ネットショップを運営していると想定以上に作業工数が多く、作業時間を確保できなかったり、本来取り組むべき作業が進まなかったりするいケースもあるでしょう。ネットショップの運営に必要な業務は多岐にわたるため、すべてを自分でおこなうのはあまりにも負担が大きいはずです。
そんな方におすすめなのが、ネットショップ運営代行。本記事では、具体的にどのような業務を代行できるのかをお伝えしたうえで、料金相場・おすすめ会社を解説します。
業務の負担軽減を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
編集者
JPholic株式会社 ECNOW 編集部
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30社を超えるECコンサルティング実績や自社ECの運営経験をもとに、
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ネットショップ運営代行とは?
ネットショップ運営代行とは、ネットショップの運営に関わる業務の一部または全部を代行するサービスのこと。
ネットショップの運営には、広告運用や在庫管理・顧客管理などさまざまな業務があり、それぞれで幅広い知識やスキルが求められます。また、業務の遂行には人材やコスト、手間がかかるため、場合によっては自社のリソースのみで補いきれないケースもあるでしょう。
こうした自社で補いきれない業務を、プロ水準で請け負うのがネットショップ運営代行なのです。この章では、ネットショップ運営代行をより深く理解するため、利用するメリット・デメリットを解説します。
ネットショップ運営代行を利用するメリット
ネットショップ運営代行を利用するメリットは、次の3つがあげられます。
- 社内リソースの最適化
- ネットショップの運営コスト削減
- 自社の弱点を補填
ネットショップの運営業務には、重要度の高い業務のみならず、商品の梱包作業や配送手続きなどの軽作業も含まれます。仮に全業務を自社で補う場合には、貴重な人材・時間などのリソースを軽作業にも割かなければなりません。
一方、重要度の低い業務をネットショップ運営代行に依頼した場合、人材・時間をよりクリエイティブな業務に配置できます。限られた社内リソースを最大限活用でき、業務の効率化・ネットショップの集客力・売上増加を実現できるでしょう。業務委託により、社内リソースを有効に活用できる点は、ネットショップ運営代行の大きな魅力です。
ネットショップに限らず企業のコストを増大させる要因のひと1つは、従業員の人件費です。たとえば、毎月の給料・保険料・教育費などさまざまなコストが生じます。
もちろん、ネットショップ運営代行にも費用はかかりますが、特定の業務を委託する場合には、従業員を雇用するよりもコストを抑えられます。委託業務や利用する代行会社を吟味する必要はありますが、ネットショップの運営コストを削減できる点もネットショップ運営代行のメリットといえます。
ネットショップの運営業務では、自社にとって得意な業務もあれば不得意な業務もあるでしょう。たとえば、商品の仕入れには自信があるものの、販売にネックを感じているなどです。
先述のとおり、ネットショップ運営代行は特定業務の委託も可能なため、自社の弱点を補う際にも利用可能。ネットショップ運営代行会社は、これまで培ってきたノウハウ・スキルを有するため、高いレベルの業務遂行が期待できます。比較的容易に自社の弱点を補填できるのは、ネットショップ運営代行ならではの魅力です。
ネットショップ運営代行を利用するデメリット
一方、ネットショップ運営代行の利用には、下記2つのデメリットが存在します。
- 業務のノウハウが自社に蓄積しない
- 自社運営に戻す際の引き継ぎが難しい
ネットショップ運営代行は、業務負担の軽減・弱点の補填に有効な反面、ノウハウが自社に蓄積しない点が大きなデメリットといえます。業務を自社でおこなう場合、従業員にノウハウが蓄積され、社内での共有が可能ですが、ネットショップ運営代行はあくまでも業務委託のため、ノウハウを共有してもらえない可能性が高いのです。
