ネットショップを出店したものの、初めての商品仕入れに戸惑う方も多いはず。
例えば、下記のようなお悩みはありませんか?
- どのような方法で仕入れるのが最適か
- ドロップシッピング(無在庫)の方が良いのではないか
- どのような手順で仕入れれば良いのか
- どこで仕入れるのが良いのか
商品の仕入れ作業は、ネットショップでの収益化における重要ポイントです。需要があり価格差のある商品を仕入れられるかで、ショップの売上が大きく左右されます。
本記事では、ネットショップ初心者の方でも実践しやすい5つの仕入れ方法を解説します。基本的な仕入れ手順・仕入れを成功させるためのポイントと併せてご覧ください。
編集者
JPholic株式会社 ECNOW 編集部
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【基本】ネットショップの仕入れ手順
ネットショップの仕入れに失敗すると商品が売れなかったり、大量の在庫を抱えたりするリスクがあります。こうしたリスクを避けるためにも、ネットショップの仕入れ手順を十分に理解しておく必要があります。
この章では、最も基本となるネットショップの仕入れ手順を、下記4ステップに分類して解説します。
- 取り扱う商品ジャンルの選定
- 商品ごとに競合性・需要・販売額をリサーチ
- 仕入れ先の選定
- 商品を仕入れる
まずは基本の仕入れを実践し、少しずつ自分なりのアレンジを加えると良いでしょう。
ステップ1.取り扱う商品ジャンルの選定
ネットショップの仕入れにおいて最初にやるべきことは、自分が取り扱う商品ジャンルを選定することです。インターネットや実店舗で情報を収集し、大まかな取り扱いジャンルを決めます。
なぜ、取り扱いジャンルを決めるのかというと、次の理由があげられます。
- ネットショップの方向性・ブランディング・ターゲティングを定めるため。
- 効率的な仕入れ作業を実現するため。
仮に、ネットショップで取り扱う商品が化粧品・スマホガジェット・トレーニンググッズなどつながりのないジャンルだとします。この場合、顧客ターゲットがそれぞれに分散されるため、ブランディング・マーケティングの観点から見ると、非常に非効率的なのです。
一方、スマホガジェット専門店やトレーニンググッズ専門店であれば、ショップの特色を発揮しやすい上に、ターゲットに効果的な広告を出稿できるため、ブランディング・ターゲティングにつながります。仮に高い集客力を有する場合にはジャンルを分散させても良いでしょうが、まずはニッチなターゲットに絞り、ジャンルを選定するのがおすすめです。
また、取り扱いジャンルを決めることで、商品に関する知識や相場感を効率的に身につけられます。中でも、自分が興味関心を持てるジャンルが良いでしょう。
興味のあるジャンルは商品知識の吸収が早く、高いモチベーションでのショップ運営につながるためです。興味のあるジャンルとそうでないとでは、商品説明文や商品写真にも違いが現れ、結果的にショップ全体のクオリティを左右します。
最初にネットショップで取り扱うジャンルを選定しておくのは、いわば成功への近道といえます。
ステップ2.商品ごとに競合性・需要・販売額をリサーチ
次におこなうのは、商品の徹底的なリサーチです。リサーチで収集したデータをもとに、仕入れる商品を決めるため、より詳細なデータ集めがポイントです。
具体的なリサーチ内容は次の4つ。
- 商品の需要
- 販売価格の相場
- 商品の回転率
- 競合数
ネットショップの仕入れでは、利益が出る商品を仕入れるのが大前提。そのため、需要や販売価格は必ず調べておきましょう。
また、より効率的に売上を上げるためには、商品の回転率も重要です。どのくらいの頻度でいくつ売れているのかを調べましょう。
ついリサーチを忘れがちなのが、競合の数。競合の数とは、その商品を取り扱うショップがどれほどあるのかというもの。
仮に利益が出る商品でも、競合するネットショップが多い場合には、価格競争や値崩れを引き起こす恐れがあります。
一般的に利益率の高い商品は、ほかのネットショップも狙っている可能性が高いため、デザインが似ている別の商品や同じ機能を搭載した別の商品など、関連商品を探してみるのも良いでしょう。
ステップ3.仕入れ先の選定
商品選定・販売状況のリサーチを終えたあとは、仕入れ先を選定します。第一に検討すべき仕入れ先は、商品を格安で仕入れられる製造元・販売会社。理由は、中間マージンが引かれていない卸価格での仕入れが可能なためです。
