「アパレルECって何？」「アパレルECを運営しようと考えていて、コツが知りたい！」といった悩みを抱える人も多いでしょう。アパレル業界全体では市場規模が低迷しているものの、アパレルECにおいては年々盛り上がりを見せているため、注目すべき分野だといえます。
今回は、アパレルECの基本的な情報から、アパレルECを成功させるコツ、事例などについて詳しく解説していきます。
アパレルECとは
アパレルECとは、インターネット上で洋服や雑貨などのアパレル商品を販売できるものです。
アパレルECは実店舗を構えずに、インターネット上だけでビジネスをおこなうのが特徴です。コツを掴めば、経費を抑えながら売上を向上させることができます。
お客様にとっては、わざわざ店舗に行かなくても自分の好きな商品を手に入れられるのがメリットです。
また、地方に住んでいて、近くにメーカーやブランドの店舗がない人もターゲットにできるため、売上向上に期待ができます。そのため、近年アパレルECを運営する人が増えてきています。
アパレルECの種類
アパレルECは、大きく分けて以下3つに分類されます。
- メーカーやブランド直販
- モール系
- 個人経営
それぞれの特徴について詳しく解説していきます。
メーカーやブランド直販
メーカーやブランド直販のECサイトは、主にユニクロやGU、アディダスなどが挙げられます。
特にメーカーやブランド直販においては、実際の店舗とECサイトを利用した顧客の情報をもとに、総合的に顧客へアプローチする「オムニチャネル化」が進んでいます。
モール系
モール系は、代表的なものでAmazonや楽天市場などがあります。アパレルに特化したものでいうと、ZOZOTOWNなどがモール系のECサイトになります。
モール系の場合は、特定のブランドに執着するのではなく「気になったものを買う」ユーザーが多いため、ブランドの認知度が低い商品でも、品質や価格次第では、お客様に購入してもらえるチャンスが高いです。
ただしモール型ECサイトには、ほかの有名ブランドの商品がたくさん立ち並んでいるため、ブランドの個性を出したり、価格を相場以上の価格で提供したりしても、売れない可能性があります。
つまり、価格競争に巻き込まれやすくなるということです。
個人経営
個人経営とは、その名前の通りチェーン展開などをしておらず、個人でブランドを運営するアパレルECです。最近では実店舗を構えずに、ECだけで事業をおこなうD2Cブランド（Direct to Consumer：自社製品を直接消費者に販売するビジネスモデル）も増えています。
D2Cのビジネスモデルは、実店舗の維持費や家賃などがかからないため、費用を抑えながら運営できるほか、SNSとの親和性が高いのが特徴です。
特に、最近ではインフルエンサーに宣伝してもらい、ブランドや商品の認知度を高め、事業を成功に導いているECサイトも多いです。
アパレルECの市場規模
EC業界のなかでも、アパレルECは特に市場規模が大きく、近年注目されている業界のひとつです。
令和２年度産業経済研究委託事業（電子商取引に関する市場調査）によれば、アパレルECの市場規模は2020年度の物販系分野のアパレルECの市場規模は2兆2,203億円で、前年比伸び率が19.44％と、大きく拡大していることが分かります。
2022年の今でもアパレルECの市場規模は右肩上がりになっており、コロナ過の2021年〜2022年にかけても5％以上上昇しています。
近年販売の主戦場が実店舗から EC に移行する大局の流れが見られていたところ、新型 コロナウイルス感染症拡大の状況下でその流れが加速した感がある。大手 EC プラットフ ォームの集客力によって販売額が伸長している点に加え、ブランドの世界観が重視されや すいアパレル業界は DtoC との相性が良いことから、DtoC による売上伸長をねらう企業も 多い。このことから、EC への移行は今後も進むものと想定される。
参照：「令和２年度産業経済研究委託事業（電子商取引に関する市場調査）」
とはいえ、すべてのアパレルECが成功しているわけではありません。実際にお客様がECサイト上でお買い物をする際は、衣服や靴のサイズ感がわかりづらいため、直接購入にまで至らないことが多いのです。アパレル分野においては、「ECサイトよりも実店舗で購入する方が安心」と考えるお客様も多いのが実情です。
そのようなデメリットを解消するためにも、アウター・シャツ・パンツ・スカートといったカテゴリー毎に商品を区画整理して視認性を高め、売れ筋・価格比較・カラーバリエーション・在庫の有無を即時に把握できるよう、ユーザビリティを意識してサイト作りをする必要があります。
アパレルECのメリット
続いて、アパレルECのメリットを紹介していきます。
- 商圏が広がる
- 実店舗と比べて人件費が削減できる
- 24時間365日集客できる
それでは、それぞれ解説していきます。
