近年さかんにCMが放送され注目を集めるBASEやSTORESなど無料のネットショップを検討している方も多いはず。しかし、本当に無料ネットショップでよいのか、また、どのサービスを使えばよいのかなどの疑問をお持ちではないでしょうか。
この記事では、無料ネットショップサービスの特徴と、おすすめサービスを詳しく解説します。
本記事の内容を参考にすることで、低コストでネットショップ出店を実現できるでしょう。
編集者
JPholic株式会社 ECNOW 編集部
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無料のネットショップ作成サービスとは?
ネットショップの作成サービスにはさまざまな種類がありますが、中には無料で出店できるサービスも存在します。この、無料でネットショップを出店できるサービスのことを、無料ネットショップと呼びます。
一般的には、ネットショップを出店・運用するにあたり、初期費用や月額費用が発生します。しかし、無料ネットショップではこうした固定費が無料のため、負担なくショップ運営を開始できます。
また、ショップが軌道に乗るまでの間に固定費を支払う必要がないため、手元資金が限られている方や、ネットショップを初めて運営する方にとって、参入しやすいサービスなのです。
無料ネットショップは完全無料な訳ではない
一見、無料ネットショップは非常に良心的なサービスにも思いますが、費用がまったく掛からないわけではありません。無料というのはあくまでも、初期費用や月額費などの固定費が無料であり、商品が売れた際には、販売手数料や決済手数料が生じます。
無料ネットショップをたとえるなら、フリマアプリのメルカリのようなイメージ。メルカリも、商品が売れるたびに販売手数料10%が引かれるため、仕組みとしては同様です。
無料ネットショップのメリット・デメリット
無料ネットショップはメリットばかりにも思いますが、実はデメリットも存在します。無料ネットショップの特徴をさらに深掘りするため、この章では、メリット・デメリットを解説します。
無料ネットショップ3つのメリット
無料ネットショップサービスで出店するメリットは、下記の3つです。
- 固定費を抑えられる
- テストマーケティングにも使える
- アプリで手軽に始められる
1つ目のメリットは、先ほど解説した、固定費を抑えられること。ネットショップに限らず、ショップ運営で収益化を図るには、固定費の削減が重要です。固定費が安ければ損益分岐点を下げることができ、結果的に収益を上げやすくなるためです。
また、ネットショップは現実の店舗とは異なり、集客までに時間がかかる傾向があります。固定費がかかるサービスでは、売上の有無にかかわらず費用が発生するため、軌道に乗るまで赤字が続き、資金繰りを圧迫する恐れがあります。
その点、無料ネットショップでは固定費が掛からないため、手元資金が少ない場合でもはじめやすいのです。
2つ目のメリットは、テストマーケティングに使用できること。先ほどの内容に付随しますが、固定費が掛からないため、試験的にネットショップを出店する方にも適しています。
仮に収益化できない場合でも、コストは、費やした時間と仕入れた商品のみに留められます。したがって、ネットショップ出店時のリスクを最小限に抑えられる点は、大きなメリットです。
3つ目のメリットは、アプリで手軽に始められること。多くの無料ネットショップサービスでは、スマホアプリから出店作業ができ、数分程度で出店を完了できるケースもあります。
誰もが手軽にショップを出店できる点は、無料ネットショップならではの魅力といえます。
無料ネットショップの3つのデメリット
対して、無料ネットショップサービスには、下記3つのデメリットがあります。
- ショップの独自性を出しにくい
- 集客力が弱い
- 運用コストが割高
1つ目のデメリットは、ショップの独自性を出しにくいこと。インターネット上には、さまざまなネットショップが存在しており、その中で勝ち上がるには他店との差別化が重要です。
しかし、無料ネットショップでは、デザインの自由度が低いケースや、機能の拡張性に制限があるなど、独自性を出しにくいのです。場合によっては、類似サービスを販売する他店と似てしまう恐れもあるため、その点には注意が必要です。
2つ目のデメリットは、集客力が弱いこと。無料のネットショップサービスには、独自ドメインを取得できないものや集客サポートがないものがあります。