製造元・販売会社の社名・問い合わせ先は、商品パッケージ裏に記載されいるため、まずは連絡をとり、卸価格での取引可否・取引条件などを確認しましょう。万が一、取引を断られた場合は、ほかの仕入れ先を検討しましょう。
仕入れ先の選定では、リサーチ内容を参考に、相場との価格差を重視するのが自然です。ただ、継続的な仕入れを想定している場合には、価格差に加え下記のポイントを総合的に判断しましょう。
- 仕入れ可能な商品数
- 供給の安定性
- 商品の納期
- 仕入れ時の支払い方法
- 商品の品質
仮に仕入れ価格が安い場合でも、粗悪品が多い・仕入れ量が限られているなどのケースがあります。仕入れ先選びで失敗しないためにも、上記のポイントを総合的に判断するのが大切です。
ステップ4.商品を仕入れる
十分な利益が出そうな商品と仕入れ先が決まれば、いよいよ商品の仕入れ作業です。仕入れ時は、販売先から商品が郵送で届くため、時間・手間もそれほどかかりません。
商品到着後にはすぐにショップで販売したいところですが、販売前には必ず商品の検品をおこないましょう。万が一、状態の悪い商品を販売した場合には、お客様からのクレーム・信用の低下につながります。
こうした事態にならないためにも、仕入れた商品の検品を忘れずにおこないましょう。
ネットショップの仕入れ方法は5種類
ネットショップの仕入れ方法にはさまざまな種類がありますが、主に下記の5つに分類されます。
- ネット仕入れ
- 海外から仕入れる
- メーカーから直接仕入れる
- 問屋・卸から仕入れる
- ドロップシッピング
いずれの仕入れ方法にもメリット・デメリットがあるため、双方を理解した上で、自分の販売スタイル・戦略に適した方法を選択しましょう。
1.ネット仕入れ
メリット | デメリット |
スマホ・パソコンで仕入れが完結地理的影響を受けにくい最低1点から仕入れが可能 | 現物を確認できない利用するライバルが多く差別化しにくい |
ネット仕入れとは、インターネット上のショップや仕入れサービスを利用する方法のこと。
ネット仕入れにおける一番のメリットは、スマホ・パソコンのみで商品選定から仕入れ後の支払いまでを完結できること。現地に赴き契約をかわす必要がなく、比較的手軽に利用できます。
また、仕入れた商品は郵送で届くため、地理的影響を受けにくい点も魅力。仕入先が離れている場合でも利用でき、日本全国から仕入れられます。
仕入れ先によっては、最低1点から仕入れられる点も魅力といえます。新たに取り扱う商品を試験的に仕入れる場合や、ネットショップの出店直後に最適です。
一方、ネット仕入れでは現物を確認できない点が大きなデメリット。場合によっては、想定していたサイズ感やデザインと違うケースもあるため、仕入れ時には細心の注意が必要です。
ネット仕入れは、スマホ・パソコンで手軽に利用できる反面、全国の競合ショップも利用している方法です。仕入れ先や商品が被ることで、在庫を確保できない恐れがあります。
ライバルとの競争を避けるためには、事前のリサーチで競合するネットショップをに調べておく必要があります。
2.海外から仕入れる
メリット | デメリット |
ライバルとの差別化国内よりも安く仕入れられるケースが多い海外の商品が好きな人に強く訴求できる | 国内よりも仕入れに手間・時間がかかる仕入れ時に言葉の壁がある関税や送料など、海外ならではの障害 |
前提として、海外から仕入れる方法は、現地へ赴き直接買い付ける方法と、インターネットから仕入れる方法の2種類があります。程度の違いこそあれど、いずれの方法にも上記のメリット・デメリットがあります。
海外から仕入れる最大のメリットは、ライバルとの差別化につながることです。海外仕入れでは、国内に出回っていない商品を仕入れられるため、ほかのネットショップとの差別化が可能です。
デメリットに付随しますが、特に現地へ赴き直接買い付ける方法は、手間や時間がかかり参入障壁が高いといえます。その分ライバルが少なく、独占的に商品を販売できるため、売上につながりやすいでしょう。
国内に出回っている商品でも、海外の方が安く仕入れられるケースもあります。メーカーの所在や物価などにより、同商品でも価格差が生じるのです。この価格差を利用することで、万が一価格競争になった場合でも優位性を保てます。
お客様の中には、特定の国・地域の商品が好きな方もおられます。海外仕入れの場合には、こうしたお客様に強く訴求できるため、売上・ブランドの観点からみても大きなメリットといえます。
一方、仕入れにかかる手間や時間、言葉の壁などはデメリットといえます。また、海外からの輸入では関税や送料などコスト負担が大きいため、それを踏まえたリサーチが必要です。
3.メーカーから直接仕入れる
