ECモールに出店したいけれど、楽天、アマゾン、Yahoo!ショッピングのどれにしようか悩んでいませんか?各モールにはそれぞれ特徴があるため、自店に合った選択が大切です。
この記事では、楽天、アマゾン、Yahoo!ショッピングに出店する際の違いを解説します。特に、利用者数が最も多い楽天での出店について詳しく解説するため、楽天で出店を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
編集者
JPholic株式会社 ECNOW 編集部
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楽天、アマゾン、Yahoo!ショッピングの出店に関する違い
代表的なECモールは、楽天、アマゾン、Yahoo!ショッピングですが、果たしてどのような違いがあるのでしょうか。それでは、各ECモールの特徴を解説します。
売上・出店数・会員数
各ECモールの売上・出店数・会員数は以下のとおりとなっています。なお、各社の売上は、それぞれの決算で発表した数値をもとに2019年の流通総額で割り出したものです。
楽天 | アマゾン | Yahoo!ショッピング | |
売上 | 3兆9,000億 | 3兆4,238億円(推定) | 8,901億 |
出店数 | 51,515(2020年10月1日時点) | 178,000(2015年6月時点) | 872,289(2019年3月末時点) |
会員数 | 1億1,590万 | 500~850万(2020年1月時点のプライム会員数) | 2,340万(2020年6月時点のYahoo!プレミアム数) |
ECモールの売上を比較すると、楽天が3兆9,000億円と一番高くなっています。ただし、楽天の売上は楽天トラベルなども含まれるため、ECモールとしての売上はアマゾンが圧倒的に高いといえるでしょう。
出店数はYahoo!ショッピングが一番多く、楽天が一番少ない結果となっています。会員数は、ECモールの集客力として非常に重要なポイントです。
各ECモールの会員数を比較すると、楽天が1億1,590万と圧倒的に多くなっています。つまり、会員数だけで見るとECモールのなかで楽天が一番集客力が高いといえるでしょう。
出店費用と手数料
楽天の出店費用は3つのプランから選択できます。最も安いプランは、「がんばれ!プラン」で月額19,500円です。販売手数料はプランによって異なりますが、ポイント原資や出店費用込みで合計売上の13~15%ほどにかかります。
アマゾンの出店方法は、大口出品と小口出品の2種類です。出店費用としては、小口出品は1商品ごとに100円、大口出品では月額4,900円かかります。販売手数料は、大口出品と小口出品どちらもの合計売上の8~15%です。
出店のしやすさ
ECモールに出店するには、初めに出店審査を通過しなければなりません。出店審査は、楽天が最も厳しく、アマゾンが最も簡単といえるでしょう。
楽天は、審査が厳しく出店数を限定しているため、ほかのECモールに比べて出店数が少なくなっています。審査基準としては、売上の見込みがあるかが非常に重要です。
楽天、アマゾン、Yahoo!ショッピングはいずれも、法人だけでなく個人事業主でも出店できます。
楽天に出店する4つのメリット
ECモールで出店するのなら、楽天がおすすめです、なぜなら、利用者数が多く、高い集客力が見込めるためです。
また、ポイントによってリピーターができやすい仕組みとなっています。それでは、楽天で出店するメリットを見ていきましょう。
メリット1.利用者が多い
楽天はアマゾンとともに、国内EC市場の約3分の1を占めているECモールです。楽天の月間利用者数は、2019年4月時点で約4804万人となっています。この数字は、日本人口の約4人に1人が楽天を利用して商品を購入している計算です。
利用者が非常に高い楽天を利用すれば、まだ認知度が低いショップでも、ある程度の集客が見込めます。
メリット2.ページ作りのサービスが充実している
ネットショップでは、サイトのデザインも大切なポイントです。デザインによって、売上が異なる場合もあるため、プロのデザイナーに依頼する人も多数います。
しかし、プロのデザイナーに依頼すると、少しの修正や変更にも料金が発生するものです。できるだけ費用を抑えたいのなら、自分でページをデザインするしかありません。
楽天には、RMS Service Square (RMSサービススクエア)という店舗運営支援サービスが存在します。RMS Service Squareは、信頼できる撮影・製作会社や、便利な製作支援ツールを効率よく探し、申し込みできるサービスです。
はじめて商品ページを作成する場合でも、ページ制作がしやすくなるツールを利用すれば安心できるでしょう。
