ネットショップをはじめるにあたって、もっとも重要なのが「ターゲット設定」です。もし、ターゲットを決めないまま集客や運営をはじめてしまうと、適切なアプローチができずに失敗してしまう可能性があります。
そこでこの記事では、ネットショップ運営に欠かせないターゲット設定の重要性や、ペルソナとの違い、集客方法を解説します。ネットショップ初心者にもわかりやすいように説明しているので、ぜひ参考にしてください。
編集者
JPholic株式会社 ECNOW 編集部
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ネットショップ運営ではターゲット設定が重要
ユーザーは、ネットショップのコンセプトや商品に共感を得ると、滞在時間が長くなる傾向にあります。滞在時間が延びれば、より多くの商品を見てもらえるため売上アップが期待できるでしょう。
せっかく集客に力を入れて広告を出しても、ターゲット選定を間違ってしまうと、自店に関係のないユーザーへもリーチしてしまい、かけたコストが無駄となります。ネットショップでは、ターゲットを絞ることで効率のいい集客が可能です。
それでは、ネットショップ運営でターゲットを設定する必要性や、ペルソナとの違いを解説します。
ターゲットを設定する必要性
ネットショップ運営をはじめる際は、まずターゲットを設定する必要があります。ターゲットとは、たとえば「20代女性」や「東京都に住む高齢者」のように、アプローチをかけるおおまかな対象のことです。ターゲットを設定することを「ターゲティング」といい、成功しているネットショップでは、必ずといっていいほど実施しているのが特徴です。
ネットショップにおいては、メインとなるターゲットへアプローチできなければ、サイトの離脱率が高まってしまうだけでなく、リピーターの増加につながりません。結果、誰からも商品を購入してもらえないショップになり得るでしょう。
ネットショップでターゲット設定をする方法
ネットショップでターゲット設定をするには、まず候補となる対象像をいくつかピックアップする必要があります。とくに、年齢や性別、居住地といった属性ごとに顧客をグループ分けすることを「セグメンテーション」といい、ターゲティングをする際によく用いられます。
たとえば、アパレル商品を扱うサイトであれば、「年齢」や「性別」、農産品を扱うサイトであれば「住所」や「好み」といった属性情報が重要です。アパレルの例であげると、セグメントを「10代女性」「20代女性」「30代女性」「40代女性」のようにわけ、自店がどの顧客層へアプローチするのかを明確にします。
セグメンテーションをおこなうことで、ターゲット候補を網羅的に把握し、より的確にターゲティングできるのがメリットです。したがって、ターゲット設定をおこなう際は必ずセグメンテーションも併せて実施するようにしましょう。
ネットショップにおけるペルソナとは
ネットショップや通販サイト、ウェブマーケティング運営の経験者なら、ペルソナという言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。ペルソナはギリシア語のpersonaが由来で、人や人格を指す言葉として使用されています。
ネットショップ運営におけるペルソナは、商品やサービスの購入を見込める顧客のなかで象徴となる利用者の人物像です。特に、特定の商品やジャンルに特化したECサイトを作成するなら、ペルソナ設定は非常に重要といえます。
ターゲットとペルソナの違い
ターゲットとペルソナは、どちらも似たような使い方をする言葉ですが、意味が異なります。マーケティングにおけるターゲットとは、広い範囲で人物モデルとして捉える考え方です。
たとえば、「20代・サラリーマン」や「30代・OL」などが、ECサイトのマーケティングにおけるターゲットとなります。一方、ペルソナはターゲットよりも詳しく設定している人物像です。
ネットショップにおいては、ターゲット設定をして大まかな対象を決めたあとに、ペルソナ設定をしてより詳細なユーザー像を明らかにすることが重要です。
ペルソナ設定に必要な項目
ペルソナは、ターゲットよりも詳細で細分化された人物像です。ペルソナでは、以下のような項目を設定します。
- 年齢
- 性別
- 職業
- 勤務先
- 地域
- 年収
- 家族構成
- 生活スタイル
- 趣味
- 行動パターン
- 消費行動
- 閲覧する雑誌やウェブサイト
- デバイス
上記は、ペルソナを設定する際に必要な項目の一部です。販売する商品やサービスによって、設定する項目を増やしたり、より細かく設定したりする必要があります。
ネットショップにおけるペルソナの設定方法
