今週のECニュースまとめ(2026年1月第4週)

今週の注目ECニュース

国内EC業界では、法規制の見直しや物流基盤の整備、決済・UXの高度化、越境EC市場の整理など、事業運営に直結する動きが相次いでいます。特に2026年に入り、ECを取り巻く環境は「売り方」だけでなく、「仕組み」そのもののアップデートが進んでいる印象です。

本記事では、今週注目されたEC関連ニュースの中から、事業者が押さえておきたい重要トピックを5本厳選しました。法改正の動向から、物流・決済・サイト改善・越境ECまで、日々の運営や今後の戦略に役立つポイントを分かりやすくまとめています。

目次

特商法改正へ、広告・チャット勧誘規制の見直し検討

2026年1月22日、消費者庁は特定商取引法(特商法)改正に向けた検討会を初開催しました。近年増加しているSNS広告やチャットツールを用いた勧誘について、「広告と勧誘の境界が分かりにくい点」や「消費者が誤認しやすい表現」が課題として挙げられています。特に、チャット形式での個別勧誘や、広告と認識しにくい投稿について、規制の在り方を見直す方針が示されました。EC事業者にとっては、広告表現や販売導線の適法性がより厳しく問われる可能性があり、今後の議論次第では実務対応が必要となる見込みです。

3つのポイント

  • 広告表現やチャット勧誘が法規制の対象として明確化される可能性あり
  • SNS・チャット経由の販売が多い事業者ほど影響が大きい
  • 改正内容次第では表示・導線の見直しが不可避に

日本郵便・楽天・GMOメイクショップ、デジタルアドレス普及へ連携

2026年1月23日、日本郵便、楽天グループ、GMOメイクショップなど複数企業が参加し、デジタルアドレスの普及と利活用を目的としたコンソーシアムが発足しました。日本の住所は表記揺れや入力ミスが多く、ECや物流の現場では配送遅延や業務負荷の原因となっています。デジタルアドレスは住所情報をコード化し、正確な配送や顧客管理を実現する仕組みです。業界横断での連携により、EC事業者・物流事業者双方の業務効率化と、購入体験の向上が期待されています。

3つのポイント

  • 住所入力ミスや配送トラブル削減につながる基盤整備
  • 大手EC・物流・ASPが横断的に参画している点が特徴
  • 普及度合い次第でEC運営フローが大きく変わる可能性あり

PayPalとGoogle、AI決済連携で次世代EC体験を強化

2026年1月、PayPalはGoogleと連携し、AIを活用した決済体験を実現するため、共通規格「ユニバーサル・コマース・プロトコル(UCP)」を採用すると発表しました。UCPは、AIエージェントがユーザーに代わって商品選定から決済までを行うことを想定した決済基盤です。今回の連携により、GoogleのAIサービスとPayPalの決済ネットワークが接続され、将来的には検索や対話を起点としたスムーズな購買体験の提供が可能になります。EC事業者側では、決済フローの簡素化やコンバージョン率向上が期待される一方、新たな購買導線への対応が求められます。

3つのポイント

  • AIが購買・決済を担う「エージェンティックコマース」を見据えた動きである
  • PayPalとGoogleというグローバルプレイヤー同士の連携は影響範囲が広い
  • EC事業者はAI経由の購入を前提とした商品情報・決済対応が重要に

用語解説:UCP(Universal Checkout Protocol)・・・AIが商品検索から決済までを代行する時代を見据えた、共通のチェックアウト規格。

Repro、ページ表示時間を約2倍高速化する新機能

Reproは2026年1月、ECサイトなどのページ遷移時の表示時間を約2倍高速化する新機能を提供開始しました。独自の技術により、ユーザーが体感する表示待ち時間を大幅に短縮し、スムーズな閲覧体験を実現します。表示速度は直帰率やCVRに影響する重要指標であり、特にモバイル環境では成果に直結します。本機能は既存のRepro利用企業を中心に導入が進められており、UX改善施策として注目されています。

3つのポイント

  • 表示速度改善はCVR・回遊率向上に直結
  • デザイン変更なしでUX改善が可能
  • モバイルECを主軸とする事業者に特に有効

用語解説:直帰率・・・ユーザーがECサイトに訪問した際、最初に見た1ページだけで離脱した割合を示す指標。

CVR(Conversion Rate)・・・サイトを訪れたユーザーのうち、購入や会員登録などの成果に至った割合を示す指標。

回遊率・・・ユーザーが1回の訪問で何ページ閲覧したかを示す指標。

ZenGroup、越境EC関連サービスを網羅したカオスマップ公開

ZenGroupは2026年1月、越境ECに関わる各種サービスを整理した「越境ECカオスマップ」を公開しました。物流、決済、翻訳、マーケティングなど、細分化が進む越境EC領域をカテゴリー別に可視化しています。初めて越境ECに取り組む事業者にとっては、必要な機能や支援領域を俯瞰できる資料となっています。市場全体の複雑化が進む中、事業者が自社に合ったパートナーや手法を検討する際の参考資料として活用が期待されます。

3つのポイント

  • 越境EC市場の全体像を一目で把握できる
  • 初心者〜検討段階の事業者に有用な資料
  • 自社課題の整理やサービス選定に活かせる

まとめ

今回取り上げたニュースからは、EC運営において「個別施策の改善」だけでなく、「業界全体の仕組みが変わりつつある」ことが見えてきます。特商法改正の検討に代表されるように、法規制への対応は引き続き重要であり、同時にデジタルアドレスやAI決済といった基盤整備も進んでいます。

また、ページ表示速度の改善や越境EC市場の整理など、ユーザー体験と事業拡張の両面での取り組みも欠かせません。こうした動きは、大手企業だけでなく、中小のEC事業者にも確実に影響を及ぼします。日々の運営を見直しつつ、今後の環境変化を見据えた準備を進めることが、これからのEC運営に求められそうです。

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この記事を書いた人

ECNOW編集部は、EC・デジタルマーケティングの実務に携わってきたJPholic株式会社のメンバーで構成された編集チームです。

楽天・Shopify・自社EC・広告運用・CRM・越境ECなど、現場で得た一次情報をもとに、実践的なECノウハウを発信しています。

理論やトレンドに偏らず、売上改善や運営のリアルな課題に向き合う視点を大切にしながら、EC担当者・事業者にとって「使える情報」を分かりやすく届けることを目指しています。

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