メリット3.楽天ポイントを利用できるため、リピーターになりやすい
楽天ポイントは、楽天市場だけでなく、楽天カードや楽天トラベルといったほかのサイトでも支払い時に利用できます。ユーザーのなかには、ポイント重視で楽天を利用する人も多くいるでしょう。
ポイントには期限があるため、せっかく貯まったポイントを使用しないと勿体ないと思った人がリピート訪問するきっかけとなります。ネットショップで安定した売上を立てるには、リピーターの存在は不可欠です。
メリット3.専任のECコンサルタントがつく
楽天に出店すると、自店に専任のECコンサルタントがつきます。ECコンサルタントは、ショップの売上を上げる方法を相談したり、何かトラブルが起きた際にサポートしてもらったりできる大きな味方です。
初めてネットショップを運営する場合や経験者がいない場合でも、専門家がいると安心できるでしょう。
楽天に出店する2つのデメリット
楽天に出店するメリットは多数ありますが、反対にデメリットも存在します。楽天に出店する主なデメリットは、利用料の高さと、店舗開設や運営に手間がかかる点です。
それでは、2つのデメリットを紹介します。
デメリット1.利用料が高い
楽天への出店料は、ほかのECモールと比べて割高です。実店舗でたとえると、賃貸料
のようなもののため、毎月の固定費となります。
固定費が高いとその分、経営を圧迫するため、できるだけECモールの利用料は低い方が良いと考える方もいるでしょう。最も安い月額出店料の「がんばれ!プラン」でも毎月19,500円かかります。
つまり、最低でも年間で23万4千円の支払いが必要です。
デメリット2.店舗開設や運営に手間がかかる
楽天は出品ページの自由度が高い反面、ページの作成に手間がかかったり、毎月のイベントを準備したりと、運営に手間がかかります。
商品登録などのシステムサポートも充実している楽天ですが、初めてネットショップを開業する人にとっては、想像以上に大変だと感じるかもしれません。楽天で出店する以上、楽天が定めるルールに従う必要があります。
たとえば、楽天でページを作成した際に使用してはいけないタグがあるなど、楽天のルールに従った店舗開設や運営をおこなわなければなりません。
とはいえ、ユーザーの購買意欲を刺激するページ作りやイベントへの参加は、売上を上げるうえで重要です。多少手間がかかっても、ショップを成功させるために店舗開設や運営には多くのリソースを割きましょう。
楽天で出店するまでの流れ
楽天への出店は、以下のような手順を踏むことが必要です。
- 公式Webサイトから申し込む
- RMSアカウントを開設
- 出店審査を受ける
- 審査合格後に運営開始
それでは、各手順について解説します。
流れ1.公式Webサイトから申し込む
まずは、楽天の公式Webサイトにある「出店申し込みボタン」から出店を申し込みます。会社情報や、運営の責任者情報などを入力すると、RMSアカウントの開設が可能です。
流れ2.RMSアカウントを開設
手続から2~4週間ほど経つとRMSアカウントの利用が開始できます。RMSはRakuten Merchant Serverの略語で、楽天の店舗運営システムです。
RMSアカウントを開設すると、管理画面へログインできます。
流れ3.出店審査を受ける
RMSアカウントを作成したら、ショップを作ります。決済方法や配送方法を設定し、開店の準備をしましょう。
各設定が完了すると、開店前の出店審査を受ける必要があります。出店審査はRMS内で楽天側に依頼しますが、審査を受けるには以下の基準を満たさなくてはなりません。
- 店舗ルール検定試験の合格
- 商品登録
- 配送の設定
- 楽天からの振込口座の登録
- 楽天への自動振替設定口座の登録
- カテゴリーページの作成
- 看板画像の作成
上記の条件を満たすと、審査を受けることができます。なお、開店準備から審査までにかかる期間は、2週間~3カ月ほどです。
流れ4.審査合格後に運営開始
審査に合格できれば、いよいよショップの運営がはじまります。楽天のシステムを利用しながら、どうしたら商品が売れやすいのか、試行錯誤を繰り返し、ショップの売上を上げていきましょう。
楽天の出店にかかる費用
アマゾンやYahoo!ショッピングと並び、楽天は、国内大手のモール型ECサイトです。さまざまなサービスを提供している楽天には、出店プランが以下の通り3つあります。
- がんばれ!プラン
- スタンダードプラン
- メガショッププラン
自店の規模や目標の売上に合ったプランを選びましょう。
選べる3つの出店プラン
楽天市場では、商品の出品数や目標月商額に応じて3つの出店プランが用意されています。初めてネットショップ運営をおこなう人や、楽天で月の目標売上が140万円以下の人には、がんばれ!プランがおすすめです。