商圏が広がる
アパレルECをはじめることで、商圏が広がるというメリットがあります。実店舗とは異なり、アパレルECは場所的制約がありません。
お客様は自宅にいながら自分の好きなタイミングで商品を購入することができるため、「店舗が遠くて買いに行けない」という方もターゲットにできます。
また、アパレルECにて外国語対応をすれば、日本人だけでなく商圏を海外に広げることも可能です。
実店舗と比べて人件費が削減できる
アパレルECは、実店舗とは異なり、ショップ店員が必要ありません。もちろん、アパレルECを運営する人材は必要になりますが、それでも店舗に配置する人員と比べると、人件費を削減することができます。
人件費の削減ができれば、利益体質の強化ができ、より企業の売上向上につなげることが可能です。
24時間365日集客できる
アパレルECは実店舗のように営業時間の縛りが一切ないため、24時間365日いつでも集客できるというメリットがあります。
早朝や夜中、年末年始を問わずいつでも商品が購入できるということは、運営側だけでなく、お客様にとっても大きなメリットがあります。
アパレルECのデメリット
続いて、アパレルECのデメリットを紹介していきます。
- サイズや色味を伝えにくい
- 対話でのコーディネートができない
- 簡単に集客できるとは限らない
それでは、それぞれ解説していきます。
サイズや色味を伝えにくい
アパレルECでは、実物を手に取って購入することができません。
そのためECサイトで商品を購入しても、実際に手元に届いてから、サイズや色味が合わなかったという場合もあります。このようなミスマッチが続くと、お客様がそのブランドに対してネガティブなイメージをもってしまい、リピートにつながらなくなることもあります。
対話でのコーディネートができない
ECサイトには実店舗と違いショップ店員が必要ないことはメリットで述べたとおりです。
反面、店員に服を選んでほしいと思っているお客様のニーズには応えることができません。
もし、お客様のコーディネートを強みとしているアパレルショップの場合、ECサイトではその強みを発揮することができないことを覚えておくべきでしょう。
簡単に集客できるとは限らない
アパレルEC業界は、近年急激に成長しているビジネスモデルのひとつではありますが、ECサイトを運営したからといって、必ず成功できるわけではありません。
たとえばブランドの認知度が低ければ、TwitterやInstagramといったSNSのアカウントを立ち上げて、イチからフォロワーを増やさなければなりません。また、広告を出稿するのには費用がかかる上、そこから商品の購入率を高めるためにさまざまな改善施策を打ち出す必要があります。
アパレルECにおいては、「よい商品でありさえすれば売上が伸びる」といった単純な考えを捨てることが重要です。まずは、お客様に商品を認知してもらうことが大切であるという認識を持ちましょう。
アパレルECを成功させるコツ
ここでは、アパレルECを成功させるコツを紹介します。
- SNSを有効活用する
- リスティング広告やGoogleショッピング広告を活用する
- メルマガでキャンペーンや割引情報を告知する
それでは、それぞれ詳しく解説していきます。
SNSを有効活用する
アパレルECを成功させるためには、SNSを有効活用することが重要なポイントです。現在、InstagramやTwitterなどのSNSを利用しているユーザーが多く、実際にウェブ上ではなくSNSアプリで検索をかけて調べる人が増えています。
引用：「VRDigresst」
実際に画像のデータを見てみると、およそ8割の人がTwitterやInstagramなどのSNSで検索をかけていることがわかります。
インターネット検索であれば、GoogleやYahoo!といったサービスを思い浮かべる人も多いと思いますが、現代では検索行動の中心にあるのはSNSです。
そのため、アパレルECを成功させるためには、SNSを上手く活用することがひとつのポイントとなるでしょう。
また、SNSはただブランドの認知度を高めるだけでなく、直接ユーザーとコミュニケーションをとったり、キャンペーンや割引情報の告知として有効活用したりすることができます。
SNS活用の成功事例について、以下の記事にて詳しく解説していますので参考にしてください。
リスティング広告やGoogleショッピング広告を活用する
アパレルECを成功させるためには、リスティング広告を活用することも大切です。
リスティング広告を利用すれば、SEO対策などをする必要もなく、ユーザーが検索をかけるキーワードによって自動的にウェブサイトに表示させることができます。
ウェブ上に広告を出すことによって、キーワードに関係するウェブサイトを閲覧するユーザーを獲得することができ、より多くの集客が期待できるようになるでしょう。