これに付随し、運営代行の利用から自社運営に戻す際の引き継ぎにも、デメリットがあります。それは、進行中の業務がどのような方針のもと進められているのか、今後どのように継続すれば良いのかなどの共有がなされないことで、従来の業務を引き継げない恐れがあることです。
自社にノウハウが蓄積していない場合には、再度イチから業務を構築し直す必要があるため、ネットショップ運営代行会社を選ぶ際は、情報共有やノウハウ蓄積の観点からも吟味する必要があります。
ネットショップ運営代行へ委託できる7つの業務内容
ネットショップ運営代行へは、具体的にどのような業務を委託できるのでしょうか。
本章では、ネットショップ運営代行へ委託できる主な業務を、7つ解説します。
- 全体戦略設計・コンサルティング
- ネットショップのサイト設計
- 商品撮影・登録業務
- 販売促進業務
- 物流管理・在庫管理
- カスタマーサポート
代行業者によって対応可能業務が異なるため、あくまでも参考程度にご覧ください。
1.全体戦略設計・コンサルティング
ひと1つ目の業務内容は、全体戦略設計・コンサルティングです。
数多のネットショップが乱立する昨今において、ネットショップ運営の成功には、戦略設計が欠かせません。ただ、戦略設計にはノウハウや現在の市場動向など専門的な知見が求められるため、難易度の高い業務といえます。
実績豊富なネットショップ運営代行会社は、戦略設計の知見やノウハウをが蓄積しているため、自社のネットショップに適した戦略を設計してくれるでしょう。また、集客方法や売上増加のノウハウや、ネットショップに関する法令・許可など、幅広いアドバイスも受けられます。
初めてネットショップを出店する方や、ショップ運営に不安を抱えている方に適した委託内容でしょう。
2.ネットショップのサイト設計
ネットショップのリニューアルやバナー作成など、ネットショップのサイト設計もネットショップ運営代行の仕事内容のひと1つ。ネットショップ運営代行会社は、デザイナーやエンジニアを抱えているケースが多く、訪問者の導線や利便性・集客性を考慮したサイトを設計してくれます。
また、自社に適したシステムの提案・実装や、ユーザビリティーを考慮した細かな機能まで実装してくれる点も魅力。料金は高くなりますが、フルデザインでの作成も可能なため、他社との大きな差別化ポイントとなるでしょう。
ネットショップのデザインを充実させたい方に適した代行業務です。
3.商品撮影・登録業務
ネットショップの商品画像や商品詳細は、購入に至るまでのコンバージョンを大きく左右する要素のひと1つ。現物を手に取って見られないネットショップでは、商品画像・商品詳細の重要度は極めて高いのです。
運営代行は、商品をどう見せたら魅力的に映るかや、ターゲットの属性にどのような写真が合うのかなどを吟味したうえで、画像を仕上げるため、ショップ全体の雰囲気がもより本格的なものになるでしょう。また、商品画像や商品詳細の作成は、比較的手間がかかる業務のため、工数削減の観点から見ても、大きなメリットといえます。
ネットショップのコンバージョン向上や、作業工数の削減を検討する方におすすめな委託内容です。
4.販売促進業務
ネットショップの売上を伸ばすために欠かせない販売促進業務。SNSの運用やメルマガ配信、コンテンツマーケティングなどさまざまな手段がありますが、いずれもノウハウ・スキルが求められます。また、広告などは直接顧客の目に触れる部分のため、場合によっては誤った企業イメージを植え付けたり、信用を損なってしまったりするう恐れがあります。
ネットショップ運営代行は、プロの目線から有効性の高い販売促進を実施してくれます。また、ショップの信用を損なわないよう安全面の配慮もしてくれるため、自社での推進が難しい場合には、ネットショップ運営代行へ委託するのも良いのではないでしょうか。
5.物流管理・在庫管理