ペルソナを設定する際には、実在する人物の分析が重要です。多くの場合、ペルソナ設定時には、すでにターゲット層が決まっています。
ターゲット層になる人たちへインタビューやアンケートを取ったり、既存のアンケート結果を分析したりすると、ユーザーの行動や考え方をより詳しく把握できるでしょう。さらに、ECサイトへ訪問するユーザーのアクセスデータを分析するのも効果的です。
アクセス分析ツールを活用すれば、ユーザーがアクセスした時間や利用しているデバイス、アクセスしたページなどを解析すれば、ペルソナ設定に活かせるでしょう。
それでは、ネットショップにおけるペルソナの設定方法を紹介します。
ユーザーへインタビューやアンケートを取る
商品やサービス、サイトを利用しているユーザーに対してアンケートやインタビューをおこない、利用後の効果や不満がないかヒアリングしてみましょう。過去の販売履歴を確認し、該当するユーザーを抽出し、調査します。
調査範囲が広い場合にはアンケート、特定の人に定性的な情報を求める場合にはインタビューがおすすめです。アンケートを取る際には、Googleフォームを活用すれば無料で作成できるため、メルマガやキャンペーンなどで募集してみるとよいでしょう。
アンケートでは、設問の質によって得られる情報が異なります。チェックボックスで答えるアンケートよりも、記述式で答えるアンケートの方が高い質の情報を得られるでしょう。
Googleアナリティクスによる解析
Googleアナリティクスを活用すれば、ユーザーの年齢や性別、おおまかな居住地がわかります。Googleアナリティクスから、ユーザーがどのようなキーワードでサイトに訪問し、どのページにアクセスし、何を購入したのか解析してみましょう。
Googleアナリティクスの利用だけでは、十分なペルソナ設計はできませんが、得られる情報は有用性が高く、比較的簡単に実施できます。
ネットショップ運営でペルソナを設定するメリット
ネットショップ運営において、ターゲット選定にとどまらず、ペルソナを設定すると以下のようなメリットを得られます。
- 顧客の視点でサイトを構築できる
- 担当者間でユーザー像の認識を共有できる
それでは、ペルソナを設定する2つのメリットを詳しく見ていきましょう。
顧客の視点でサイトを構築できる
ターゲットより具体的な情報まで設定したペルソナは、実在する人物と同じようなものです。設定したペルソナが満足するサイトを構築できれば、必然的にターゲットとなる顧客のニーズを満たせるでしょう。
顧客の視点でサイトを構築できれば、共感を得やすいため、ユーザーの離脱率を軽減できます。具体的な氏名や写真、バックボーンを用意すれば、箇条書きのデータよりペルソナに対して感情移入しやすく、ユーザーが抱える悩みやニーズを感じやすいでしょう。
担当者間でユーザー像の認識を共有できる
曖昧な定義でターゲットを選定すると、ECサイトの担当者間でそれぞれが思い浮かべるユーザー像が異なり、企画に一貫性がなくなります。そこで、ペルソナを設定すれば、プロジェクトメンバー全員の認識を共有できるため、スムーズに企画が進むでしょう。
ネットショップ運営は、一人ひとりの業務範囲が広いため、各担当者が同じユーザー像を認識すれば、作業の効率化を図れます。
<h2>ネットショップ開業時にペルソナ設定する際の注意点</h2>
ネットショップを開業する際には、まずターゲットを決め、その後にペルソナを設定します。人的リソースや予算などさまざまな制限があるため、ネットショップ運営を理想通りに進めるのは難しいですが、そのなかでも可能な限り細かくペルソナ設定をすることが必要です。
とはいえ、ビジネスモデルや必要に応じてペルソナを変える必要もあります。それでは、ペルソナを決める際の注意点を見ていきましょう。
ビジネスモデルによってペルソナは変わる
BtoBやBtoCといったビジネスモデルの種類に関係なく、ペルソナ設定は重要な役割を担っています。しかし、ビジネスモデルが異なると購買プロセスに大きな違いがあるため、設定方法を変えなくてはなりません。
BtoBの場合は、人物像の基本情報に加えて、業務上の目標や課題、勤めている企業の情報が必要です。数人の担当者によって購買決定をおこなうため、人数分のペルソナを設定しなければなりません。
一方、BtoCの場合は、人物像のプライベートやライフステージを設定します。このように、ペルソナはターゲットユーザーや取引形態に応じて、適切な設定を考える必要があるのです。
ペルソナを必要に応じて変更する
変化が多いウェブマーケティング業界において、ECサイトのペルソナも必要に応じてアップデートしなければなりません。たとえば、10年以上前のネット通販では、パソコンから商品を購入するのが一般的でした。