メリット | デメリット |
定価の5割程度で仕入れが可能ネットショップの信用に繋がる競合との差別化が可能 | 契約の難易度が高いロット単位での仕入れ |
メーカーから仕入れる最大のメリットは、定価の5割程度で仕入れられること。一般消費者が商品を購入する際は、メーカーとの間に問屋・小売店が入っており、それぞれが中間マージンをとるため、定価の8割程度で購入しています。
しかし、メーカーと直接取引する場合は中間マージンがかからないため、商品を安く仕入れられるのです。また、ほかのネットショップが契約していないメーカーの場合には、価格面での優位性を確立でき、差別化にもつながります。
一方、契約の難易度が高い点は大きなデメリットといえます。メーカーが商品を自社で販売しないのは、より多くのお客様へ商品を届けるため。つまり、信用がないショップや集客力の低いショップは契約を断られる可能性が高いのです。
メーカーとの契約を狙う場合は、ショップの集客力・知名度などをあげ、信用を確立する必要があります。
4.問屋・卸から仕入れる
メリット | デメリット |
定価の6〜7割で仕入れが可能メーカーよりも契約を取りやすい | 仕入れ値が小売店と変わらない可能性があるロット単位での仕入れ |
問屋・卸から仕入れるメリットは、定価の6〜7割で仕入れられること。先程のメーカーと比較すると仕入れ値が高いものの、小売店よりは安く仕入れが可能です。
また、問屋・卸はメーカーと小売店の間に位置する企業のため、メーカー契約よりも難易度が低い点は魅力。メーカー契約を断られたショップでも、問屋との契約を取れるケースがあるため、一度問い合わせてみると良いでしょう。
ただし、問屋の中には小売店と同額で商品を販売する業者が存在します。問屋だからといって必ず安く仕入れられるというわけではないため、その点には注意が必要です。
5.ドロップシッピング
メリット | デメリット |
在庫リスクがない配送の手間・コストを削減できる | 競合と差別化を図りにくいライバルが多い |
ドロップシッピングとは、ネットショップに商品情報を掲載し、売れたらメーカーや提携業者から、直接購入者へ商品が発送されるビジネス形態のこと。ドロップシッピングでは、在庫を抱える必要がないため、売れ残りなどの心配がいりません。
また、商品が売れた際にはお客様へ直接配送されるため、梱包・発送の手間・コストを削減できます。
一見、魅力的な仕入れ方法に思えますが、もちろんデメリットも存在します。ドロップシッピングでは仕入れ価格が統一されているため、ネットショップでの販売価格を差別化しにくいのです。
さらに、ドロップシッピングを利用するネットショップは多いため、熾烈な競争を勝ち抜かなければなりません。しかし、先述の通り価格面での差別化が図れないため、価格以外のサービスの質や集客力、商品選定などさまざまな工夫が求められます。
手軽に利用できるネット上のおすすめ仕入れサービス5選
ネットショップの仕入れ方法を5つ紹介しましたが、手軽に始められるネット仕入れを検討している方が多いはず。しかし仕入れサイトは、国内のサービスに絞っても、数多くのサイトが存在します。
この章では、数ある仕入れサイトから厳選した、手軽に利用できる5つのおすすめサイトを紹介します。ぜひ、参考にしてください。
1.NETSEA(ネッシー)
NET SEA(ネッシー)は、多くのメーカー・問屋・卸会社が出店するネット仕入れサービス。家電・アパレル・雑貨・家具など、さまざまな商品を取り揃えています。
また、ネットショップの開店準備中からでも無料で利用できるため、初めて利用する仕入れサービスに最適ではないでしょうか。
2.TopSeller(トップセラー)
TopSeller(トップセラー)は、約30万点の商品を取り揃えている仕入れサービス。受注後発注や顧客への直接配送に対応しており、在庫を抱えずにネットショップを運営できます。
プランによっては料金が発生しますが、最大300点・1000点などの商品をネットショップ内に掲載できるため、ラインナップの拡充が可能。
在庫リスク0のサービスをお探しの方におすすめな仕入れサービスです。
3.スーパーデリバリー
スーパーデリバリーは、食料品から電化製品に至るまで、幅広い商品ジャンルのメーカー・問屋が出店する仕入れサービス。
商品によっては最低1つから仕入れが可能です。また、海外販売向けサービス「SD export」を提供しており、海外に向けた販路拡大を検討中の方にもおすすめなサービスです。
4.ザッカネット
ザッカネットは2000社以上の問屋・メーカーが集まる雑貨専門仕入れサイト。デザイン性に優れたテーブル雑貨・生活雑貨・美容雑貨などを販売しています。