注文受取り後のピッキング・梱包・配送までの物流管理や、仕入れと注文による商品の出入りを適切に管理する在庫管理も、ネットショップ運営代行への委託が可能です。
物流管理・在庫管理の作業自体は単純なものが多いですが、その分ヒューマンエラーが生じやすい業務でもあります。加えて、業務のミスが注文者へ直接影響を及ぼす恐れがあるため、慎重な作業が求められます。
ネットショップ運営代行サービスでは、システムを活用し、効率的な物流管理・在庫管理が可能。また、ネットショップのコストでネックになりがちな物流倉庫を、従量課金制で提供するサービスもあるため、代行サービスの利用により物流コスト削減を実現できるでしょう。
物流管理・在庫管理の工数削減や、物流倉庫のコスト削減を検討する方に適した委託内容です。
6.カスタマーサポート
注文者からの問合せに対応するカスタマーサポートも、ネットショップ運営代行へ委託できます。カスタマーサポートは、問合せへの対応に時間がかかるうえに、トラブルに発展する可能性があるため、慎重な対応が求められます。
カスタマーサポートの委託は、自社リソースの最適化・コスト削減につながります。また、人員を追加せずとも即座にカスタマーサポートを立ち上げられる点も魅力です。
一方、注文者の声が届きにくい点と、情報共有が滞りやすい点はデメリットといえます。カスタマーサポートをネットショップ運営代行へ委託する際には、事前に情報共有の体制について話し合うことが大切です。
カスタマーサポートの外注化による、自社リソースの最適化・コスト削減を検討している方に適した委託内容です。
ネットショップ運営代行の料金形態と費用相場
ネットショップ運営代行の料金形態は、主に下記3種類に分類されます。
- 月額制
- 成果報酬型
- 月額制+成果報酬型
それぞれの費用相場は、次のとおりです。
月額制 | 1〜10万円/月 |
成果報酬型 | 売上の5〜10%/月 |
月額制+成果報酬型 | 5〜10万円/月 |
月額制を採用するネットショップ運営代行では、初期費用が発生する場合があります。選定時に初期費用の有無を確認すると良いでしょう。
成果報酬型は、売上が出るまでネットショップ運営代行側も利益が得られないため、全面的にノウハウを提供してくれるケースが多いです少なくありません。ただし、代行会社への費用が売上の増加と比例して高くなる点には、注意が必要です。
月額制と成果報酬型の複合型では、パーセンテージ・固定費がそれぞれ安く設定されているケースが一般的。ただ、売上の有無にかかわらず費用が生じるため、その点はデメリットといえます。
利用するサービス・代行内容によっても費用は異なるため、気になる方は複数のネットショップ運営代行で見積もりをとると良いでしょう。
ネットショップ運営代行会社選びで失敗しないための3つのポイント
ネットショップ運営代行会社選びで失敗しなたいためには、下記4つのポイントが大切です。
- 自社が運営するネットショプの形態で選ぶ
- 自社でノウハウを蓄積するか、全面的に委託するか
- ネットショップ運営代行会社の得意分野を把握
それぞれ詳しく解説します。
1.自社が運営するネットショップの形態で選ぶ
ネットショップ運営代行会社を選ぶ際には、自社のネットショップがASP型ネットショップなのか、モール型ネットショップなのかで選ぶのがおすすめ。ASP型ネットショップは、集客を自社でおこなう必要があるため、マーケティング・広告出稿などの販売促進業務に力を入れる必要があります。
一方、モール型ネットショップで出店した場合は、他店との差別化が課題となるため、独自性・差別化に尽力する必要があります。つまり、自社が運営するネットショップの形態により、力を入れるべき業務・施策が異なるのです。
そのため、ネットショップ運営代行会社を選ぶ際には、自社が運営するネットショップの形態に適しているか否かを判断基準にすると良いでしょう。
2.自社でノウハウを蓄積するか、全面的に委託するか
先述したように、ネットショップ運営代行をの利用することでは、ノウハウが自社に蓄積しないデメリットがあります。そのため、ネットショップ運営代行を選定する際は、自社へのノウハウ蓄積が必要かどうかを検討しておくのがおすすめです。
