品数が多い場合、大口出品サービスを利用した方がネットショップ運営が楽になります。反対に月の出品数が少ない場合に大口出品を利用すると、月額料金が大きな負担となるため、小さい規模ではじめるなら小口出品がおすすめです。
Amazonで出店する5つのメリット
Amazonで出品するメリットは、以下の5つです。
- Amazonの知名度を利用できる
- 出品が楽
- 月額料金が安い
- FBAを利用できる
- 入金サイクルが短い
それでは、各メリットを見てみましょう。
メリット1.Amazonの知名度を利用できる
Amazonは、楽天市場やYahoo!ショッピングと同じく、圧倒的な知名度を誇るECモールです。自社ECサイトの場合、ショップの立ち上げ初期は知名度が低いため、なかなかユーザーが集まりません。
しかし、Amazonに出店すれば、圧倒的な知名度を利用できるため、立ち上げ初期でもある程度の集客が可能です。
また、Amazonの品数やサイトの使い心地、便利さなどユーザビリティーの高さから、ユーザーのなかにはAmazonでしか買い物をしない人もいるでしょう。Amazonはセキュリティ面においても信頼できるため、ユーザーにとっては安心して買い物ができます。
よって、今後さらにAmazonの利用者は増加すると予測でき、その知名度を活かせる点は大きなメリットです。
メリット2.出品が楽
Amazonでは楽天市場やYahoo!ショッピングに比べて、出品にかかる手間が少なく、スムーズに商品を販売できます。Amazonは、ほかのECモールと出店形態が異なる点も特徴のひとつです。
楽天市場など多くのECモールは、モール内に自店のウェブサイトを作成し、店舗内で商品を販売。商品ページの作成には専門的な知識が必要なため、ページ作成には手間や費用がかかります。
一方、Amazonには店舗が存在せず、ひとつのサイト内にそれぞれが商品を出品する形式です。原則としてひとつの商品に対して商品ページはひとつしかないため、既に同じ商品を販売している場合には、ページを共有して販売できます。
メリット3.月の固定費が安い
前述した通り、Amazonには小口出品と大口出品の2つ出品サービスがあります。出品数や予測販売数、事業規模に合わせて出品プランの選択が可能です。
特に、小口出品は月額固定費がかからず、売れた商品の数だけ成約手数料や販売手数料が発生するため、売上がなければ手数料がかかりません。大口出品に関しても、月額5,000円以下のため、比較的安い費用で販売できます。
メリット4.FBAを利用できる
商品の発送や在庫管理、顧客管理をすべてAmazonが代行してくれるFBAを利用できる点も、Amazonに出店するメリットといえます。商品を梱包し、Amazon倉庫に納品する手間はあるものの、受注後の業務をAmazonに代行してもらえるため、業務効率化が可能です。
Amazonで売れた商品は自身でを自己発送することもできますが、FBAを利用すれば在庫管理や配送業務にかかる費用を削減できます。ただし、FBAの利用には別途で手数料が必要になるため注意してください。
メリット5.入金サイクルが短い
一般的なECモールの場合、売上金の入金サイクルは月末締めの翌月末入金ですが、Amazonの入金サイクルは14日間です。入金サイクルは、最短1日単位で変更できるため、資金繰りが苦しい場合は嬉しい仕組みといえます。
ただし、売上金の50%を留保する引当金はさらに14日後に入金となるため、合計の売上金が入金されるのは約1か月後です。
Amazonで出店する3つのデメリット
Amazonで出店するデメリットは、以下の43つです。
- Amazonが競合になる可能性がある
- 自店の個性を活かしづらい
- リピーターがつきにくい
- 販売者むけのカスタマーサポートの非充実
Amazon出店には多くのメリットがある反面、デメリットも存在します。メリット・デメリットをしっかりと把握したうえで、Amazon出店を検討しましょう。
デメリット1.Amazonが競合になる可能性がある
楽天などほかのECモールとAmazonで最も異なる部分は、AmazonではAmazon自身も商品を販売している点です。Amazonには、カートボックスという仕組みがあり、ひとつの商品に対してひとつのショップだけが「カートに入れる」ボタンから販売できます。
カートボックスの獲得は、売上を大きく左右する要因のひとつです。Amazon自身が販売している商品は、高確率でAmazonがカートボックスを獲得しています。
したがって、販売する商品によってはAmazonが競合となり、カートボックスを獲得できない場合もあるでしょう。
デメリット2.自店の独自性を出しづらい
楽天市場やYahoo!ショッピングといったテナント型ECモールでは、ショップの品揃えやオリジナルサービス、独自のショップデザインによって他店と差別化を図れます。
一方、マーケットプレイス型であるAmazonは独自性が出しづらく、価格とレビューの数や点数が比較ポイントになりがちです。
デメリット3.リピーターがつきにくい
Amazonはマーケットプレイス型のモールです。楽天などのテナント型のモールが「出店」という形を取るのに対し、Amazonなどマーケットプレイス型のモールは「出品」という形を取るのが大きな違いで、店舗という概念が薄いのが特徴です。そのため、たとえ自社の商品を購入いただいても、お客様の多くは「Amazonで購入した」と認識します。
結果として、ファンがつきにくく、リピーターを獲得しづらい点がデメリットです。
デメリット4.出品者向けカスタマーサポートの分かりづらさ