無料のネットショップサービスではイチから集客しなければならないため、SNS運用やSEOの知見がない初心者の方が収益化を果たすには、ハードルが高いのです。
3つ目のデメリットは、運用コストが割高であること。無料ネットショップは、初期費用・月額費などの固定費が無料である一方で、販売手数料や決済手数料、オプション料金などが高めに設定されている傾向があります。
そのため、メリットで解説したように、テストマーケティングには適していますが、売上の上昇と比例して、運用コストが足かせになる恐れがあります。
無料ネットショップと有料ネットショップの違い
無料ネットショップと有料ネットショップでは、どのような違いがあるのでしょうか。双方の主な違いを、下記の表にまとめました。
無料ネットショップ | 有料ネットショップ | |
固定費 | ◯無料 | ×数千円〜数万円 |
販売手数料 | ×3%〜(別料金の発生) | ◯0~3% |
容量の制限 | ×制限あり・制限が多い | ◯無制限・制限が少ない |
デザインテンプレート数 | ×約10種類 | ◯100種類以上 |
カスタマイズ性・拡張性 | ×低い | ◯高い |
集客力 | ×低い | ▲やや高い |
独自ドメインの使用可否 | ▲不可が多い | ◯取得可能 |
無料ネットショップと有料ネットショップをあえて棲み分けるならば、下記の通りです。
- 無料ネットショップ:個人〜小規模事業者向け
- 有料ネットショップ:小規模事業者向け〜中小企業
無料ネットショップは固定費が掛からず、手軽にはじめられるため、個人や小規模事業者に適しています。損失などのリスクを最小限にとどめ、収益化を目指すケースが一般的です。
さらに、無料ネットショップを試験的に使い、売上の上昇にあわせて有料ネットショップへ移行することも可能です。
対して、有料ネットショップは、小規模事業者以上が適しています。こちらは、固定費がかかるため、軌道に乗るまでの損失をカバーできる資金力が求められますが、販売手数料が低めに設定されているため、売上の上昇により利益率を高められるでしょう。
また、有料ネットショップであれば、規模拡大に伴う機能の拡充も容易なため、長期的な運用を検討する方に適しています。
無料のネットショップ作成サービス3つを徹底比較
おすすめな無料のネットショップ作成サービスは、下記の3つです。
- BASE
- STORES
- Yahoo!ショッピング
この章では、上記3サービスの特徴と料金体系について、詳しく解説します。
BASE | STORES | Yahoo!ショッピング | |
商品登録数 | 無制限 | 無制限 | 記載なし |
容量 | 記載なし | 記載なし | 記載なし |
デザインテンプレート | 11種類 | 48種類 | あり(種類不明) |
集客機能 | ◯ | ◯ | ◯ |
分析機能 | ◯ | ◯ | ◯ |
メール配信機能 | ◯ | ◯ | ◯ |
銀行振込代金引換コンビニ決済後払い決済クレジットカード決済 | ▲代金引換不可 | ▲代金引換不可 | ◯ |
PayPay | ◯ | × | ◯ |
AmazonPay | ◯ | × | × |
楽天ペイ | × | ◯ | × |
LINE Pay | × | × | ◯ |
キャリア決済 | ◯ | ◯ | ◯ |
サービス1.BASE
無料ネットショップ作成サービス最大手のBASE。テレビのCMでもお馴染みのため、ご存知の方が多いのではないでしょうか。
BASEには、下記3つの特徴があります。
- 初心者向けのサービス
- HTMLを使ったカスタマイズが可能
- Instagram連携による集客が可能
BASEは、スマホアプリから手軽にショップ出店ができる初心者向けのサービス。操作画面がシンプルなため、直感的に操作できます。デザインのテンプレートもあるため、専門知識がない方でも思い通りのショップを短時間で開設できます。
また、細部にまでこだわりたい場合には、HTMLを編集しカスタマイズが可能。比較的自由にカスタマイズできるため、ほかのショップとの差別化を図れます。
ネットショップ運営でネックになりがちな集客ですが、連携したInstagramからの流入が見込めます。また、Instagramへ広告を出稿することで、さらなる集客が見込めるのが特徴です。
BASEの料金体系は、次の通り。
システム利用料 | 3%/商品 |
決済方法 | クレジットカード銀行振込後払いコンビニ支払いキャリア決済PayPal決済Amazon Payスマホ決済 |
