今週のECニュースでは、越境ECの支援強化、リユースECの運用効率化、レビュー活用の高度化、そして世代別の購買行動データが揃いました。
物流・在庫管理・UGC・消費者インサイトなど、EC運営に欠かせないポイントが横断的にアップデートされています。
事業者が押さえておきたいトレンドを5本のニュースからまとめました。
① Shopee出店者必見:セカイロジ × スターフィールドで配送・在庫を丸ごと代行
Tokyo Otaku Modeは、越境EC物流サービス「セカイロジ」における認定パートナー制度の第2号として、東南アジアのEC支援に強いスターフィールドを追加。Shopeeの公式配送「Shopee Logistics Service(SLS)」に対応したフルフィルメントサービスの提供を開始した。これにより、出店者は保管・在庫管理・伝票発行・発送・トラッキング通知まで一括で代行できるようになり、越境ECの負荷軽減が可能となる。
ポイント
- SLS対応フルフィルメントを代行し、発送業務の複雑さを大幅に軽減
- スターフィールドのShopee運用実績とセカイロジの物流を統合
- 既存出店者だけでなく新規参入支援もトータルで実施
引用:https://netkeizai.com/articles/detail/16694
② 中古・リユースECの在庫管理を一元化、SHOPLINEが新たな選択肢
SHOPLINE Japanは、リユース(古着・中古品)に強い「WASABI SWITCH」との連携を開始。これにより、WASABI SWITCHを経由したSHOPLINEへの出品・在庫連携・注文データ取得が可能となり、複数モールの一元管理がシンプルになる。
ポイント
- リユース商材の在庫・出品・注文管理がSHOPLINEと連携可能に
- 業務負荷を軽減し、出品点数が多い事業者の効率化に寄与
- リユース特化のニーズ(SKU数多め・更新頻度高め)にマッチ
引用:https://eczine.jp/news/detail/17741
③ 無料で始めるレビュー強化 — makeshopが UGC ツール「U-KOMI」と連携
makeshop byGMOユーザーが、レビュー・UGC活用ツール「U-KOMI」を無料で使える連携プランを開始。メールから直接レビュー投稿できる仕組みや、AIによるレビュー要約などの機能で、レビューの収集・分析・活用が容易になる。高度な機能は有料プランで解放。
ポイント
- レビュー収集のハードルを大幅に下げるフリープラン提供
- AI活用のレビュー要約・返信支援・分析ツールが魅力
- Google検索/ショッピング連携でSEO・CVR向上にも寄与
引用:https://eczine.jp/news/detail/17723
用語解説:CVR(Conversion Rate)・・・サイト訪問者のうち、どれだけの人が目的の行動(=コンバージョン)を完了したかを示す割合のこと。
④ SNS時代の口コミ消費ー購買行動の定義が変化(電通デジタル)
8,700名を対象に実施した購買行動調査。認知〜購入までオンライン利用がさらに増加。問い合わせ対応ニーズは依然高く、「返品・交換」要望が最多。一方で、複数の口コミを参照しながらも「検討していない」と回答するケースが増えており、非能動的なレビュー接触により検討の定義が変化している可能性が示された。
ポイント
- 認知〜購入のオンライン利用が継続増加(検討で+6.4%)
- 口コミ参照は平均1.5〜2ヵ所以上へ
- SNSなどでの「流れてきたレビュー」が検討扱いされていない可能性あり
引用:https://eczine.jp/news/detail/17717
⑤ Z・Y世代の4割以上が衝動買い、きっかけは「セール・割引」最多(エクスクリエ)
15〜59歳の1,200名を対象とした消費行動調査。Z世代・Y世代は約4割が衝動買い経験あり。衝動買いの最大要因は「セールや割引」。X世代ではポイント還元の影響が大きく、Z世代は「嬉しいことがあった時」など感情要因が比較的強い。ご褒美消費は「スイーツ・デザート」が最多。
ポイント
- Z・Y世代は4割以上が衝動買いを経験
- 全世代共通で衝動買いの1位はセール・割引
- ご褒美購入の定番はスイーツ・外食
引用:https://ecnomikata.com/ecnews/marketing/48941/
まとめ
今回の記事を通して見えてきたのは、ECを取り巻く環境が「仕組みの整備」と「顧客の変化」の両面で加速していることです。
越境ECやリユースECのように市場が広がる領域では(①②)、物流・在庫管理・店舗機能を外部サービスとつなげることで、事業者がより挑戦しやすい環境が整いつつあります。一方、レビューや購買行動の分析(③④⑤)からは、消費者の意思決定がこれまで以上に「能動 × 受動」「計画 × 衝動」といった幅広いパターンに広がっていることがうかがえます。
EC運営は「販売チャネルの拡大」と「顧客行動の深い理解」をセットで進める時代になっています。事業者は、自社にとって効果の高い領域から一つずつ取り入れることで、より持続的な成長につながると感じられる一週間でした。