また、サイトの会員登録や年会費も無料なため、負担なく利用できます。デザイン性に優れた商品をお探しの方におすすめな仕入れサービスです。
5.Alibaba(アリババ)
Alibaba(アリババ)はいわずと知れた中国大手の仕入れサイト。あのAmazonと肩を並べるほどの世界シェアを誇ります。
安くて有名な中国商品を最低1点から仕入れすることが可能です。また、サイトのデザインがシンプルなため、初めて利用する方でも直感的に操作できます。
ただ、アリババでは粗悪品・偽物などのトラブルが起きています。そのため、利用に際しては代行業者を雇うなどの対策が必要です。
アリババに関する情報は数多く出回っているため、初めて海外仕入れに挑戦する方でも利用しやすいでしょう。
ネットショップの仕入れを成功させる3つのポイント
はじめのうちはネットショップの仕入れに苦戦する方が多いでしょう。価格差ばかりを意識してしまい、そもそもの需要が少ないケースや、利益商品を見つけたものの、仕入れ数が少ないケースなど、さまざまな状況が考えられます。
この章では、ネットショップの仕入れを成功させるための、下記4つのポイントを解説します、
- ライバルの少ない商品を見つける
- リピート性のある商品を見つける
- 利益率に加え、商品の回転率も考慮する
各ポイントについて詳しく見ていきましょう。
1.ライバルの少ない商品を見つける
ひとつ目のポイントは、ライバルの少ない商品を見つけること。先述のとおりライバルが多い商品は、価格競争・値崩れする可能性が高いもの。
自社が差別化を図るために価格を下げる、ライバルのネットショップも顧客を取られないよう価格を下げる、この繰り返しにより値崩れが生じます。
こうしたリスクを避けるには、ライバルが少なく需要のある商品を見つけることが重要です。具体的には、人気商品の類似商品や関連商品を探すと良いでしょう。
また、競争を勝ち抜くだけの集客力・仕入れ先の確保も併せて進めるようにしましょう。
2.リピート性のある商品を見つける
ふたつ目のポイントは、同じ買い手が繰り返し購入するリピート性のある商品を見つけること。リピート性のある商品は、トレンド商品のように短期間で爆発的に売れるケースは少ないものの、安定した売上が確保できます。
したがって、トレンド商品を扱う場合も一過性で終わる商品ではなく、再度購入してもらえる商品を見つけることが理想的。代表的な商品は、化粧品や食料品・日用品などの消耗品です。
また、同一商品ではないものの、再度ネットショップを利用してもらいやすい商品は、洋服やアクセサリーがあげられます。洋服はシーズンごとに買い換える方もいますし、それに付随してアクセサリーを追加購入する人もいます。したがって、一度気に入ってもらえれば、定期的に購入してもらいやすいリピート性のある商品なのです。
ネットショップで安定した売上を確保するには、また購入したくなるリピート性のある商品を見つけましょう。
3.利益率に加え、商品在庫の回転率も考慮する
ネットショップに限らず、ビジネスにおいて利益率は非常に重要な要素です。しかし、ネットショップの仕入れに関していうと、商品在庫の回転率も利益率と同じくらい大切な要素なのです。
回転率の高い商品を扱うと利益を短期間で回収でき、次の仕入れや販売促進などのマーケティングに資金を回せます。一方、回転率が低い商品を扱った場合は、利益回収が数ヶ月後になったり、資金を仕入れに回せなかったりする恐れがあります。最悪の場合、資金を回収できずにショップを維持できない事態にもなりかねないのです。
したがって、ネットショップの仕入れでは利益率以外に、商品在庫の回転率も意識しましょう。
ポイントを押さえ、ネットショップの仕入れを成功させよう
仕入れ方法の手順をまとめると、次の通り。
- 取り扱う商品ジャンルの選定
- 商品ごとに競合性・需要・販売額をリサーチ
- 仕入れ先の選定
- 商品を仕入れる
ネットショップの仕入れには、ネット仕入れ・海外仕入れ・ドロップシッピングなどさまざまな方法があります。どの方法で仕入れるかは、自分の販売スタイル・その時々の状況などにあわせて決めると良いでしょう。
仕入れ作業に慣れないうちは、リサーチでつまずいたり、利益商品が見つけられなかったりと、苦戦する方が多いかと思います。ただ、仕入れ作業はネットショップ運営において欠かせない作業のため、今回紹介した3つのポイントを参考にして成功させましょう。
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