決済手数料 | 一律3.6%+40円 |
商品販売時にかかる費用は、1商品につきシステム利用料(3%)+決済手数料(3.6%+40円)の6.6%+40円。仮に1,000円の商品を100個販売した場合には、1,000円×6.6%+40円=106円×100個の10,600円が手数料として引かれます。
手数料がやや割高ですが、その分初期費用・月額費が無料のため、まずは小さくはじめたい方におすすめです。
サービス2.STORES
STORESもBASEと同様、テレビCMでお馴染みの大手無料ネットショップ作成サービスです。有料プランも用意されているため、売上に合わせて機能の拡充が可能です。
STORESの特徴は次の3つ。
- 豊富な機能を搭載
- 独自性の高いショップを作成可能
- リーズナブルな料金体系
多くの無料ネットショップでは、利用できるサービスが限定的であるのに対し、STORESは、無料ネットショップでありながら機能が非常に充実しています。たとえば、顧客管理機能や倉庫サービス、note・Instagram連携などです。
集客や運用効率など、ネットショップ運営に欠かせない多くの機能を内包しているため、ネットショップ初心者の方のみならず、中・上級者の方にも適しています。また、使用できるデザインテンプレートは、48種類とBASEのおよそ4倍。デザインに自信がない方でも、人目を引くおしゃれなショップを作成できます。
STORESの特徴の中で最も注目すべき点は、リーズナブルな料金体系です。
システム利用料 | 無料 |
決済方法 | クレジットカード銀行振込後払いコンビニ支払いキャリア決済PayPal決済楽天ペイ |
決済手数料 | 5% |
取引に際してかかる費用は、決済手数料の5%のみ。もちろん初期費用・月額費も無料なため、負担なく利用できるサービスでしょう。
また、決済方法や品番管理機能、配送日時指定機能などに対応した有料プランも用意されています。
システム利用料 | 2,178/月 |
決済方法 | クレジットカード銀行振込後払いコンビニ支払いキャリア決済PayPal決済楽天ペイ代金引換Amazon Pay決済手段カスタマイズ |
決済手数料 | 3.6% |
月額費用が追加される代わりに、決済手数料が安くなるというもの。さらに、使用できる機能も増えるため、売上に合わせてプラン移行をしても良いでしょう。
サービス3.Yahoo!ショッピング
Yahoo!ショッピングが無料ネットショップと聞いて、驚いた方も多いはず。しかし、Yahoo!ショッピングも初期費用・月額費用が無料なため、れっきとした無料ネットショップなのです。ただ、先ほど紹介したBASEやSTORESとは異なり、モール型ネットショップに分類されます。
Yahoo!ショッピングの特徴は、下記の3つです。
- モール型ならではの集客力
- 豊富な機能
- サポート面の充実
Yahoo!ショッピングは、LINEやSoftBank、Yahoo!JAPANと連携しており、国内有数の顧客基盤を有しています。したがって、連携サービスからさまざまな属性のユーザーが訪れるため、ショップのターゲット層も捉えられるでしょう。
Yahoo!ショッピングでは、任意で変更できるポイント制度やクーポン、統計・分析ツールなど豊富な機能を利用できます。取扱商品が増えた場合でも、CSVによる一括管理ができるなど、店舗の成長にも柔軟に対応できます。
ショップ運営をおこなう中で困りごとが生じた場合、電話での無料サポートを受けられる点も魅力です。特に、初めての出店では疑問点が生じやすいため、安心して利用できるのではないでしょうか。
システム利用料(売上ロイヤルティ) | 無料 |
決済手数料 | PayPay残高払い:決済金額の3.0%クレジットカード決済:決済金額の3.24%ゆっくり払い:決済金額の3.24%モバイル支払い:決済金額の4.48%コンビニ決済:150円/件~300円/件銀行振込決済:150円/件 |
Yahoo!ショッピングの料金体系では、販売手数料(売上ロイヤルティ)が無料。その代わり、ポイント制度への原資負担・アフィリエイト手数料などが生じます。
ストアポイント原資負担 | 1%~15%(現在1%は必須になります) |
キャンペーン原資負担 | 1.5%は必須になります |
アフィリエイトパートナー報酬原資 | 1%~50%(1%は必須) |
アフィリエイト手数料 | アフィリエイトパートナー報酬原資の30% |
入金サイクル手数料 | 無料(月2回以上を選択で発生) |