仮に、ノウハウの蓄積を求める場合、委託する業務を絞り込む、もしくはセミナーなどのサポートを開催しているするネットショップ運営代行会社を選ぶ必要があります。
ネットショップ運営代行のデメリットであるノウハウの蓄積に着目し、運営代行会社を選定することで、デメリットを最小限に抑えられるため、ぜひ実践してください。
3.ネットショップ運営代行会社の得意分野を把握
たとえ、全業務を対象としている場合でも、ネットショップ運営代行会社によって、得意分野が異なります。アパレルを得意とする会社もあれば、食品が得意な会社もあります。また、物流管理を好条件で提供する会社もあれば、効果的な販売促進を手がける会社もあるはず。
このように、各ネットショップ運営代行会社には、それぞれが得意とする分野・業務があるため、自社が委託したい分野・業務を得意としているかどうかで選ぶのがおすすめです。
また、ネットショップ運営代行会社を選定する際には、複数の代行会社を比較・検討すると良いでしょう。明文しているサービス内容が同様でも、業務の対象範囲・サポートレベル・費用が異なるためです。
運営代行会社の選定に時間をかけることを億劫に感じるかもしれませんが、失敗しないためには非常に重要なことです。そのため、ネットショップ運営代行各社の得意分野・サービス内容を比較し、自社に適した運営代行会社を見つけてください。
総合支援型のおすすめなネットショップ運営代行会社3選
ネットショップ運営代行へ自社の業務を委託するわけですから、信頼できる会社選びが欠かせません。
この章では、運営代行の実績が豊富な会社を3つ紹介します。
- GMOメイクショップ株式会社
- 株式会社飛躍
- 株式会社arounds
ぜひ、ネットショップ運営代行会社選びの参考にしてください。
サービス1.GMOメイクショップ株式会社
GMOメイクショップ株式会社は、ASP型ネットショップのMake-Shopを提供する会社。多種多様な10,000店のノウハウやEC 専門チームにより、ネットショップ運営の業務全般を高い水準で代行してくれます。
また、かご落ち対策で購入率が2倍に向上したり、広告の出稿により売上が284%向上したりなど、華々しい実績を誇っています。(参照:EC運営代行 by GMO)GMOメイクショップ株式会社は、料金面・サービス面ともに定評がある会社なため、信用性の高い会社をお探しの方におすすめです。
サービス2.株式会社飛躍
株式会社 飛躍は、越境ネットショップを得意とするネットショップ運営代行会社。Shopifyとパートナーシップを結んでおり、Shopifyを使ったネットショップの作成・運用・多言語越境ECまで幅広いサービスを提供しています。
また、多言語越境ECに限っても100を超える実績があるなど、信頼できる会社ではないでしょうか。海外への販路拡大を目指す方におすすめな、ネットショップ運営代行会社です。
サービス3.株式会社arounds
株式会社aroundsは、自社ブランドもおこなうネットショップ運営代行会社。取引社数は500社を超え、自社ブランドで培った実践的なノウハウを提供しています。
施策立案・設計・実装・改善・効果検証を繰り返し、自社に適した売上戦略を提案・確立してくれます。他社と被らない独自性の高いネットショップ・仕組みを目指す方におすすめです。
要点を絞り、自社に適したネットショップ運営代行会社の利用を!
今回は、ネットショップ運営代行について解説しました。ネットショップ運営代行とは、ネットショップの運営に関わる業務の一部または全部を代行するサービスのことで、次のようなメリットがあります。
- 社内リソースの最適化
- ネットショップの運営コスト削減
- 自社の弱点を補填
一方、業務のノウハウが蓄積しない・自社運営へ戻す際の引き継ぎが難しいなどのデメリットもあります。ネットショップ運営代行を利用する際には委託する業務を絞り、デメリットを最小限に抑えると良いでしょう。