ただし、リスティング広告は費用がかかってしまうため、広告を出すタイミングや予算などをあらかじめ決めておくことが大切です。
Googleショッピング広告は検索結果に掲載される広告で、特定の商品画像や価格帯、在庫情報などの詳細情報が表示できます。活用すれば、ターゲット顧客に自然にアプローチができ、商品の購買意欲を高めることも可能です。
また、Google商品カテゴリや商品画像のリンクを活用すると、よりお客様が欲しい商品にたどり着きやすくなるという特徴もあります。
メルマガでキャンペーンや割引情報を告知する
アパレルECを成功させるためには、メルマガでキャンペーンや割引情報を告知することも大切です。
また、最近では公式のLINEアカウントを作っているブランドも多くなってきました。ユーザーにアカウントを登録してもらうことで、LINEのトークのようにプッシュ通知で割引キャンペーンや割引情報などを告知して、お客様の購買意欲を高めることもできます。
下記にて、ネットショップの売上を向上させるメルマガの書き方について詳しく解説していますので、参考にしてください。
ネットショップの売上を向上させるメルマガの書き方とは？手順やポイントを徹底解説
アパレルECの成功事例
ここからは、アパレルECの成功事例をいくつか紹介していきます。
ユニクロ
アパレル大手のユニクロでは、自社の強みを活かして、「MySize ASSIST」というサイズアシスト機能を公式オンラインストアで導入し、実際に店舗を訪れなくてもサイズ感がわかるように工夫しています。
身長や体重、着心地などの簡単な質問に回答していくだけで、自分に合うサイズが簡単に分かります。ほかにも、ECサイト上で注文し、近くの店舗などで購入した商品を受け取ることができる仕組みを利用し、ECサイトだけでなく、実店舗へも足を運んでもらいやすい工夫をしています。
このように、上手くECサイトを活用することで、現在ある実店舗と融合させてお客様の利便性を高めています。
ZOZOTOWN
ZOZOTOWNは、人気のブランドアイテムを中心に取り扱うファッション通販サイトです。
ZOZOTOWNは、お客様が気になる商品をカートに入れたら、そこから購入までのアクションが短くなるように工夫しています。
商品をクリックして、好きなサイズや色味の商品をクリックするだけで簡単にカートに入れることができる、スムーズな購買導線を採用しています。結果として、買い物中の離脱の抑制につながっています。
ブラデリスニューヨーク
ゴールドフラッグ株式会社が運営する「ブラデリスニューヨーク」のファッション通販サイトでは、コロナ過で売上が落ちているなか、オンライン接客を取り組むことで、ECの売上を伸ばすことに成功しています。
実際に月に2回ほどインスタライブで商品のフィッティングサービスを行うことで、2020年の売上高は前年比145％に伸ばすことに成功しています。インスタライブでは、実際に商品を試着し、サイズ感やフィット感をユーザーに感じて貰いやすくすることで、視聴者の購買意欲を高めています。
また、インスタライブはユーザーのコメントなども表示されるため、ユーザーの悩みや相談をその場で解消でき、コメントに回答するだけでもとても感謝されているそうです。
実際にインスタライブだけで売上げを伸ばしたいと考えているだけではないようですが、インスタライブを見て店舗を訪れたお客様もいることから、結果的にアパレルECを成功させているよい事例です。
アパレルEC運用ならMakeShopがおすすめ！
この記事では、アパレルECの概要や市場規模、成功事例などについて解説いたしました。実店舗とは違い、「サイズや色味がわかりづらい」点が最大のデメリットなので、サイト設計を工夫して、いかにお客様の不安を解消していくかが成功の可否を分けるポイントとなります。
もし、アパレルECの運用をご検討中でしたら、ASPショッピングカート「MakeShop」の利用がおすすめです。MakeShopは2021年、最もショップ様が売れたネットショップ・ECサイト構築サービスです。
月額利用料金は、3.14％〜利用でき、オリジナルのデザイン表現をすべて0円で細かく設定できます。また、料金は月額11,000円（税込）と比較的利用しやすい価格が特徴です。
MakeShopを導入したアパレル会社でいうと、以下のような導入実績があります。
- Lafayette ラファイエット
- フジトウ商事株式会社
- アイメガネオムニサイト アイジャパン株式会社
- Veritecoeur 株式会社エムティー・ルーツ
実際に導入している企業の感想を見てみると、「マニュアルがわかりやすくて簡単」「SKU単位での商品管理ができて便利」という声があるなど、満足している人が多いようです。
MakeShopはマニュアルが完備されているだけではなく、オンラインサポートやショップ構築設定、ショップ運営のアドバイスなどのサポートも充実しているため、おすすめです。