反対に、目標月商額が140万円以上の人は、より多くの商品を出品でき、高い売上が見込めるスタンダードプランもしくはメガショッププランを選ぶと良いでしょう。
がんばれ!プラン
がんばれ!プランは、ネットショップ初心者におすすめの出店プランです。月の出店料は各プランのなかで最も安い19,500円となっています。
登録ができる商品数は5,000個、画像の容量は最大500MB、システム利用料は月額売上高の3.5~7.0%です。
スタンダードプラン
スタンダードプランは、1か月の目標売上が140万円以上のショップにおすすめの出店プランです。月の出店料は50,000円と、がんばれ!プランに比べて倍以上かかりますが、システム利用料が月額売上高の2.0~4.5%のため、ランニングコストを抑えることできます。
登録ができる商品数は20,000個までで、画像の容量は最大5GBです。
メガショッププラン
メガショッププランは、月の出店料が100,000円と、出店プランのなかで最も高く設定してあります。ただし、登録ができる商品数と画像の容量は無制限です。
よって、毎月出品する商品が多く、画像をたくさん登録したい場合は、メガショッププランが最適でしょう。なお、システム利用料はスタンダードプラン同様に、月額売上高の2.0~4.5%となっています。
出店料とは別に利用料が必要
楽天に出店する際には、各プラン共通して、出店料とは別の費用も発生します。それは、システムサービス料金と決済サービス利用料金です。
これによって、ショップのアフィリエイト広告管理や楽天の安全性・集客力を維持するために必要なサービスを提供しています。
楽天の出店審査に落ちる2つの理由
楽天には複数の出店プランがあり、ショップの規模に合わせて運営できますが、出店するには審査に通る必要があります。、出店審査に落ちてしまう代表的なケース2つを紹介します。
楽天で出店を検討している方は、事前に審査基準をしっかりと把握することが大切です。
理由1.個人の副業による出店はできない
楽天では、個人の副業による出店は認められていません。そのため、本業とは別にネットショップで稼ぎたいと思っている方でも、個人の場合は出店審査に落ちてしまいます。
ただし、開業届を税務署へ提出している個人事業主に限り、副業でも楽天への出店が可能です。
理由2.禁止商材を含んでいる
楽天では、取扱商材に禁止項目を設けています。法令違反となるものや、危険物、モラルに反する商品は出品ができません。出店を申し込む際には、禁止商材を含んでいないかをしっかりと確認しましょう。
また、ショップの実績がなく、楽天側が不安に思う要素がある場合も審査に落ちる場合があります。まったく知名度がないブランドや、販売実績がない商材での出店は難しいでしょう。
対策としては、楽天以外のモールで出店し実績を作ったり、SNSでショップの認知度を上げたりする方法があります。
楽天に出店する際の注意点
次は、楽天に出店する際の注意点を2つ解説します。主な注意点は、ECコンサルタントは指名できない点と、競合が多い点です。
ECコンサルタントは指名できない
楽天に出店すると、専属のECコンサルタントがつきます。しかし、専属ではあるものの指名できないため、正直当たり外れがあるでしょう。
どうしてもECコンサルタントと相性が合わない場合は、自身で見つけるのもひとつの方法です。CRM(顧客関係管理)やブランディング、楽天で売れる方法を熟知しているコンサルタントを探してみましょう。
競合が多い
楽天は知名度が高く競合が多いため、売上を上げるための工夫が必要です。オリジナル商品を販売しているショップもあれば、転売業者も多く存在します。
特に転売業者は、低価格で販売している場合がほとんどです。転売業者の出品を取り下げない限りは、公式ショップの売上が上がりにくくなります。
楽天で出店するメリット・デメリットを理解しよう
この記事では、楽天、アマゾン、Yahoo!ショッピングで出店する際の違いを解説しました。出店料をできるだけ抑えたい方は、Yahoo!ショッピングがおすすめです。ただし、集客力の面で考えるとアマゾンと楽天が優位だといえます。
特に、利用者数が最も多い楽天で出店すると、認知度が低いショップでもある程度の集客が見込めるでしょう。ここまで、ネットショップの開業について解説しましたが、初めてネットショップを開業する人におすすめなサービスがMakeShopです。
MakeShopは、初心者でも簡単にネットショップを構築できるサービスで、ショッピングカートの流通総額は、2013年から9年連続で国内1位を維持しています。最初の15日間は無料で体験できるため、初めてネットショップを立ち上げる方でも安心です。
ネットショップ運営を検討している方は、お気軽にお問い合わせください。