決済サービス個別手数料 | 各種決済サービス手数料による |
決済サービス基本手数料 | 無料 |
トータルコストで見ると、BASEやSTORESよりも高額になりがちですが、その点、高い集客力を持ち合わせているため、広告費などを考慮すると同程度でしょう。
無料のネットショップ作成サービスを利用する際の注意点
無料のネットショップ作成サービスを利用する際には、下記の3点に注意が必要です。
- サービス独自のルールがある
- 売上によっては有料サービスのほうが低コスト
- ショップの乗り換えに苦労する
それぞれについて、詳しく解説します。
注意1.サービス独自のルールがある
1つ目の注意点は、サービス独自のルールが設けられていること。インターネット上で物品を販売する以上、当然法律を守らなければなりません。
しかし、無料ネットサービスの中には、法律に加えて独自の規約を定めているケースが見られます。たとえば、BASEでは情報商材やサービスなど、無形商品の販売を禁止しています。
また、法令違反に該当しない場合でも、運営会社が不適切と判断した場合には、販売不可に分類されるなど、取扱商品によっては注意が必要です。
有料のネットショップサービスでも、独自ルールを設けているケースがあるため、利用前には規約の確認を徹底しましょう。
注意2.売上によっては有料サービスの方が低コスト
2つ目の注意点は、売上によっては有料サービスのほうが低コストになる点です。先述の通り、無料ネットショップは固定費が無料であり、販売手数料や決済手数料が有料サービスよりも高めに設定されているケースが少なくありません。
したがって、売上が増加するにつれ、有料サービスのコストのほうが安くなる恐れがあります。たとえば、初期費用が無料で販売手数料10%のサービスと、初期費用が5,000円で販売手数料5%のサービスがあった場合、売上10万円が分岐点です。
低コストなショップ運営を目指す場合には、目先の費用のみならず長期的な費用を考慮すると良いでしょう。
注意3.ショップの乗り換えに苦労する
3つ目の注意点は、ショップの乗り換えに手間がかかること。ネットショップを運営する中で、機能を拡張したい・有料ネットショップへ移行したいと考えるかもしれません。
しかし、無料ネットショップは拡張性が低く、機能を追加できないケースがほとんどです。また、有料サービスへの乗り換えとなると、時間的・金銭的コストがかかる上に、規模によっては膨大な労力がかかります。
したがって、いずれショップの規模を拡大したい方には、はじめから有料ネットショップサービスを検討することをおすすめします。
メリット・デメリットを踏まえ、利用サービスを選定しよう
本記事では、無料ネットショップサービスの特徴と、おすすめサービスを詳しく解説しました。
無料ネットショップサービスは、共通して次のような特徴があります。
メリット | デメリット |
固定費を抑えられる テストマーケティングにも使える アプリで手軽にはじめられる | ショップの独自性を出しにくい 集客力が弱い 運用コストが割高 |
なかでも初期投資を抑えてテストマーケティングできるという点が、無料ネットショップのポイントです。
一方、いずれショップの規模を拡大したい方には、有料のネットショップサービスをおすすめします。ショップの移行にはコストや労力がかかるためです。
特に、ネットショップ作成サービスの中で、流通金額9年連続1位を獲得する「MakeShop」がおすすめです。MakeShopには下記2つのプランが用意されており、必要に応じてプランを移行し、機能を拡充することが可能です。
初期費用 | プレミアム:11,000円(長期の場合30%off)エンタープライズ:55,000円 |
月額費用 | プレミアム:11,000円エンタープライズ:55,000円 |
システム利用料(販売手数料) | プレミアム:0円エンタープライズ:0円 |
決済手数料 | Amazon Pay:3.9%(3,300円/月)PayPay:3.45%(2,900円/月)楽天Pay:4.0%(2,200円/月)LINE Pay:3.45%(なし)ペイディ:3.5%(なし)後払い決済:2.7~4.7%(〜49,500円/月) |
レイアウトの詳細なカスタマイズができる上に、170種類以上のデザインテンプレートも用意されているため、独自性の高い自分だけのショップを作成できます。サービスの詳細について、一度ご確認してみてはいかがでしょうか。