しかし、現在では多くの人がスマートフォンから商品を購入しています。もし、ペルソナを10年以上前と同じ情報で設定していると、パソコンにしかあっていないECサイトを運営していることになるでしょう。
ユーザーからすると、そのようなECサイトは使い心地が悪いため、離脱する原因となります。したがって、ペルソナは時代の流れや状況に応じて適切にアップデートすることが必要です。
ターゲット設定をしたあとは集客が大事!具体的な手法をご紹介
ネットショップに集客する方法はいくつかありますが、ここでは比較的早く効果を得やすい下記の有料広告を紹介します。
- リスティング広告
- SNS広告
- ディスプレイ広告
- アフィリエイト広告
ブログやSNS投稿といった、お金をかけずに集客する方法もあるため、予算にあわせて有料広告と無料広告のどちらにするか検討してみましょう。
リスティング広告
リスティング広告とは、GoogleやYahoo!などの検索画面に表示する広告です。表示するだけなら費用がかかりませんが、ユーザーのクリック数に応じてかかる費用が変動します。
キーワードを検索したユーザーに対してサイトを確実に表示できるため、ショップの存在を知らない新規顧客の獲得が可能です。リスティング広告のひとつにGoogleショッピング広告があります。
Googleショッピング広告は、Googleでキーワードを検索した画面に、商品写真と価格を表示する広告です。写真と価格をすでに表示しているため、通常のリスティング広告よりもさらに購買意欲が高い人にクリックしてもらえる仕組みで、購入につながりやすい広告といえます。
リスティング広告は広告のなかでも低予算で利用できるうえ、効率よく購買意欲のあるユーザーへアプローチできる広告です。ただし、広告をクリックしてもらうには文章スキルや運用に関するノウハウも必要となります。
SNS広告
SNS広告とは、InstagramやFacebookといったSNSに表示させる広告です。広告を通常の投稿のように表示できるため、ほかの広告よりもユーザーに受け入れてもらいやすく、拡散されやすい特徴があります。
SNS広告では、年齢や性別、地域など広告を表示させる対象を細かく指定可能です。通常の投稿に紛れやすいSNS広告は、ユーザーの目に留まるような広告でないと、流されてしまいます。
さらに、各SNSの特徴を把握し、販売する商品やターゲットにあった媒体選びが大切です。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告とは、ウェブサイトやアプリ内に設けてある広告枠に、動画や画像を表示する広告です。費用は、クリック数に応じて変動するタイプと表示するだけで発生するタイプの2種類があります。
動画や画像を同じユーザーに何度も表示できるため、印象に残りやすく、新商品を認知してもらいたい場合に有効な広告です。表示するターゲットの年齢や性別は絞れるものの、リスティング広告よりも購買意欲が低いユーザー向けの広告であるため、すぐに購入へつながるとはいえません。
アフィリエイト広告
アフィリエイト広告とは、アフィリエイターのブログなどに広告を掲載してもらい、商品が購入されるなど、何かしらの成果が生じた際に費用を支払う成果報酬型の広告です。アフィリエイト広告を出すには、ASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダー)と呼ばれるアフィリエイターと広告主を仲介する企業へ出稿します。
アフィリエイト広告は費用対効果が高く、アフィリエイターが商品をPRしてくれるため、自分で集客する手間を省けるのがメリットです。ただし、アフィリエイターに自社の広告を選んでもらえなければ、ASPに費用を払って出稿しても意味がありません。
さらに、アフェリエイターの宣伝方法によっては、炎上する可能性もあるため、注意が必要です。
ネットショップ開業時にはターゲットを明確に決めよう
この記事では、ネットショップ運営でターゲットを決める重要性やペルソナとの違い、集客方法を解説しました。ターゲットが曖昧だと、ユーザーに刺さるECサイトを作成できません。
その結果、なかなかショップを認知してもらえず、売上も上がりません。ネットショップを開業する際には、ショップのコンセプトとターゲット、ペルソナをしっかりと設定し、ユーザーに覚えてもらえるサイトを構築しましょう。
自社ECサイトでネットショップを立ち上げるなら、MakeShopの利用がおすすめです。MakeShopはショッピングカートの流通総額で9年間、国内1位を維持しています。
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