また、出品者向けのCS(カスタマーサービス)が分かりづらい点もAmazon出店のデメリットといえます。
Amazonは出品者向けの問い合わせ窓口としてAmazonテクニカルサポートを設けています。 Eメール、電話、チャットが用意されているものの、selle rcentral自体の操作性の悪さもあいまって、問い合わせを行うのが難しい。
また実際に問い合わせができても、マニュアルにそった回答しかもらえなかったり、問い合わせ先が該当部署でないとそこで問い合わせが終了したりと利便性が低いのが難点です。
Amazonで出店する際の流れ
通常、Amazonで買い物をする際には自身のアカウントを使用しますが、そのアカウントでは商品を販売できません。Amazonで出店するには、出品用アカウントの作成が必要です。
出品プランには、小口出品サービスと大口出品サービスの2種類があるため、どちらの出品プランにするのかを決める必要があります。出品サービスに関しては、予測できる月間の販売数をもとに適したプランを選びましょう。
それでは、Amazonで出店する際の流れを紹介します。
流れ1.出品用アカウントの取得
Amazonに商品を出品するには、出品用のアカウントを取得しなければなりません。アカウントの取得には、以下が必要になります。
- 電話番号
- メールアドレス
- 銀行口座
- クレジットカード
- 行政機関が発送した顔写真付きの身分証明書
- 過去180日以内に発行した取引明細書
出品者用アカウントは、Amazonの公式ページから簡単に作成できます。
流れ2.出品プランの選定
次は、小口出品と大口出品から自店に合った出品プランを選びます。小口出品は、月間販売個数が49個以下と比較的小規模でネットショップ運営をはじめたい方が対象となるプランです。
月額登録料はなく、販売手数料と売れた商品1つに対して100円支払う基本成約料がかかります。大口出品は月額登録料4,900円と販売手数料はかかりますが、販売個数による基本成約料はかかりません。
月に商品を50個以上販売する予定の方は、大口出品がおすすめです。
流れ3.商品の登録
Amazon内ですでに販売している商品を出品する場合には、商品名を検索し、在庫数や商品価格を入力すると登録が完了します。Amazon内で販売していない商品を出品する場合は、商品画像や商品の説明文、JANコード(商品識別番号)を入力すれば、商品の登録は完了です。
流れ4.商品の梱包・配送
商品を梱包する作業は、基本的に自分でおこないます。商品の発送に関しては、自分でおこなうこともできますが、Amazonに代行してもらうサービスの利用も可能です。
手数料はかかりますが、FBAを利用すれば商品の発送から売上金の入金までをAmazonに代行してもらえるため、ネットショップ運営の手間を軽減できます。
Amazon出店を成功させるためのポイント
Amazonでの出店は、商品登録さえできれば販売できるため、専門知識がない方でも気軽にはじめられます。ただし、だれでも出店できるため競合が多く、価格競争になりやすい点も特徴です。
Amazonでのネットショップ運営を成功させるには、さまざまな工夫が必要になります。ユーザーが商品を購入する際、カスタマーレビュー(口コミ)は非常に重要となる要素です。
つまり、高い口コミを得るほど売上が伸びるといえます。意図的に自社商品を良く見せる口コミの投稿や依頼は禁止されていますが、口コミを促す分には問題ありません。
購入者に対して、お礼とともに口コミを促すメールを送信し、自店の評価を上げる取り組みは大切です。また、Amazonには商品検索で優先的に上位表示させる有料広告も存在します。
いくつかあるAmazon広告のなかでも、スポンサープロダクト広告はクリック数に応じて費用が発生する仕組みです。よって、効率よく商品をアピールできるため、予算に余裕があれば利用を検討してみてください。
Amazon以外での出品を検討するなら
各ECモールでは会員ユーザーを保有しており、会員限定でキャンペーンやセールを開催しているため、高い集客効果を得られます。Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングといった大手ECモールに出店すれば、集客面では困りにくいものの、独自性が出しにくいといえるでしょう。
そこで、おすすめなのが自社ECサイトでのネットショップ運営です。自社ECサイトなら、自由なデザインでブランディングしやすく、リピーターの獲得率も上げられます。
ECモールに比べて手数料を抑えられる点も、自社ECサイトで出店するメリットです。自社ECサイトで出店するなら、MakeShopをおすすめします。
MakeShopは機能性や自由度が高く、初めてネットショップを立ち上げる方でも簡単に使用できる構築サービスです。ショッピングカートの流通総額は9年もの間、国内1位を維持しています。
15日間の無料体験も実施しているため、ネットショップ運営を気軽にはじめることが可能です。
Amazon出店についてイチから理解して、利用を検討しよう
この記事では、Amazonの出店にかかる費用や流れ、メリット・デメリットを解説しました。Amazonは月に多くのユーザーが利用しているため、出店すれば高い集客効果を得られます。
しかし、自社ECサイトに比べて独自性が出しにくく、手数料も高くなりがちです。大手ECモールと並行して、自社ECサイトで運営するのもひとつの方法といえます。
自社ECサイトを運営する際には、確かな人気と安全性があるMakeShopがおすすめです。気になる方は、お気軽にお問い合わせください。